マンガは泥舟じゃないよ!

知る人ぞ知る おどろきの白鳥@w_swan さんのマンガ業界考察をまとめてみました。 SadaKojiさんの「w_swan(おどろきの白鳥)さんの「漫画は死なず、でもやらなきゃならないこともいっぱい」」 togetter.com/li/493976 とほぼ同じ内容です。
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おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

小説でも映画でも音楽でも起こってきた現象だが、人気が出てくるとそのジャンルに人が群がってくる。漫画を読む人が増え、さらに漫画家を目指す人が増える時代を迎える。それによりジャンルは活性化し、多様性が出、市場全体の数字は一定時期まで伸びていく。しかし↓

2013-04-27 14:38:04
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓漫画・出版物に限らず、エンタメ系ジャンルの市場拡大(売上数字伸長)は、必ず後に伸びず、留まり、微減する「踊り場」を迎える。そのあと、伸びた原因、売れる要素を分析し、現場へフィードバックすることで一時的に「V字回復」をとげることもできるが、概ね低下し「下げ止まり」か「壊滅」する↓

2013-04-27 14:43:19
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓おおざっぱに「ジャンルの流行が過ぎる」とくくることで思考を止めることもできるが、もう一歩深く考えてみる。それに、一方では「『ONE PIECE』みたいに大ベストセラーもあるんだから、漫画・アニメってすげーんじゃね?」って意見もあったりするのだが…↓

2013-04-27 14:46:16
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓SFでよく使われた「拡大と浸透」「一般化」というのも一つの解。一般化前=読み方や選び方を自ら習得して一部の漫画・アニメファン(一種のジャンルエリート)しか買わなかった時は数は出ない。しかし、一般化すると数字が伸びる。が「誰でもいつでも読める」ということで、興味が薄れていく。↓

2013-04-27 14:50:39
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓別の解も考える。多様性が出ることで、コミックスや漫画雑誌の出版点数が増えていった。それにより、一時期は数字が伸びるが、1点あたりの発行部数は必ず下がっていく。書店の販売展示面積には限界があるからだ。出版社からは並べきれない点数が刊行され、書店にはほぼ毎日新刊が送られていく。↓

2013-04-27 14:56:13
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓前日の新刊はよほどのベストセラー以外、1日で平台から下げられ、面ざしに落ちる。下手すると在庫棚に入れられたり、返品されたりする。つまり、1アイテムあたりの「顧客の目に触れる時間・機会」が減っていくのである。これにより、1点当たりの売上機会損失は増えていく。↓

2013-04-27 15:02:52
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓その下げ方がドラスティックなのは、コンビニですね。雑誌なんてせいぜい2~3日しか置いてない。バイトがいい加減だと1週間置いてたりするけど。「今はネット販売の時代だし、コンビニや書店の単行本売上なんて大したことないんじゃない?」と思う方も多いだろうが↓

2013-04-27 15:06:55
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓ネットでは「探しに行く」行為が入るため、「話題になった物しか売れない」のである。ネットで評判になるとき、初動は雑誌や単行本をSNS界の著名人やブロガーたちが実際に買ったり賞を取ったりして、初めてその作品を知る方が多いはずだ。↓

2013-04-27 15:11:43
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓直感や経験で「買う人」が「現場で目で選ぶ」というのが、知られてない作品が世の中に拡散していくために必要な、最初の最初のワンステップなんですね。でも、そんな目利きの人たちでさえ、作品を追いかけきれないほどの点数が世の中に送り出されていけば、話題になる機会は減っていくわけです。↓

2013-04-27 15:14:02
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓なので、出版社はあの手この手で話題を創出していく。アニメ化、ドラマ化、映画化、他業種での商品化などMX(メディアミックス)・MD(マーチャンダイジング)がいい例。漫画賞や、このマンガがすごい、ダビィンチ、コミックナタリーの活用なども代表的な例です。でも、一過性のドーピング。↓

2013-04-27 15:18:36
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓1クールアニメなどになったりすると、むしろアニメが終わっちゃった後に「え、まだやってたの?もう流行終っちゃったじゃん。まだあの原作読んでるの?だっせえ」てきな空気が、漫画作品に漂うことになり、むしろ作品の寿命を縮めちゃったりするんですな。↓

2013-04-27 15:20:21
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓おっといけねぇ、解を探す思考に戻ろう。別の解を提示。多様性と同時に、愚にもつかないものの量産、流行におもねったもののという現象が、作品の寿命を絶つことにも言及したい。漫画に限らないが(映画、ドラマの方が顕著)、売れたものの二番煎じ、首のすげ替えなどが頻繁に行われる。↓

