「会計事務所はなぜお客様の期待に応えられないのか」の本質

税理士の立場から「なぜ、お客様の期待に応えづらいのか」を考察してみました。
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Ryota Matsunami @maznami

税理士業界の顧客満足度は30%と言われるが、実はもっと深刻。なぜなら「何に」ついて「どういう方向性」で「どの程度の水準」でという事に対するコミットメントの無いまま仕事をするから、何に期待すべきか不明確。ゆえに満足度調査の回答は本当は「問題の趣旨不明」という最悪のものであるはず。

2013-04-27 17:30:50
Ryota Matsunami @maznami

「要件定義」が不明確なのだ。「税額計算して申告書を税務署に提出しました」というのは、車検でいうと、「車検所に持ち込みました」という報告だけで、「車検は通ったのか」「整備は万全か」という報告がないのと同じ。「提出しました」に反射的に「ありがとうございました」と言ってるに過ぎない。

2013-04-27 17:40:58
Ryota Matsunami @maznami

「デキはともかく(後々調査でガッポリとられても仕方ない)、税金を計算してくれて、とにかく申告期限に間に合うように税務署に提出してくれた」ということに対する満足度って測れるものだろうか?まずはここを原点(ゼロ地点)と考えて考察を進めてみよう。

2013-04-27 18:18:12
Ryota Matsunami @maznami

「税理士業務はお客様に提供している利益を算出しにくい仕事」であるという本質論は避けて通れない。税理士に対する損害賠償請求は「得られた利益」と相殺されるべきなのだろうけれども、その利益は算出しにくいのということを考えれば、容易に想像出来るだろう。

2013-04-21 12:58:36
Ryota Matsunami @maznami

「先生に全てお任せしますので」という人ほど、何か起こった時に「あの時こう言ってたじゃないですか」という傾向があるし、「仕事を覚えたいので給料はいくらでも結構です」と言って入ってくる新人こそ処遇待遇に文句を言う傾向がある。だからこういう人たちとは付き合わない事にしてる。

2013-04-21 10:15:01
Ryota Matsunami @maznami

たまに電話で依頼を頂くのだが、「簡単だからお手間をかける事も無いと思う」と、簡単にいう人とは関わらないようにしてる。やんわりとお断りするが「皆さんそう仰りますよ」と、次に電話される会計事務所の為に釘を刺しておく。「風邪ひいたので風邪薬下さい」と診察前に自分で診断下してるのと同じ。

2013-04-21 11:37:49
Ryota Matsunami @maznami

「簡単だからお手間をかける事も無いと思う」は本質的に「仕事に対する評価も感謝もある程度しかしません」に近い事を言ってる。お金を払うとはいえ、仕事をお願いする態度として間違ってる。気をつけねば。

2013-04-21 14:24:08
Ryota Matsunami @maznami

買掛金残高が10万円違うのを調べたら、100万円損益に影響する要因に行き着く事もある。経験則から損益に影響が大きい部分の優先順位を高くしてもだ。「前日言ってた損益と違うじゃないですか!」とお叱りを受ける事もあるが、これは企業の全経済取引を把握出来ない以上完全には防げない。

2013-04-21 09:48:10
Ryota Matsunami @maznami

会計事務所も企業の全経済取引を把握している訳ではないので、一つの事象について、アプローチを変えて色々な角度から検証する。その結果、相対的な真実に近づくことができる訳だが、これは確度の高まりであって、以前の処理もその時点で把握していた要素からの正解であって、誤りだった訳ではない。

2013-04-21 09:56:02
Ryota Matsunami @maznami

確率論で仕事をしているのに、「お前のクジの引き方が悪い」と非難されてもどうにもしようがない。

2013-04-21 10:03:13
Ryota Matsunami @maznami

確かに「パチンコとかパチスロの設定を経験から見抜く」みたいに、クジの引き方そのものの技術的向上ということも不可能ではないので、真摯に反省すべきではあるのだが。

2013-04-21 10:07:16
Ryota Matsunami @maznami

「精査」か「試査」かという問題よりも、「目の前の資料が全てではない」という本質論を、いかにして企業と共有するかの問題なのだろうなぁ。

2013-04-21 13:23:09
Ryota Matsunami @maznami

あるいは「目の前に無い」資料の存在を予想する為の「試査」という論点も大切なのかと。

2013-04-21 13:25:11
Ryota Matsunami @maznami

「結局自分でやってるのと変わらない」と「何も説明が無かったので何をやってもらったのか分からない」という2種類のクレームの間で、私達は永遠に翻弄されるのだ。インフォームド・コンセントを方法論として確立するのは、まだまだ先になりそうだし、所詮は人と人、実のところ正解も無いのだろう。

2013-04-21 13:59:34
Ryota Matsunami @maznami

税理士業界のセカンドオピニオンには「ガイドライン」が必要。人は自分にとって都合の良い事しか印象に残さないのだから、依頼者目線の断片的な説明で適当な回答をしないという倫理観が必要。我々は「断片的な情報から判断する事の危険性」についてよく理解しているはず。結果不利益を被るのは依頼者。

2013-04-21 10:34:41