小谷野敦(@tonton1965)さんによる村上春樹ものがたり

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小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

ひひょうかたちは はるきの小説を、よく言いませんでした。  「あれは つうぞくしょうせつだ」  とはるきは言われました。

2013-04-29 00:03:59
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

でも、ひひょうかたちは、じぶんたちの本がうれないので、はるきに しっとしていたのです。それでも、はるきはつらいおもいをしました。はるきの本はうれましたが、うれればうれるほど、ひひょうかたちは、はるきを わるくいいました。

2013-04-29 00:04:22
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

なんにんかは、いつもほめてくれましたが、それは その人たちが、はるきを ろんじた本を うるためだと はるきにはわかっていました。  はるきは、そんなひひょうかたちのために、小説を書いていたのでは、なかったのです。

2013-04-29 00:04:48
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

こどくに なやむひとや、ともだちに じさつされて くるしんでいる人たちが、はるきの小説を 読んでくれるのです。はるきは、くじけずに、せいこんこめて、小説を書きました。そして、ますます はるきの名前は 世界中で しられるように なっていったのです。 

2013-04-29 00:05:16
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

はるきをわるく言っていたひひょうかが しんだとき へんしゅうしゃの一人が、うれしそうなことを言いました。はるきは、「そんなことを言ってはいけない」とたしなめました。

2013-04-29 00:06:55
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

「せかいじゅうで ひとりでも じぶんの小説をわかってくれるひとが いたら それでいい」はるきは、かんがえていました。でも、ひとりどころか、それは何おくにんもいたのです。

2013-04-29 00:07:54
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

アメリカやヨーロッパだけでなく、ちゅうごくでも、べとなむでも、いんどねしあでも、うるぐあいでも、はるきの小説はだいにんきでした。

2013-04-29 00:08:35
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

けれど はるきは、それにおごることなく、にほんで ぶんがくしょうの せんこういいんをしたり ほかのさっかたちが するように さかばで ほかのさっかやへんしゅうしゃと むれて人脈をつくったりはしませんでした。

2013-04-29 00:10:57
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

せかいじゅうの どくしゃたちは はるきの きよらかなたましいを、その小説からくみとっていたのです。 「おおくの ひとたちが、ぼくの小説から いきるゆうきを えてくれれば」

2013-04-29 00:11:59
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

でも かけば かくほど はるきじしんも、にんげんの みにくいものと むきあわなければ ならなかったため くるしいおもいをしました。

2013-04-29 00:13:24
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

「ことしこそ のーべる賞だ」などと いう人もたくさん いました。「どうせ、とれやしないさ」とあざわらう人もいました。でも はるきには どうでもいいことでした。

2013-04-29 00:14:45
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

はるきは おおがねもちだと おもわれていました。そしてみな、もっともっと しっとしたのです。でもはるきは、はいったいんぜい(本を出すとはいるおかね)は、ほとんどじぜんじぎょうに きふしていたのです。

2013-04-29 00:16:58
小谷野敦アンチTRA🦖 @tonton1965

はるきの小説は いまでも 世界中で 読みつがれています。はるきを わるく言ったひひょうかで 長くいきた人は「じぶんは まちがっていた」と言いました。

2013-04-29 00:22:16