「めめめのくらげ」について 村上隆さんと福田裕彦さんのツイートまとめ

「めめめのくらげ」についての村上隆さんと福田裕彦さんのツイートまとめ 5/12/2013
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takashi murakami @takashipom

前にも書いたかもしれないのですが、僕が大学一年の時に「風の谷のナウシカ」のアニメ、クラスの女の子を前にネタバレ無しで話して、みんな落涙したんですよ。で、「私達今から行ってくる!」って。美術系の大学生ですからね。時間自由でしたし。で、帰ってきた皆が僕を責めるのです。

2013-05-12 09:23:30
takashi murakami @takashipom

村上くんが泣く話を散々前振りしてたんで、「風の谷のナウシカ」がどんなストーリーだかわかんなくなるぐらい、映画が始まった途端に泣けてしまって、もう泣いて泣いて、、、。。。でも良かった!って。映画ってそういう体験だと僕は思ってるんです。

2013-05-12 09:24:52
takashi murakami @takashipom

今日のTOHOシネマズでの「めめめのくらげ」の上映会 with 蜷川実花さんとのミニトークの回に来てくださる方には、体験型の上映会を楽しんで欲しいです。不特定多数じゃなくて今日の劇場にはポジティヴな空気があります。泣きたい人は思いっきり泣いてください!僕もなく準備しとこう!

2013-05-12 09:33:43
takashi murakami @takashipom

震災に出会い、なんにも出来ない自分に出会った人は沢山いると思います。自分の出来る事、なんだろう?って考えたと思うんです、みんなまじめに。その部分で戦後の日本の人々の意識ってなんか一段上がった気がしたんです。

2013-05-12 09:37:11
takashi murakami @takashipom

カタストロフが来る!と煽って信者を束ねた宗教団体もありました。でも来ちゃったら、本当にどうしようもない。人は実質的な救いとともに、方便も必要なんだな、と思ったんです。方便とは http://t.co/3PK5PpJlJI <2 ある目的を達するための便宜上の手段。「うそも―」>

2013-05-12 09:39:57
takashi murakami @takashipom

とあるように、あの世がある、という確証がなくとも、あの世を創造して、今、ここで生きている人を癒さねばならない時がある。方便は必要だと思いました。

2013-05-12 09:45:35
takashi murakami @takashipom

藤原紀香さんが被災地慰問をおこなった、という新聞記事で、小学生の男の子にどうだった?と聞くと「きれいだったぁ」と答えたという。そこに『美』の本質を感じたりした。蜷川実花さんの「ヘルタースケルター」での主人公の美への執着は哀しいまでに、しかし人間の根源への希求の念だと思った。

2013-05-12 09:48:13
takashi murakami @takashipom

作品を作ってゆく上で何を一本、筋を通すか、がとても大事なのだが、僕は「めめめのくらげ」では子供たちが諦めないで未来を造る、作れるんだ!子供たちだけでも!!!という、方便を語りたかったのです。それを子ども達自身が観て勇気をもってもらいたかった。撮影を始めた頃は無我夢中で何が何だか

2013-05-12 09:50:28
takashi murakami @takashipom

本当にわからなかった。ツィッターでも監督補の西村喜廣の影響出すぎ、というのをいくつも発見したが、それは仕方が無いことです。実際撮影現場は西村さんが仕切ってくださっていたので。でも作品造りは撮影だけじゃない。どうやって、作品そのもののテーマを発見し直すか。その迷路に何度もハマって

2013-05-12 09:52:47
takashi murakami @takashipom

特撮なのか?CG映画なのか?日本映画なのか?クールジャパンっぽいのか?とか、もうグルグルまわったのです。でも、一本芯棒を発見できたのは、3回めの音楽の入れ替えの時でした。CGもだいぶ入ってきて、映画のルックが決まってきて、これならなんとか行けそうだ、と思った時に、ちょっと待て、

