黄森botフォロワー200人企画

黄森botフォロワー200人企画です。企画内容は「黄森で恋人ごっこ」 それと、企画アンケートをする際に寝ている森山に黄瀬がキスをするとうものを書いたので、それも一緒にまとめました。
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両想い黄森bot @ksmr_bot

翌日、午後1時。待ち合わせの時間より10分ほど早くつくと、すでにそこに黄瀬の姿はあった。目立つ金髪を隠すように目深にかぶった帽子はまるで芸能人のようだ、と考えて、あいつは半分芸能人みたいなものかと、考え直す。「よ、黄瀬」「あ、先輩!おはようございます!」

2013-05-04 13:00:06
両想い黄森bot @ksmr_bot

「先輩、おしゃれっスねー。俺よりもモデルっぽいっスよ!」「そうか?ありがとう。でもさすがにお前には劣るよ」「えへへ、そうでもないっスよー」「そこは否定しとけ」「テヘ☆んじゃー、早速行くっスかね。あんまりひとつのところにいるとバレるんで」「お前も大変なんだな…」

2013-05-04 13:20:05
両想い黄森bot @ksmr_bot

「さて、行こうか」歩き出そうとすると、後ろから黄瀬に手を掴まれた。「ダメっスよ、先輩」「え?」「ハニカミデートは、手を繋いで行かなくちゃ!」「げ!それマジでやるのかよ…」「マジマジっスよー!何のためにデートするのかわかんないじゃないっスか」「そうだけど…」あれ、本気だったんだ。

2013-05-04 13:40:05
両想い黄森bot @ksmr_bot

「マジか…」「えへへへ」宣言通り、右手は黄瀬にしっかりと握られてしまった。周りからの視線が痛い。とりあえずこの場から離れたい。「さっさと移動しよう…」「あ!じゃあこれ!」じゃじゃーんと効果音と共に黄瀬が取り出したのは、ひとつの封筒。「この指示に従って、移動しましょ!」「わー…」

2013-05-04 14:00:05
両想い黄森bot @ksmr_bot

「えーっと、まず最初は、水族館に行くっス!」「へぇ…っていうかそのプラン、誰が作ったんだ?」「先輩方っスよ」「まさか、小堀や笠松とか早川ってことか…?」「んや、主には中村先輩っス」「ああ、そうだよな、なんかそんな感じする…」「というわけで、行くっスよ!」

2013-05-04 14:20:07
両想い黄森bot @ksmr_bot

それから黄瀬と一緒に水族館に行った。休日だから、家族連れやカップルがたくさんいた。黄瀬は帽子をかぶっているから顔はバレなかったけれど、それでも大の男が手を繋いで歩いているというのは、なかなか目立った。(早く終わってくれないかな)魚もろくに見ず、そんなことばかり考えた。

2013-05-04 14:40:04
両想い黄森bot @ksmr_bot

「水族館よかったっスねー!魚もかわいいし、アシカのショーもすごかったっス!」水族館を出ると、黄瀬は満足そうに笑っていた。こいつ、本当は自分がデートしたかっただけなんじゃないかって気がしてきた。「さ!じゃー次のプラン、開けましょ!」「次はなんだろう…」

2013-05-04 15:00:12
両想い黄森bot @ksmr_bot

そのあとは、カラオケで採点対決して負けた方が罰ゲーム、カフェでお茶をして、そして日が暮れたら海の見える公園で散歩、というデートプランを遂行した。最初のうちはこれが女の子ならよかったのに、なんて思ってたけれど、次第にそんなことを思う余裕もなくなった。

2013-05-04 15:20:07
両想い黄森bot @ksmr_bot

黄瀬の楽しそうな空気に誘われて、俺も次第に楽しくなっていった。手を繋いでいることも自然になり、周りの視線も気にならなくなった。不思議だ、黄瀬の空気は周囲の人間にまで影響するのだろうか。不覚ではあるが、黄瀬と一緒にいるのが、楽しくなっていた。握る手を離したくなくなっていた。

2013-05-04 15:40:07
両想い黄森bot @ksmr_bot

「さて、そろそろ帰る時間か」気付けば辺りはとっぷりと暮れ、デートプランもこの公園を散歩することでおしまいのはずだった。黄瀬と堂々と手を繋げるのもあとわずかだと思うと、名残惜しい。って、俺は一体に何を考えているのだろうか。まるで本当の恋人にでもなったつもりか。

2013-05-04 16:00:06
両想い黄森bot @ksmr_bot

「いや、あとひとつ残ってるっスよ」「え?でもこの公園を散歩したらおしまいだろ?」首を振り、黄瀬はポケットから封筒をひとつ、取り出した。今までの封筒はとは違うものだ。「最後は、俺のデートプランっスよ」にこり、笑う黄瀬の表情は、少し緊張しているように見えた。

2013-05-04 16:20:09
両想い黄森bot @ksmr_bot

「黄瀬のデートプラン?」「昔、番組内でもあったじゃないっスか。ゲストが自身でハニカミプランを考えてくるっていうの」「そういえば、あったな」「それっスよ」「そういうことか」「そうっス」コクンと頷き、黄瀬は封筒の中からカードを取り出した。一瞬、強く吹いた潮風で紙が飛びそうになる。

