日本刀の柄などの拵えについて

日本刀の柄などの拵えについてです。
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武文研/居合文化研究会@川村景信 @kawamurakeishin

最近日本刀やらがグループで、流行のようで握り資料 | 長門有希 #pixiv http://t.co/smAYrteDa7

2013-05-04 16:19:01
武文研/居合文化研究会@川村景信 @kawamurakeishin

刀の拵に関して、本棚の奥にあった甲野善紀氏(松聲館)と前田英樹氏(新陰流)の共著『剣の思想』が出てきた。引用したいところだが、長くてとてもじゃないが起こせない。前田氏の佩刀である二尺二寸五厘の近江大掾忠廣は鞘師の高山一之氏が本格的に再現した拵で次元が違いすぎる名品である。

2013-05-04 19:08:47
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『剣の思想』は思想面でも私のバイブル的著書なのだが、古武道や道具に関しても書かれている情報は立ち返るべき起点だと思っている。著書の中で、拵を作った高山氏は各時代の拵の緻密な寸法をスクラップしながらその全ての情報を遮断して拵をつくる。なぜか。

2013-05-04 19:17:31
武文研/居合文化研究会@川村景信 @kawamurakeishin

現在の日本刀に関する基準とは、後世の人間が計測によって導き出したものでしかない。それこそ、様々な情報が分断された時代に事細かなデータは存在しない。あるのは職人の「感覚」のみであり、高山氏は様々なスクラップからその「感覚」を宿しているのだ。

2013-05-04 19:20:29
武文研/居合文化研究会@川村景信 @kawamurakeishin

考えてみると、今の残存刀剣はとてもイビツなものだと言える。近世以降の価値観が基準となり、より「美術性」を求めた刀剣が脚光を浴び、ここ3,400年のうちにその価値観にあったものだけが残っている。その価値観が真に正しいものであっただろうか。

2013-05-04 19:24:59
武文研/居合文化研究会@川村景信 @kawamurakeishin

高山氏が指揮して作った前田氏の佩刀は天正拵である。武術的に見て重要なのは柄の形状ではないだろうか。頭(柄尻)は角で作られ、近世のものと比べるとすこぶる大きくしっかりと張り出している。もともと寸の短い打刀から変遷している。

2013-05-04 19:37:12
武文研/居合文化研究会@川村景信 @kawamurakeishin

前に往時は戦時に際して柄巻をするとツイートしたが、そのため、縁・頭とも柄に比して大きくなっている。これは平時に柄巻・巻留ともにを行わなかったからであると考えられる。これが近世になると小振りな頭へと変わる。平時から柄巻と巻留が行われるようになり、持ち方も変わったのではないだろうか。

2013-05-04 19:41:09
武文研/居合文化研究会@川村景信 @kawamurakeishin

長く代用品である竹刀と木刀を使い続けたせいか、使用者の拵に対する実用面へ関心は近世以降に急速に減退している。これは外装の変遷史や製作方法が現在では不明瞭なことからも明らかである。しかも、これは昨今では代用品である竹刀や木刀にも言える話になってきている。

2013-05-04 19:55:07
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逆に代用品に甘んじることなく、飽くなき探求心で道具に向き合った弓術では弓矢に関する進化が目覚しい。巻いた藤のどこにつがえて照準を合わせるかなど綿密に研究されている。 / 弓の成のこと - KenさんのBLOGS - Yahoo!ブログ http://t.co/I0z464bm37

2013-05-04 20:12:54
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刀の柄で言えば、鍔の大きさや縁の腰の高さ、摘みの高低、菱の広さなど研究できる余地は際限なくあると思われる。菱は「指置き」であり、大きさは柄下地の幅と柄紐の幅で大きく変わる。縁の腰の高さで人差し指と親指の自由度は変わる。頭の形状、巻留の高さで左手の位置は変わる。

2013-05-04 20:19:45
武文研/居合文化研究会@川村景信 @kawamurakeishin

摘みの高さはどうだ。その高低により円筒型になるか楕円筒型になるか変わる。実は柄の刃側の肉を落として刃筋を通りやすくする工夫もある。逆に小指球でとらえ易くするため棟側を平らにする工夫もある。あまり道具にこだわる必要はないのかもしれないが、こういう話は残してもいいのかもしれない。

2013-05-04 20:24:52