バイオインフォマティクス人材育成

バイオインフォマティクスってなんだろう。50年後のバイオインフォマティクスって、バイオインフォマティシャンって、どんなだろう。アルゴリズム・ソフトウェア・データベースでこれを片付けるのは50年後どころか5年前じゃないだろうか。
2013-04-19 00:08:34
夜だから少し連投しようかな。アメリカの教育を受けて育ったから、どうしてもdevil's advocateを演じたくなってしまう。
2013-04-19 00:36:55
現在日本においてバイオインフォマティシャンは足りていないか。これは真。生命情報科学若手の会で見ても、明らかにポスドク・テクニシャンポジションは現在募集の方が多いように思える。
2013-04-19 00:38:51
バイオインフォマティシャンは必要か。僕が知る限り、優秀なwetの研究者は、ある程度自分でデータの解析はできる。NGSの解析もソフトウェアが充実していて、RNA-SeqやChIP-Seqなどの解析は「簡単」という人もいる。
2013-04-19 00:41:02
(承前) 一方、NGS解析においてBWTやde Bruijnグラフの応用が遅れたらこの分野は数年発展が遅れた可能性があるし、再利用可能なソフトウェアやデータの整備はプロジェクトの進展や応用可能性を大きく変える。同様に、「バイオインフォマティシャン」は向こう20年程は必要に思える。
2013-04-19 00:47:13
ではバイオインフォマティシャンが不足しているのは何故か。ここで問題を二分する必要がでてくる。研究者としてのバイオインフォマティシャンと、テクニシャンとしてのバイオインフォマティシャンだ。多くの場合、後者の不足を耳にする事が多いように思える。
2013-04-19 00:57:35
テクニシャンとしてのバイオインフォマティシャンが不足するのはキャリアパスの確立の問題は大きいだろう。待遇面(給与、福利厚生、雇用の安定性)などで見た時に、明らかにIT系の他の業種に比べて悪すぎる。
2013-04-19 01:17:52
研究者としてのバイオインフォマティシャンの場合、私個人としては不足している印象があまりないが、バイオインフォマティクス(アルゴリズム・ソフトウェア・データベース)ではなく計算生物学(計算機も使いながらあくまで生物学の問いに挑戦する)を志向する割合が圧倒的に増える。
2013-04-19 01:20:20
(承前) この場合、キャリアパスは普通に「生物学者」として確立していると言える。また、あくまで生物学が対象な為、計算機も使うが、必要とあらば実験もする。今は逆が当たり前になりつつある。すなわち、実験生物学を主としているが、NGSなどのデータの解析もする研究者は「当たり前」である。
2013-04-19 01:23:11
もちろん杞憂に終わってくれればいいんだけど、前のポスドク1万人の時みたいに、wetのポスドク余ってるからとinfoできるポスドクってbiologyを置いてけぼりでプログラムとかDBとりあえずできるポスドが5年後に職がないとかにしたくない。
2013-04-19 01:31:28
今日もうちの大学で医療情報とインフォできるヒトがいないという声があがり、やっぱ、複合領域を理解できる人材が今後必要なんだなと。そういう意味ではダブルメンター制度ってありだよね。
2013-04-19 01:35:13
データ共有・統合とかからの観点には他にも言いたい事はいろいろある(ex:目的が違うデータからデータマイニングなどありえない、大型グラントの前提・評価で規定すべき、埋もれる程度のデータはその程度でしかない、など)が、基本的に、僕はバイオインフォマティクス人材育成は虚構であると思う。
2013-04-19 01:36:00
まぁ @gaou_ak さんとか @iwasakiw さんみたいに複数の領域を指導できるヒトが名実共にPI(この場合はラボTOP)になればすむのかもしれんけど。
2013-04-19 01:37:53
やっぱり、せっかく面白い機械(NGS)が身近につかえるようになったし、倫理の整備できてきたし、ちゃんと日本の人たちにジェノタイプを基盤に据えた医療を実現したいな。
2013-04-19 01:44:52
テクニシャンとしてNGSデータ解析をやるなら、GalaxyとかCLCとか、GUIで簡単に使えるものが既にあるし、これからより簡単になっていく。そういうノウハウを得ても5年後には陳腐化する。新たな知を生むためには、問題発見・解決をできなければいけない。
2013-04-19 01:44:57
せっかく東北来たし、ゲノムとかDNAとかおじいちゃん、おばあちゃんにわかりやすく説明して、なんとなくみんなが元気でいられる社会にしたいな。
2013-04-19 01:46:15
今目の前にあるデータを目の前にあるツールの組み合わせでどう解くか、では新しいサイエンスは切り拓けない。全く新しい問題を発見し、それを解く為の方法を考え、応用・開発する。(ex. BWT, de Brujn Graph) その問題発見できる幅広いバックグラウンドこそを育成すべき。
2013-04-19 01:47:45
裏でどんな情報処理されてるとかp値とか、そんなのはこっちでやることで、返すときはもっと現実に根ざした提案したい。「おじいちゃんはこの病気になりやすいからどんなに飲みたくてもお酒は1日1杯までね」とか
2013-04-19 01:48:54
既存の大量データを解析して新たな発見を導き出す(データマイニング)のではなく、まず問題を発見し、その問題を解く為にどういう大量データを取得すればいいかをデザインする。目的に応じたデータをとって、それを解析する。そうでなければゴミの山を漁るようなもんだ。
2013-04-19 01:49:05
このような「問題発見・解決」能力は、別にバイオインフォに特化しなくても、一般能力として教育できる。そして、それを世間では博士号(Ph.D)と言う。既成概念や近視的視野にとらわれず、本質的に問題を発見し、解決する能力があれば、必要であれば情報学も使う。それが博士の資質であり使命。
2013-04-19 01:51:19
さて、こっからが悩ましいところなんだが、オトナの事情としてはバイオインフォマティクス分野で「人材育成」という名目であっても予算が付く事は望ましい事である。なので、単に批判するのでなく、より良いかたちにして、その予算を活かせるような提案をすべきである。
2013-04-19 02:00:41
簡単にこれまでの話をまとめると、使い捨て短寿命のテクニシャンを育ててもしかたがなく、ただ与えられたデータの解析や整理をするだけではなく、問題を発見し、取得すべきデータを提案する人材が必要だ。実験>インフォの上下関係を少なくとも対等以上にできる人材。
2013-04-19 02:07:01