@theophil21 presents  Decent Workに向けて、日本人ができること

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theophil21 @theophil21

有識者会議における「正社員を解雇しやすく」という意見は、相も変わらずナイーブであきれる。解雇原則自由のアメリカなどとは労働市場の構造が基本的に異なることへの無知、強大な人事権を確保することとの取引で雇用保障を与えてきた企業社会の慣行への無理解、等々。顔を洗って出直してほしい。

2013-03-08 12:55:07
theophil21 @theophil21

現在の法制度のもとでも、企業がその気になれば解雇は格段に自由にできることは、繰り返し指摘してきた。企業が人事権を放棄し、労働契約の基本原則に立ち返ってすべてを合意によって決定し、労働者に「いつでも解雇する可能性がある。したがっていつでも自由に離職してよい」と明言すればよい。

2013-03-08 12:57:46
theophil21 @theophil21

賃金、労働時間、配属などの全てを合意によらしめ、合意できなければ解雇もしくは辞職、というルールのもとでは、解雇も辞職と同様自由である。今の日本企業に、そんなラジカルなルール変更をする覚悟があるのか。せめて、解雇事由、人事権確保という「いいとこどり」ができないことは自覚してほしい。

2013-03-08 13:02:12
theophil21 @theophil21

日本の労働者のロイヤリティーとモチベーションの背景には、「会社の言う事に服従していれば雇用だけは保障される」という合理的意図があった。解雇をしやすくさせろ、との主張に、これまでの日本の労働者のロイヤリティーはもう必要ない、という前提はあるまい。説得力ある主張を練り直してほしい。

2013-03-08 13:07:07
theophil21 @theophil21

批判ばかりとの批判に応えておくと、私は従来の「強大な人事権と雇用保障」という慣行が常に望ましいとは毛頭考えていないし、解雇の金銭解決も否定してはいない。問題は順番である。外部労働市場の合理的な活性化、セーフティーネットの確立を先に実現させる意志が政府や経営側にあるのかを問いたい。

2013-03-08 13:11:58
theophil21 @theophil21

あるべき雇用社会について、制度の全体像を備えたグランドデザインを示す必要がある。私自身は、労働者が自律的に自らの仕事や働き方を選択できること、経営者が労使自治を理解して合理的な経営を進め得ること、労働組合が労使自治の主体としてその使命を十分に果たし得ることが目的となると考える。

2013-03-08 13:15:15
theophil21 @theophil21

その具体的なモデルは、何度か著書や論考で明らかにした。労働アカデミズムの片隅でひっそりと示しているに過ぎないが、今までなるほどと思える「別の選択肢」を見たことはない。特に経営側からは、今回の「解雇しやすくさせろ」のような説得力のない主張ばかり繰り返されるのが残念である。

2013-03-08 13:18:07