茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第919回「人間は手段ではなく、目的である」

脳科学者・茂木健一郎さんの4月24日の連続ツイート。 本日は、日本からのニュースに触れて考えたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう! 滞在中のホノルルは、今、午前7時11分です。

2013-04-24 02:11:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

ただ今、午前7時41分です。滞在中のハワイ州ホノルルから、連続ツイート919回をお届けします。本日は、日本からのニュースに触れて考えたこと。

2013-04-24 02:41:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(1)朝日新聞に掲載されたユニクロの柳井会長のインタビュー(http://t.co/crxCVQ1u20)が話題になっている。私のところにも、メールでどう思うか、という問い合わせがきた。全文を読んで、考えたこと、感じたことについて記したい。

2013-04-24 02:46:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(2)資本主義の世界においては、労働は生産手段であり、コストである。グローバルな競争の下で、利益を上げるという「効率」を追求していけば、柳井氏のように、世界同一賃金といった発想が出てきても、それ自体は不思議ではない。柳井氏のインタビューは、経営の合理性に基づいたものだろう。

2013-04-24 02:49:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(3)一方、オフィスの賃貸コストは地域差が依然として存在する。賃金を世界同一に出来るという発想には、労働者が、そのような労働環境の改変に対して、柔軟に対応して、適応することができるはずだという前提がある。実は、グローバル化についての議論は、この点にアキレス腱があると考える。

2013-04-24 02:51:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(4)グローバル化した資本主義の論理では、みなが英語をしゃべり、労働条件や労働密度の変化にも柔軟に適応できるはずだ、いやそうすべきだ、そうでないと年収100万円になっても仕方がない、というタイプの議論は、人間の学習能力、環境に対する適応力を前提にしている。

2013-04-24 02:53:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(5)しかし、実際には、人間の能力には個人差がある。また、生活がかかった仕事の場で、学習し、適応するという課題には、生存をかけたプレッシャーがかかる。結果として、脳の可塑性が、その自然な学習曲線よりも急速な変化を余儀なくされ、精神の変調を来す人も出てきてしまう。

2013-04-24 02:55:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(6)当たり前の話だが、人間にはできることとできないことがある。できないことを強制され、それができないと生活すらままらないというのは、あきらかに行き過ぎだろう。成長のためには、ある程度の緊張感、競争は必要である。しかし、それが行き過ぎてしまうと、人間性が毀損される。

2013-04-24 02:57:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(7)チクセントミハイのフロー理論によれば、課題とスキルが一致した時に人間は最もパフォーマンスが上がり、学習するのである。課題とスキルは、うまく釣り合ったまま右肩上がりで上昇するのが望ましい。いきなり、スキルをはるかに超えた課題を強制されると、学習意欲自体が失われる。

2013-04-24 02:58:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(8)『脳を活かす勉強法』(PHP)にも書いたように、課題とスキルがほぼ一致するゾーンで活動、学習を進めるためには、自らが自主的に課題を設定し、成長していくことが大切である。他者から与えられる課題は組織においてはある程度必要だが、それが行き過ぎると、プレッシャーにつぶれる。

2013-04-24 03:00:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

にも(9)人間は手段ではなく、目的である。のびやで楽しい学びに基づく企業と、機械的で強制的な背伸びに基づく企業が競争した場合、短期的には後者が勝つ場合もあるかもしれないが、長期的には前者が最大の付加価値をつくる。ユニクロは、前者であると思いたい。世の中を変えた企業なのだから。

2013-04-24 03:04:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、、連続ツイート919回「人間は手段ではなく、目的である」でした。

2013-04-24 03:04:57