ボストン爆破事件でのTwitterの役割とは

ボストン在住のジャーナリスト菅谷明子さんによるメモをまとめました。「ボストン爆弾事件における、ツイッター時代のジャーナリズム」(2013年5月1日・ハーバード大学ニーマン・ジャーナリズム財団) http://www.nieman.harvard.edu/Microsites/JournalismAndTheBostonMarathonBombings/Livestream.aspx
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菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

私が所属していたハーバード大学ニーマン・ジャーナリズム財団で、昨夜「ボストン爆弾事件における、ツイッター時代のジャーナリズム」と題したパネルが。色々と考えるところがあったので、メモ書きですがツイートさせて頂きます。詳細は⇒http://t.co/X5WjXLiA8R

2013-05-02 21:21:36
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

2/事件を知ったのは、遅くまで仕事をしていたパートナーの@ishii_mit からのテキストメッセージ。その後グーグルして容疑者が逃走、MIT警官を射殺したなど、詳細を知りました。しかも、かすかですが、遠くからパトカーやヘリの音が聞こえてきます。さすがに、怖くなっていました。

2013-05-02 21:25:25
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

3/グーグルで全貌を理解し、今度は今を知りたくて、すかさずツイッターをチェック。私は多くの米人もフォローしていますが、中でも近所に住んでいる友達の状況報告、ボストングローブ、でも一番役立ったのは、 @sethmnookin で、朝までずっとツイートを追っていました。

2013-05-02 21:32:04
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

.@sethmnookinがよかったのは、まず本人が現場に直行し居合せ、目の前で起こっていることをそのままツイート。でもそれに止まらず、誰かが爆発音を聞いた、というツイートをすると、自分は現場にいるのに聞いていない。それは、どこで起きたのか、などチェックを入れていることでした。

2013-05-02 21:34:12
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

4.加えて、確認が取れた市民ツイートや主要メディア情報を、選別してツイート。彼のツイートで、現場と全体像がわかり、また、噂的なものもフィルターできました。彼はMITで科学ライティングを教えている、ジャーナリストです。みるみるフォロファー数が上がり、彼への感謝の声が出ていました。

2013-05-02 21:37:01
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

5. 私が今回リアルタイムであるツイッターの情報収集にこだわったのは、何分、自分の街で起こっていたことが大きいです。容疑者は銃や爆弾を持っているということで、自宅の間近くではありませんが、やはり身を守る必要を感じたからです。

2013-05-02 21:38:52
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

6. Seth>記者が使うノートのようにツイッターを使った。違いはタイムスタンプがあること。いつ起こったのかの記録に格好だと。また、報道機関は市民のツイートを信用しない傾向があるが、これまで記者は、たまたま現場にいた目撃者に話しを聞いて、記事を書いて来た。それと同じではないかと。

2013-05-02 21:43:53
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

7. パネルにはボストン警察の公共情報の方も参加。彼らのツイートはとても上手かったのだけれど、このユニットは4人からなり、主にツイートされていたのは、ヘッドの女性でテレビ局出身であった。ボストン警察ニュースのウェブサイトにも驚き。http://t.co/BiZTnJCbyS

2013-05-02 21:48:15
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

8. ボストン警察はメディアと違って、「今の段階ではこうです」といって、あとで修正するような、中間報告はできない。私達は真実だけを伝えなければならないから、最も信頼できるメディアだと思って良いという、当人の見解。(注:警察自らが広く情報発信し、市民の情報源の一つになっていると)

2013-05-02 21:53:04
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

9. たまたま銃撃戦の近所に住んでいた男性は、自分でもわからないが、目の前のことをビデオに収めようと思った。ものすごい反応がくるようになり、自分は決してジャーナリストではないが、正確なものを伝えなければならない、という気持ちが強くなった。

2013-05-02 22:00:45
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

10. ボストングローブ、ワシントンポストンの編集者も参加していたが、両者もツイッターを情報収集、情報発信のツールとして評価していた。ただ、大事なことは情報を検証してから伝えること。上手く使えれば、こんなツールはないが、一方で、これまで築いてきた人的ネットワークが大事だと。

2013-05-02 22:07:16
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

11. 再)ボストン爆弾事件は、ニュースをまさに秒単位というリアルタイムで、しかも、メディア、市民問わずに、多様な「発信者」と、「伝搬者」と、それを見守る「参加者」によって繰り広げられた、(言葉は不適切なのは承知だが)「エンタメ」的な壮大なメディアイベントだったと思う。

2013-05-02 22:18:48
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

12. 市民もメディアも、リアルタイムの興奮状態では、メディアリテラシーはともかく、知性や理性がかつてない程、問われていると思う。色々書いてきましたが、ツイッターを使っているアメリカ人は少なく、テレビでニュースを知る人が多数なのも事実。ただ、変化がじわじわと起きているのも確か。

2013-05-02 22:28:29
菅谷明子 ジャーナリスト、ハーバード大学財団理事/Akiko Sugaya, Journalist @AkikoSugaya

以上、長々と失礼いたしました。今回の事件は地元に住む者として、色々と考えるところがあり、311でのツイッター以来、インパクトの強い体験でした。

2013-05-02 22:33:22