2013-04-27 15:23:09
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓そもそも模倣文化的側面がある漫画・アニメではある。たとえば「ゴルゴ13」が流行ってたから手塚治虫が「ブラックジャック」を描いたわけで、模倣が悪いわけではない。明確な線引きはできないが、売れてるからこの方向で、という編集者、作家の安易な思考で、作られる作品も少なからずあるわけだ↓

2013-04-27 15:26:15
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓とはいえ、これはリスペクトやパロディ、パクリの線引きが難しい(写真や漫画作品そのもののトレスは論外)問題を内包しているし、感覚・主観的な部分で人毎に基準が違うから、明確な解とはなりえない。せいぜい「ありがちだなぁ」といって、その傾向の漫画の売れ行きが減っていくだけのことである↓

2013-04-27 15:29:27
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓余談だが、この同傾向の作品が減る現象は、漫画の場合はむしろ内容より絵柄に顕著だ。絵柄の傾向の元祖になる人は試行錯誤のうえ同時の絵柄にたどりつくけれど、その絵柄に憧れ真似ただけの人たちは寿命が短い。演技の質や、立居振舞の「芯」がしっかりしてる元祖の人は生き残るが、↓

2013-04-27 15:33:17
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓真似たり流行に安易に乗っただけの人は、かわいいだけのアイドルや子役みたいなもん。一時売れて、即使い捨てになる。なので、個人的主観だが、80年代のマニア向け絵柄や、90年代のアニメっぽい絵柄、2000年代の萌え、今のラノベ系絵柄は「どのくらい生き残るかな?」と思ってきた↓

2013-04-27 15:36:11
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓で、今のところ私の最終的な解。それは「可処分問題」と「少子化」である。「可処分」とは「自分の判断で物事を決められる能力や事項」。まず「可処分所得」給与水準が年々下がってるのはみなさんご存知かと。バブル期97年の国民平均所得が467万円に対し、今は406万円。↓

2013-04-27 15:46:11
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓ところが年収が下がってる割に、実は物価も下がってるので、可処分所得そのものは大きく変わってないことが以下のデータで分かるかと思う。 http://t.co/I5yUATDfIK  http://t.co/bJXpEatZSj  http://t.co/3mHUz6dqLk ↓

2013-04-27 15:51:04
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓続いて、「可処分時間」。ここから分析される仮説は、可処分所得の振り分けとして、漫画にお金を落とさなくなってる=漫画はエンターテインメントとしてお金を払うものとして選ばれにくくなっているということであろう。漫画自体は読まれてないわけではない。実はブックオフなどの新古書店や、

2013-04-27 15:55:06
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓漫画喫茶などで、数値化されずにちゃんと読んでいる人口はあると思うんですね。よく大手出版社が「新古書店のせいで漫画が売れなくなった」というけれど、一面では正解だが、もう一面では「新古書店が無かったら漫画を買ってくれない層」ということを認識すべきかと思う。↓

2013-04-27 15:57:29
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓漫画家や出版社からしたら、新古書店でしか本を買わない人は読者じゃない、という気持ちはよくわかります。しかし一方では、新古書店で本を買う人って言うのは、アニメをビデオ・DVD・BDで買わず、HDDで録画したり、YOUTUBEやニコニコで観てる人とかわらないんじゃないかなとも思う↓

2013-04-27 16:01:01
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓これも余談だが、中古車や古着は市場が存在していて、新車やブティックと共存してるのに、本だけ中古を悪者扱いするって言うのは、作家さんには申し訳ないけどいかがなものかな?と思わないでもない。悪いのは、作家が食えるだけの原稿料や印税を捻出できない「ビジネススキーム」じゃないのかな↓

2013-04-27 16:03:33
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓私が新古書店を忌み嫌ってるのは、万引きを促進して、書店を潰し、世の中に「ばれなきゃ悪いことをしてもいい」と考えるバカガキを量産していることに起因します。最近の新古書店は身分証明書提示や、一度に同じ巻を2冊買わないなどが徹底してきたようですが、初期は無条件に買い取る所が多かった↓

2013-04-27 16:07:52
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓で同時に「可処分時間」ということも考えたい。まぁ所得と同じなんですが。1日に人間が使える時間とお金は有限だということ。仕事をして、睡眠とって、食事して、の残り時間とお金を、どのように趣味に割くか。今多くの人は、携帯電話やインターネットにお金を落としています。↓

2013-04-27 16:09:35
おどろきの白鳥@浪人 @w_swan

↓もっといえば、情報・娯楽・コンテンツそのものにお金は払わない。インフラの使用料として毎月引き落とされる額でいっぱいいぱいなんじゃないのかな。で、時間はSNSやネット、TVで消費されてる。子供はカードゲームやDS、塾などの教育に時間もお金も取られてる。↓

2013-04-27 16:12:32