【即興SS的な】心の中で会いましょう

なんとなくTwitterで書き出した即興小説的なもの。会話型SSです
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不二式 @Fujishiki

心が読めるようになった男が満員電車に乗車 男と密着してる女子高生(この人の胸板超好み…) 男(……) スンスンと男の匂いを嗅ぐ女子高生(あ…この人お兄ちゃんと同じ香水だ…) 男(どうしよう…話しかけるの怖いな…でもこの娘、超好みだな…) 女子高生(私のことですか?) 男(…!?)

2013-04-17 18:02:28
不二式 @Fujishiki

男(君も心が読めるのか…) 女子高生(服の上からとはいえ、くっつきながら男の人と、心が通じ合ってるってえっちですね…///)クスクスと笑う女子高生 男(…ん?心が読めても会話は出来ないはずでは) 女子高生(テレパシー能力者でして) 男は女子高生が誘ってきていたことに気付き興奮した

2013-04-17 18:17:20
不二式 @Fujishiki

男(君は「胸板超好み」とか、匂い嗅いで「同じ香水だ」とか、俺にテレパシー飛ばしてたのか!?) 女子高生(…お兄さん、アレ、当たっちゃってますよ?私のお腹に。…えっち。) 男(し…仕方ないだろ…そんなこと言われたら…) 女子高生(…実は…他の男性に痴漢されてて…気付いて欲しくて…)

2013-04-17 18:22:21
不二式 @Fujishiki

男が見ても、満員電車でいまいち分からないが、中年のサラリーマンがねちっとした視線を、女子高生に注いで何やら動いているのは見えた。 男(…何をされてるんだ?) 女子高生(…お尻を触られてます…) 男(犯人の手をしっかり掴むんだ。掴み損ねても、それ以上は触られないはずだ)

2013-04-17 18:29:16
不二式 @Fujishiki

女子高生がうるうるした目で男を見上げる。男のそれはまた女子高生のお腹に当たった。女子高生は痴漢犯の手を掴み、上にあげた。 女子高生「この人痴漢です!」 見るとそれは中年サラリーマンの隣の、優男風の男性だった。 中年サラリーマン「コイツ、ずっと触ってんじゃないかと思ってたんだよ…」

2013-04-17 18:32:31
不二式 @Fujishiki

優男にチューニングして、男が心を読み始める。 優男「しょ…証拠あんのかよ!」(ちっ…このJK大人しそうだったのに…!) 女子高生「…その手。」 優男「…?」 女子高生「いつもあなたに触られるから、ベビーパウダー塗っておいたんです」 優男の手には白い粉がついていた。

2013-04-17 18:36:02
不二式 @Fujishiki

優男(やべっ…!)「あ…朝ベビーパウダー塗っておいたんだよ!」 女子高生「…ひっかかりましたね。それはベビーパウダーじゃなくて、ファンデーションですよ」 優男はハッとして触ってみると、確かにベビーパウダーとは違う触り心地である。 優男「ちっ…畜生…」 優男は取り押さえられた。

2013-04-17 18:38:49
不二式 @Fujishiki

優男と女子高生の事情聴取に、中年のサラリーマンと一緒に、参加した男は、優男がしていた、今までの女子高生への痴漢の経緯を聞いた。どうやら優男は女子高生の、ストーカーでもあったようだった。 ~事情聴取後~ 女子高生「…勇気を…ありがとうございました…」 男「いや…助言しただけだし…」

2013-04-17 18:42:29
不二式 @Fujishiki

女子高生「以前あなたにチューニングして心を読んだ時、あなたは満員電車で苦しんでた私を、心の中で気遣ってくれてた…」 男「以前から読んでたのか…」 女子高生「そんなあなただから、心が通じて嬉しかったです。…やっと、テレパシーが届いた。」 男「…なぜ君の心しか読めなかったんだろ?」

2013-04-17 18:46:10
不二式 @Fujishiki

女子高生「ああ、満員電車で人がいっぱいいるのに?」 男「…ああ。」 女子高生「あなたは心が読めるって言っても、まだそれほど読めないんですよ。テレパシーの力を持ってしないと。本来はチューニングしないと、満員電車の中じゃ、色んな心の声でうるさいんです」 男「…読めて、なかったのか…」

2013-04-17 18:48:17
不二式 @Fujishiki

女子高生「…私が痴漢から助かりたいだけで、あなたに気がない…って思ってますね?」 男「……」 男を抱きしめる女子高生。 女子高生「…本当にそれだけで、こんな風に…抱きしめることができると…思いますか?」 男は無言で抱きしめ返した。 女子高生「…えっちなこと考えてるでしょ」~終わり

2013-04-17 18:54:22
不二式 @Fujishiki

バスに乗る男(今日はときめいたな…電車でよく見かける女の子が、自分に気が合っただなんて…) (…あ…♡…また私のこと考えてますね?) 男が見ると、隣席に女子高生が乗って、身体を擦り寄せて来た。 女子高生「お隣、失礼します」(奇遇ですねえ) 男「ど…どうぞ」(君もこっちなのか…?)