2013-05-04 16:40:04
両想い黄森bot @ksmr_bot

「最後のデートプランは、」そこで、言葉を区切り黄瀬は紙じゃなくて俺を見る。その視線が、怖いくらいに真剣でまっすぐで、思わず萎縮しそうになる。なんで、後輩に怯えなきゃならないんだ。落としそうになる視線を黄瀬に戻した。黄瀬は痛いくらいに、鋭い光を俺に向ける。

2013-05-04 17:00:08
両想い黄森bot @ksmr_bot

「先輩」「…何?」「今日のデート、楽しかったっスか?」「え?」不意の質問に面食らう。「そうだな、楽しかったよ」「また、行ってもいいって、思うっスか」「そうだな、悪くないんじゃない?」客観的な言い方でまとめる。だってこれはただのシミュレーション。俺の意見は必要じゃない。

2013-05-04 17:20:07
両想い黄森bot @ksmr_bot

「それ、先輩の意見っスか?客観的じゃなくて、先輩が本当に行きたいかどうかが、聞きたいっス」しかしそんな俺の内情は見透かされていたみたいで。冷静に聞き返された。「そうだな…でも、本当の意見だよ。今日のデートは、楽しかった」笑顔を添えて、本心を伝えた。本心から、楽しかった。

2013-05-04 17:40:02
両想い黄森bot @ksmr_bot

黄瀬とデートをして楽しかったのは本当だ。だけど、素直に楽しかったと伝えるのが癪だっただけの話で。できることならまたデートをできたらいいと思っていると、言いたいが黄瀬を調子に乗らせるのも腹立たしいから黙っておく。「へへ、それが聞けて、満足っス!」帽子を取り、軽やかに黄瀬は笑った。

2013-05-04 18:00:04
両想い黄森bot @ksmr_bot

「さー、じゃあ帰るっスかね」外した帽子をくるくると回して、黄瀬は歩き出した。「…で?最後のデートプランって?」「ん?今ので最後っスよ」「はぁ?なんだよ、感想聞くだけでいいのかよ」「いいーんスよ、っていうかそれが一番気になってたことですし」黄瀬はからから笑うけれど。

2013-05-04 18:20:06
両想い黄森bot @ksmr_bot

本当にそうなのだろうか。それなら、さっき一瞬見せたあの真剣な瞳はなんだったというのだ。こんなことを聞くためだけに、あんなマジな顔をするとは思えない。何か、本当は言いたいことがあったのではないだろうか。「黄瀬、何か俺に言うことがあったんじゃ、」「キャー!黄瀬くんよ!」「!?」

2013-05-04 18:40:04
両想い黄森bot @ksmr_bot

しかし俺の言葉は黄色い歓声によって断ち切られた。声のした方をふたりで振り向くと、そこにはふたりの女性の姿、そしてその声によって黄瀬の存在に気付いた人がこちらを見ていた。「うわ、やっべ…!」まさか、ファンに気付かれるなんて。黄瀬は慌てた声を上げるとすぐに俺の手を掴み、走り出した。

2013-05-04 19:00:07
両想い黄森bot @ksmr_bot

「馬鹿!外で帽子取るから」「だって、夜だからいいかなって思ったんスよ!」「なわけあるか、お前の顔は目立つんだから!」「わー!すんませんっスー!」ふたりでとにかく人目のつかなそうなところまで逃げると、とりあえず黄瀬に説教をした。ここまで穏便に進んだのに、これでは台無しだ。

2013-05-04 19:20:05
両想い黄森bot @ksmr_bot

「なんか、最後の最後にすみませんでした…」見るからに落ち込む黄瀬を見て、なんだか怒る気も削がれてしまった。しょげる頭を撫でた。「まったく、モデルも大変なんだな」「う、すみません…」「そんな落ち込むなよ、これさえなきゃいいデートだっだんだから。本番では気を付けろよ?」

2013-05-04 19:40:03
両想い黄森bot @ksmr_bot

あ、でも本番は撮影だから、こんな風に逃げる必要もなく堂々とできるのか、とすぐに思い至る。それは、ちょっとうらやましい。堂々と、白昼の元を黄瀬と手を繋いでデートが出来ると言うのは、一体どんな気分だろう。俺もしてみたいものだ。いや別に黄瀬が好きなわけじゃないけど。

2013-05-04 20:00:06
両想い黄森bot @ksmr_bot

「んじゃ、帰ろうか」「はいっス」黄瀬は再び帽子をかぶり歩き出した。「あ、そういえば、さっきの途中」「え?」「俺に何か言いたいことあるんだろ?」結局、まだ黄瀬の言いたいことを聞いていない。しかし、黄瀬は柔らかく微笑み、ゆるりと首を振った。「あれは、またあとで」「あとでー?」

2013-05-04 20:20:04
両想い黄森bot @ksmr_bot

「なんだよ、気になるだろ」「まぁまぁ、俺本人がいいって言うんだし、いいじゃないっスか。帰りましょうよっ」たしかにそれもそうか。黄瀬が後でいいと言うなら、それでいいじゃないか。けれど、最後の微笑みが少し辛そうに見えたのは、俺の気のせいだろうか。

2013-05-04 20:40:06
両想い黄森bot @ksmr_bot

どうにもならないことを気にしてもしょうがない。黄瀬が言いたくなる時がくるまで待てばいいじゃないか。と、家路に向けて歩き出そうとすると、黄瀬の手が俺の手を握った。「な、おい」「家に帰るまでが、デートっスよ」遠足じゃあるまいし。ふざけたことを言う。

2013-05-04 21:00:10