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基礎からはじめる大砲のメカニズム(閉鎖機編)

火砲の閉鎖機構についてのお話。 歴史を何となく追いつつ、隔螺式、螺旋式といった一般的なものから、ちょっと変り種の閉鎖機までざっくりと
歴史 大砲 軍事 火砲 武具・兵器史
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えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
開発環境復旧まで暇なので、しばし間が空きましたが「基礎から始める大砲のメカニズム」の続編でもやってみましょうか。今回は大砲の肝の一つ、閉鎖機のお話です
イントロダクション~閉鎖機とは?
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
そもそも閉鎖機とはなんぞや? それは大砲の砲身の一番後ろ、開閉できるようになっている部分です。ここを開閉することが出来れば、わざわざ大砲の前に回り込んでえっちらおっちら込めるよりも素早く装填できるわけです。ごく簡単な図はこちら http://t.co/Ju7EW4Bdn3
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えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
それでは、良い閉鎖機に求められる条件とは何でしょうか? 優先順位は用途により異なりますが、一般的には「素早く開閉できる」、「小型軽量である」、「装薬の爆発に耐える」、「ガスが漏れない」の4点かと思います http://t.co/V3qDucVkbL
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えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
「素早く開閉できる」については簡単ですね。そもそも閉鎖機を持っていて後方から装填する砲(後装砲)は発射速度を重視したものですから、これは必須です。「小型軽量である」も文字通り。武器兵器において、軽いことはほとんど常に正義です
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
「装薬の爆発に耐える」閉鎖機はその内側で起きる爆発を抑え込めねばなりません。強度が足りなければ閉鎖機は吹き飛び、砲を操作する人が死傷してしまします。「ガスが漏れない」についてもほぼ同様で、爆発ガスが少しでも漏れるとそこから損傷が広がり、やがて閉鎖機が吹き飛んでしまいます
最初期の閉鎖機
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
さて、ここからは閉鎖機の歴史について追っていきましょう。まずは最初期の後装填砲、15世紀頃から見ていきます。この辺りはあまりよく知らないので、間違い等あればご指摘を
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
最初期の後装砲はこのような構造でした。大砲本体より小さな筒(小砲)に砲弾と装薬を込め、それを砲尾の穴に落とし込み発砲します。小砲をあらかじめ多数用意しておくことで、当時としては非常に短い間隔で発砲することが可能です http://t.co/ZcwxorQvZd
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えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
ただし、この方式では盛大にガス漏れが発生します。これを少しでも抑えようと、楔によって小砲を前方に押さえつける仕組みも考えだされました。当時の技術では精度の高い密封などできませんでしたが、それでも幾分マシにはなります http://t.co/bJAO6YHu8c
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えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
なお、小砲のみを用いた砲・小砲と楔を組み合わせた砲は共に日本にも伝わり、仏郎機(フランキ)の名前で知られました。文献だけでなく現物も遊就館に展示されています http://t.co/DUvZFVkNLJ http://t.co/jAf2xDsSgu
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
ただ、この楔式の砲は強度の面で大いに不安がありました。圧力が小さな楔に集中してしまう上に、当時の未熟な製鉄技術も問題でした。現代に残されている楔式の砲を見ても、楔部分が破損しているものが非常に多く見られます http://t.co/aseFihz7Ue
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
また、この手の小砲は圧力に耐えるためにかなり重く作られていました。重いということは発射速度の低下につながりますから、これでは後装砲のメリットがあまり活かされません。写真は少し違った形式の後装砲の小砲ですが、見るからに重そうです http://t.co/T36K3xnJpi
近代的ネジと螺旋式閉鎖機(Screw Breech)
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
時代は飛んで1800年代に入ると、後装砲に新たな道が開けてきます。精度の高い旋盤が実用化され、精密なネジが製造可能になったのです。では、大砲の後端をまるごとネジにしてまえばどうか、回して引き抜くことで装填、ネジを締めて閉鎖しては? http://t.co/x4n52Tj3IL
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このような螺旋式閉鎖機では、尾栓と砲尾がネジ山の全てを足した分の面積で触れ合っています。それだけ発射時の圧力が分散して負担されますから、楔式の後装砲などとは比較にならないほど高い強度がありました
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
大砲の閉鎖機とネジは切っても切れない関係にあります。例えば英国のWhitworthは螺旋式尾栓の火砲を設計していました。設計畑の人なら「ウィットねじ」という規格も聞いたことあるのでは? http://t.co/sOMFpnCKDr http://t.co/1LP06UhIda
アームストロング砲(Armstrong Rifled Breechloader)
えすだぶ@ロシア火砲調査旅行完了 @FHSWman
さて、通常のネジを用いた尾栓は確かに十分な強度を持っていましたが、長いネジを完全に引き抜くには少々時間がかかります。この点を改善したのが、1855年のアームストロング砲です。幕末のお話なんかではちょくちょく耳にしますね http://t.co/zX0l1rOdJX
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コメント

30年寝太郎 @Avocado_Inside 2013年5月6日
今どきの戦車砲弾が焼尽薬莢を採用しつつも弾底部分に金属の蓋がついているのは、鎖栓式閉鎖機の密閉性が劣るためにそうせざるを得なかったという面も有るんでしょうか?
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman 2013年5月8日
焼尽薬莢の弾底部分が緊塞の役割を担っているのは間違いなさそうです。ただ、昨今は鎖栓式でも薬莢を用いずに緊塞する方式が英国のSplit Block Breech以外にも幾つか考え出されているようですから、鎖栓式=金属薬莢必須という図式は崩れているのではと考えます
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