2013-04-17 19:15:27
不二式 @Fujishiki

にこりと笑いかける女子高生(高校生が高校に通うのは普通ですよ?) 気が動転してたりしてちゃんと見ていなかった男が、女子高生の服装を見ると、それは知っている制服だった。 にやにやする女子高生(…服装チェックだけじゃなく、横から胸の大きさを見てましたね?) 男(す…済まん…)

2013-04-17 19:18:31
不二式 @Fujishiki

女子高生(…胸の大きさは…正直自信ないですから…あまり見ないでくれるといいなって)しゅんとする女子高生。 男(ご…ごめんなさい…) 女子高生(…でも好きな男性に見られるのって…ドキドキはしますね…///) 男(~~~っ!!) 顔を真っ赤にする男。 女子高生(また硬直させてますね)

2013-04-17 19:22:09
不二式 @Fujishiki

女子高生(…ところで、こっちの方って学校とかしかないですが、ひょっとして…?) 首をかしげる女子高生。 汗をハンカチで拭う男。 男(あ…ああ。俺は非常勤講師でな…) にやにやする女子高生(へえ…) 男(な…なんだよ…) 女子高生(一緒にいられるな~って) 男はまた顔を赤くした。

2013-04-17 19:26:48
不二式 @Fujishiki

男は高校のトイレで用を足しつつ、はぁ~とため息をついた。 男(あ…あの娘…た…たまらん…嬉しいが…興奮しすぎてこのままでは死ぬ…!) 教師「大丈夫ですか?柏木さん。朝から顔真っ赤ですよ」 男「あ、大丈夫ですよ。ご心配ありがとうございます」 教師「…気を付けてくださいね…」

2013-04-17 19:30:23
不二式 @Fujishiki

男「…何をですか?」 教師「…あなたの担当のCクラス、深入りしない方がいいです。何があっても無視した方がいい…」 男「な…なるほど…」 Cクラスに授業にやってきた男。 担任教師「非常勤講師の柏木サトヤさんだ。まだ若いからって女子は手を出すなよ~」 女子一同「出すわけないないw」

2013-04-17 19:34:39
不二式 @Fujishiki

にやにやとサトヤを見つめる女子高生。 女子高生(柏木サトヤ…そういう名前だったんですね) サトヤ(…まさかとは思ったが君まで同じクラスとは…興奮しすぎて死ぬんじゃないか俺) 女子高生(…じゃあもうちょっと焦らすようにしてあげますね♡) サトヤ(…そういう問題じゃないんだよな…)

2013-04-17 19:37:56
不二式 @Fujishiki

授業しだすサトヤ。 サトヤ「当然だが絵を描く場合、画材選びはかなり重要だ。昔は卵テンペラって言って、卵黄を使った絵の具を使ってたんだ」 女子高生(私の名前、聞きたいですか?サトヤ先生) サトヤ(…授業中だぞ…聞きたいに決まってる) サトヤ「油絵と違い、黄変・暗変を起こさない」

2013-04-17 19:48:54
不二式 @Fujishiki

女子高生(私の名前は、野々宮ミヤミです。ミヤミヤって呼んでもいいのよ) サトヤ(よっ…呼べるか!恥ずかしい!)「ただしテンペラは絵の具の伸びが悪い。混色もキャンバス上では難しいんだ」 ミヤミ(心ではそう思っていても、心拍数と顔の赤さは正直ですね) くるりと黒板を向くサトヤ。

2013-04-17 19:58:56
不二式 @Fujishiki

カッカッとチョークで黒板に画材の種類を書き出すサトヤ。 ミヤミ(…今、男性の「それ」…ガチガチになっちゃってますね…?) サトヤ(た…頼む…生徒側を向けないから、授業中は自重してくれ…)「有名なテンペラ画といえば、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」とかかな」

2013-04-17 20:04:45
不二式 @Fujishiki

ミヤミ(…テレパシーで今見えないクラスの状況を教えますね…) 女子生徒A(うわ…wミヤミ痴漢されたのかよw) 男子生徒B(…俺もしてえなあ…痴漢…でもやっぱ嫌だな…) 女子生徒C(…ミヤミ以外にメール送ってるの?やめといた方が…) サトヤ(…!?)チョークを動かす手が一瞬止まる。

2013-04-17 20:10:07
不二式 @Fujishiki

男子生徒D(さっそく学校の掲示板に画像アップされてるけど、ひっでえwモロ盗撮じゃんw) 女子生徒E(うわ…最低…でもこれ何か言うと私が標的になっちゃうんだ…) 男子生徒F(ひでえ…) サトヤ(誰かがイジメてて…全員がそれを許してはいないが、指摘して標的になるのを恐れてるのか…)

2013-04-17 20:15:34
不二式 @Fujishiki

ミヤミ(…せめて…誰かに知って欲しかった…心が読めてしまうのって…薄弱なテレパシーって…すごく残酷なことで…心が読めて犯人がわかっても、それだけじゃ…痴漢に対抗出来るわけじゃないし…) サトヤは眉をひそめて、無言でカッカッと黒板に書き出した。

2013-04-17 20:22:19
不二式 @Fujishiki

昼休み、クラスの前をサトヤが通り、一人で弁当を前にしていたミヤミに、目で訴えかけた。ミヤミはすっとお弁当を持って、何食わぬ顔でサトヤの側を通り過ぎ、屋上へ歩いて行った。屋上で菓子パンを食べるサトヤと、並んで弁当を食べるミヤミ。 ミヤミ(誰かと並んで学校でお昼食べるの…久しぶり…)

2013-04-17 20:45:01