@nosuke_pooh 氏による「東京国立博物館・特別展「大神社展」及び本館展示の気になった古典籍・古筆切」

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久保木秀夫 @nosuke_pooh

東京国立博物館・特別展「大神社展」及び本館展示いくつか。気になった古典籍・古筆切についてつぶやいていきます。

2013-04-26 21:35:01
久保木秀夫 @nosuke_pooh

大神社展80「神代系図」1巻。本文に較べて系図線の墨色が薄い。人名(神名というべき_)及び注記を書写し、それらの配置が確定したのちに系図線を引いた模様。考えてみれば合理的な書写方法。

2013-04-26 21:38:39
久保木秀夫 @nosuke_pooh

だいぶ前のツイートですが、×(神名というべき_)→○(神名というべき?)でした<(_ _)>

2013-04-26 23:21:38
久保木秀夫 @nosuke_pooh

大神社展83「海部氏系図」1巻。紙面に対して平行に系図を書写(伝わりますでしょうか?縦系図と呼ぶそうです)先の80とは逆に、系図線の上に人名が書写されている。すなわち先に系図の直系線を横一直線に引いたあとで、歴代当主の人名を書写し、かつ支線を加えて傍流(?)の人物を書写した模様。

2013-04-26 21:46:25
久保木秀夫 @nosuke_pooh

系図の作られ方もさまざまであると関心した次第。ちなみに本文と系図線との墨色にほとんど違いがない場合は、本文の配置について参看できるもの=親本があったということになるので、その本は原本ではなく転写本である可能性が高い、ということになろうか。そんなことないかな?

2013-04-26 21:51:04
久保木秀夫 @nosuke_pooh

本館・新指定国宝重文展『土御門院御集』は伝坊門局筆。該本には「俊成卿女手跡云々、奥書人切取了、不思議次第也/正徹(花押)」という興味深い識語あり(『日本大学総合学術情報センター所蔵古典籍資料目録 歌書篇』に図版掲載)。展示部分では「万代」(万代和歌集)の集付が注目される。

2013-04-26 22:10:41
久保木秀夫 @nosuke_pooh

本館・新指定国宝重文展「松尾社法楽和歌」は、足利尊氏による諸社寺法楽和歌を浄書?した、いわゆる七社切類とは異なり、懐紙そのものを巻子装としたもの。展示目録には「尊氏外三筆」とあるが、展示で開かれているのが懐紙3枚分というだけで、巻子の太さからはもっと沢山の枚数が継がれていそう。

2013-04-26 22:16:20
久保木秀夫 @nosuke_pooh

本館書跡室では手鑑『月台』が贅沢に広げられていた。伝行成筆和泉式部続集切、同針切、伝公任筆砂子切(たぶん)、伝公任(小大君)筆香紙切、伝忠家筆柏木切、伝俊忠筆二条殿切、基俊筆多賀切などなど。ほか掛軸で伏見天皇筆筑後切なども。もう至福のひととき(笑)

2013-04-26 22:21:17
久保木秀夫 @nosuke_pooh

ところで平成館から本館書跡室に移動する途中で、特集陳列「キリシタン関係の遺品 イエズス会の布教と禁制下の信仰」が開催されていたhttp://t.co/s0OaHyCVVN

2013-04-26 22:24:41
久保木秀夫 @nosuke_pooh

キリシタン関係遺品展。ちょうど昨年度、きりしたん版について調べていたので、おやおやと思って観てみると、18『天正遣欧使節記』(1585イタリア刊)や19『イエズス会士日本会報』(1591~92ケルン刊)などと並んで、20「祈祷書 安土桃山~江戸時代」なるものが→

2013-04-26 22:30:09
久保木秀夫 @nosuke_pooh

この「祈祷書」がもう、紛う事なき日本の列帖装の古典籍!確かに室町末~江戸初期の書写。以下目録解説を引用。「ラテン語の聖歌が変体仮名で墨書されている。聖母マリアの聖歌の歌詞と祈願文が正確に丁寧に写されていることから、この祈祷書が弾圧以前に時間をかけて作られたことがわかる→

2013-04-26 22:34:35
久保木秀夫 @nosuke_pooh

→また筆写者の日本人のラテン語の知識と、日本での聖歌の普及を裏付けるものである」。東博ニュース705・P8右下にも図版と略解説掲載→http://t.co/V98bzLlzVl

2013-04-26 22:40:18
久保木秀夫 @nosuke_pooh

同略解題によると、皆川達夫氏によるご研究がある由。こちらのサイト http://t.co/uWoidUe6JW や、こちらのサイト http://t.co/IMgbzgLn5v などもご参照。なお後者中「耶蘇教写経(キリシタン・マリア典礼書写本)(東京国立博物館蔵)」とは別書?

2013-04-26 22:48:47
久保木秀夫 @nosuke_pooh

それにしてもこんな古典籍があるなんて、はずかしながら、まったく知りませんでした。もっとよく調べてみますが、ともあれ個人的にはこの「祈祷書」が、東博の現在の展示の中で、イチオシ中のイチオシです(笑)

2013-04-26 22:52:56
久保木秀夫 @nosuke_pooh

以上です。お騒がせしました(^_^;)

2013-04-26 22:54:00
久保木秀夫 @nosuke_pooh

ひとつ書き忘れ。「祈祷書」は縦7~8㎝ほどの小型本。携帯用かとも思われますが、あるいは隠匿用なのかもしれず、その場合は弾圧開始後の書写である可能性も。そういった点でも興味の尽きない写本です。より厳密な書誌・本文調査の必要性を痛感します(どなたかご専門の方!)

2013-04-26 23:04:05
勉誠03 @bensey03

@nosuke_pooh そういえば長崎市外海歴史民俗資料館にオラショの写本がかなり展示されておりました。書誌的な調査はどれほど入っているのかはわかりません、

2013-04-26 23:21:07
久保木秀夫 @nosuke_pooh

@bensey03 ありがとうございます。図録の有無を調べてみます。

2013-04-26 23:23:44
勉誠03 @bensey03

@nosuke_pooh 因みにそばには日本の石板印刷のはじめとされるド•ロ神父の記念館もあります。http://t.co/A6UsRiCTyH当時の印刷物も展示されていたはずです。版画はかなり面白いものと思います。http://t.co/TfVL67DCia

2013-04-26 23:36:03
久保木秀夫 @nosuke_pooh

@bensey03 おお、それも知りませんでした。これはちょっと、一度行ってみないといけないですね(ちゃんぽんと皿うどんを堪能しがてら)

2013-04-26 23:41:52