「デス・フロム・アバブ・セキバハラ」#2・再放送Ver(実況なし)

ツイッター連載小説"ニンジャスレイヤー 第2部「キョート殺伐都市/Kyoto: Hell on Earth」"より @njslyr_rによる再放送「デス・フロム・アバブ・セキバハラ」#2のまとめ(実況なし) #1 http://togetter.com/li/496229 #2 (今ここ) #3 http://togetter.com/li/496786 続きを読む
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ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

V「おい、もうこんな時間じゃないか!だいこうひょう再放送をおこなう @njslyr_r がこのあとすぐ、つまり5月1日夜9時から「デスフロムアバブセキバハラ」の昨日の続きをやるからチェックしなきゃ!」 W「とてもチェックしなくては!」

2013-05-01 20:40:48

NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「デス・フロム・アバブ・セキバハラ」#2

2013-05-01 21:05:25
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

ガンドーは敵が潜んでいないことを祈りながら、磔台へと駆け寄った。「スシ……スシ……」フジキドが苦しげに呻く。「待ってろよ、もう少しだぜ」ガンドーはフライパンのように熱くなった磔台の裏側を、素早く手で探った。オブツダン式の小さな隠し蓋を開けて、目当てのLAN端子を発見する。 1

2013-05-01 21:10:48
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

ガンドーは素早くLAN直結し、磔台のハッキングを試みる。造作も無いプログラムだ。ファイアウォールも無い。(((こいつがこんなブザマな姿を晒してるのは、実際初めてだな…。急げ急げ、敵が来るやもしれねえ)))10秒後。ピガーーー!抵抗が焼き切れ拘束具部分から圧縮空気が放出された。 2

2013-05-01 21:13:27
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

忌々しい拘束具が外れてゆく。糸の切れたジョルリめいてフジキドの両腕がガクンと垂れ下がり、それから満身創痍のニンジャは頭から前に倒れ込んだ。キナコめいた乾いた砂が舞い上がる。ガンドーがバイオハゲタカの死骸をブーツで蹴り飛ばすと、群がっていた蝿どもは口惜しそうに飛び去っていった。 3

2013-05-01 21:17:40
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

暫くして。正気を取り戻したニンジャスレイヤーとガンドーは、ともにストーンヘンジに背を預けて横並びに座り、激しい直射日光の熱と乾きから身を守っていた。ガンドーは胸元からマグロスシの入ったタッパーを取り出し、それをニンジャスレイヤーにも供する。ショーユは無いが、贅沢は言えない。 4

2013-05-01 21:20:39
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

二人とも無言で、みずみずしいスシを口に運んだ。「……無線LAN…」やがてフジキドは枯れかけた声で訊く「……無線LANすら届かないこの荒野で、一体どうやって私の居所を……?」「2日前だ」ガンドーが返す「LAN直結してIRCにログインしたまま寝た俺の夢に、ナンシー=サンが現れた」 5

2013-05-01 21:24:08
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「ブッダ!俺は実際興奮した。伝説のコトダマ空間に足を踏み入れたかのようだった。実際そうだったのかもしれん。ともかく…彼女は俺に何故か礼を言った。それから、あんたがこのストーンヘンジにいると言い残して、彼女は消えた…」スシは終わり、腰に吊ったサイバー水筒を取ってチャを2杯注ぐ。 6

2013-05-01 21:29:44
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「……フゥーッ……」ニンジャスレイヤーはチャを飲み、安堵の息をついた。完全食品であるスシ、優れた水分補給手段であるチャ、そしてニンジャ耐久力が化学反応を起こし、見る間に乾きが癒されてゆく。ガンドーもまたチャを飲み、世界の果てのような荒野を見ながら、満足げな息をひとつ吐いた。 7

2013-05-01 21:32:16
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「そうか、ナンシー=サンが……」まだいくらか意識が混濁しているのか、メンポを直したニンジャスレイヤーは乾いた空に向かって呟くようにぽつりと言う。自分が孤立無援の身であるなどとは、つくづくとんだ思い上がりだ、とフジキドは自省した。そして、隣にいるズバリ中毒者のことを思い出した。8

2013-05-01 21:37:04
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「オヌシのことは、実際死んだと思っていた」とニンジャスレイヤー「ザイバツニンジャどもがそう言っていたのだ。あれは私の希望を挫くための虚言だったか」「いや、あながち間違いでもないぜ」とズバリタバコを吹かすガンドー「ナンシー=サンがザイバツIRCに侵入して、偽の死亡報告を流した」 9

2013-05-01 21:40:08
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「さらに付け加えておくと、俺の預金口座も一ケタ増えてた。それで俺は、あの夢が現実の電子的事象だったと確信したのさ」ガンドーは彼方の雄大なキャニオンと、その上に聳えるセキバハラジョウ・キャッスルの廃墟を見ながら言った。世界の終焉があるとしたら、こんな光景だろうと彼は思った。 10

2013-05-01 21:44:04
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「……礼を言う」ニンジャスレイヤーもまた、彼方の荒城を見上げながら言った。そして立ち上がろうとするが、膝に力が入らず、産まれたての鹿のようによろめいた後、また同じ場所に腰を下ろす。「オイオイオイ、流石にまだ動けんだろ。……ニンジャってのが、どのくらい回復が速いかは知らんが」 11

2013-05-01 21:47:25
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

そのまま二人の戦士は、ストーンヘンジの影の角度が変わってゆく光景を眺めながら、疲れ果てた身体を休めた。乾いた風の音とニンジャスレイヤーの静かなチャドー呼吸音だけが聞こえた。幸いにも、周囲に敵の気配は無かった。十三人の乗り手は皆アジトへ戻り、見張りも配置されていないのだった。 12

2013-05-01 21:52:57
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

一方その頃。数マイル離れた谷間に掘られた、イグゾーションの秘密アジトにて。 13

2013-05-01 21:55:06
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

アジト入口は丸い大岩で隠されているものの、その内部にはアッパーガイオンのビルディング内と何ら変わらない、快適なアコモデーションが隠されていた。馬から下りたクローンヤクザたちは自動的にカンオケめいたコフィンベッドへと入り、紫色の光を浴びて荒野の疲れを癒している。 14

2013-05-01 21:59:09
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

他にもこの施設内には50人近いクローンヤクザ、10人の奴隷ゲイシャと5人の奴隷スモトリもいる。イタマエもだ。作戦司令テーブルにUNIXも5台以上あり、冷暖房やセントウまで完備されている。無いものといえば、ネットワーク環境くらいのもの。それとて、敢えて設けていないのだ。 15

2013-05-01 22:01:27
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

無線LANすらも届かない広大なセキバハラ荒野は、高度にネットワーク化されたキョート・リパブリックにおいて、ある種の聖域であった。イグゾーションにとってこの一帯は、ザイバツの情報網に察知されることなく秘密裏に事を運ぶための、極めて重要な意味を持つ第二の活動拠点なのである。 16

2013-05-01 22:04:42
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

(((むろん、私がロードに二心を抱くわけではない)))イグゾーションは奴隷ゲイシャに身の世話をさせ衣服を着替えながら、心の中で言った。(((むしろその逆だ。あの男…あのダークニンジャとかいう得体の知れぬ疫病神に制裁を加え、シャドーギルドに正しき秩序をもたらさんがため!))) 17

2013-05-01 22:08:30
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

イグゾーションは背を向けたまま、静かなキリングオーラを放つ。奴隷ゲイシャたちは思わず失禁しそうになった。その直後、彼はアメリカ大統領めいたにこやかなスマイルで、エクスキューショナーの肩を叩く。「君には本当に期待しているよ。この極秘任務が終われば、我々の派閥は再び力を得る」 18

2013-05-01 22:12:52
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「ハイ!」上半身裸のエクスキューショナーは、黒い処刑人頭巾の奥で目を輝かせた。「クラミドサウルス君は残念な事故で脱落してしまったが、将来的に彼の穴を埋められるのは……君しかいないと思っているんだ。まだ位階は低いがね。不相応に低い。君の能力はもっと評価されるべきだ」「ハイ!」 19

2013-05-01 22:15:24
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「私はウミノ=サンにインタビューをした後、しばしキョート城へ戻る。あらゆる侵入者からこのアジトの留守を守るのだ」「ハイ!ヨロコンデー!」エクスキューショナーは握り締めた鋼鉄サスマタで大理石の床を叩き、片膝立ちの姿勢を作ると、イグゾーションへの揺るぎない忠誠をアッピールした。 20

2013-05-01 22:18:43
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