2013-05-12 09:54:35
takashi murakami @takashipom

俺はこの作品で何をやりたかったんだ?なんで主人公の子供たちを現場の反対を押し切って、10歳前後の若年の子たちに演じさせて、現場でいろいろ苦労してまで、そして、子供達に叫ばせ続けて、何を伝えたいんだ?と思った時に、「方便」としての『子供たちだけでのこの世の問題は解決可能だ!』という

2013-05-12 09:57:14
takashi murakami @takashipom

そこに行き着いたんです。だから脚本が荒いとか、いろいろ問題指摘されているけれども、俺、天災映画監督として、若手でデヴューした訳じゃねぇ〜し、そもそも映画監督したかったのに、この歳まで出来なかったのは才能なかったんだし、だからしょうがねぇ〜よ、と毒づきつつ、、、

2013-05-12 09:58:49
takashi murakami @takashipom

映画を作品として成立させる芯棒さえハッキリさせれば、メッセージは伝わる!そう思ったんです。だから、この「めめめのくらげ」はガタガタでヨレヨレな作品です。でも、芯棒は通した自信はある。ココがぶれなかったからラッキーだった。

2013-05-12 10:00:40
takashi murakami @takashipom

沢山の人間との出会いでこの作品は成立しています。西村さん然り、西村さんチームのパバーンスタジオや、GAGAの依田さん、坂美沙子さん、デジフロの豊嶋さん、プロデューサーの森徹さん、kzさんや、音楽を作り続けてくださった皆さん。2年半、全力でこの作品の旅をして来たんです。

2013-05-12 10:03:47
takashi murakami @takashipom

作品作りでこんなに辛い思いをしたのも久しぶりでした。30歳前半にNYに留学して英語が話せなくてノイローゼになった時以来の精神的に追い込まれた日々でした。でも常に、周りで支えてくれる人がいたし、苦境に立たされるとエンジェルがやってきてくれたんです。いつもいつも。

2013-05-12 10:06:10
takashi murakami @takashipom

細田守さんの言ってた「映画の神様は気まぐれで、いつ何時どうなるかわからない」という言葉が上映開始するその日まで、1日じゅう頭の中を木霊していました。

2013-05-12 10:07:16
takashi murakami @takashipom

まぁ、映画、僕、まだ素人ですからね。恥ずかしい程、熱いわけです。51歳でこうして完成させてもらえて、公開もさせてもらえて、本当に幸運だと思うし、あと、この作品にも意味があるからだ、と思っています。こうして打ち切りが決まったことにも意味がある。

2013-05-12 10:08:44
takashi murakami @takashipom

僕は『美』の神様だか悪魔と契約したある日あるとき、というのを持っている人間です。僕はその日から『美』のエヴァンジェリストとして生きようと決めてしまったのです。

2013-05-12 10:11:08
takashi murakami @takashipom

まぁ、そんなこんなを映画を造って、公開させてもらって、打ち切りが決まって、蜷川さんとのトークショウの回が満席で埋まって、そういう辛かったり嬉しかったりが、物凄い振れ幅で襲ってきた、日曜日の朝、でした、ちゃんちゃん、という感じです。

2013-05-12 10:14:00
takashi murakami @takashipom

TRONを造ってる時のダフト・パンクのお2人にお会いして、結構長い時間お話しました。彼らも映像を自力で作りたくて、LAにスタジオを造った、と言ってました。TRONのようなメジャームービーじゃなくもっと小ぶりの自分たちの映画だよ、、、って。

2013-05-12 10:15:33
takashi murakami @takashipom

映画は数百億円賭けた超大作でも、低予算映画でもお客様の支払うチケット代金は一緒です。見る側もそのフラットな目でなにもかも見るわけです。僕もそうです。「華麗なるギャツビー」とか劇場でみたいですもん!でもダフトパンクの彼らが言うように、小ぶりな映画、というのもやっぱ有るんですよね。

2013-05-12 10:17:55
takashi murakami @takashipom

熱くなりすぎてしまった。。。この熱量を「めめめのくらげ2」にぶち込みます。

2013-05-12 10:23:43
takashi murakami @takashipom

あと、アニメ作品『シックスハート・プリンセス=6HP』の事、どうしてんだよ、オラ!と知ってんだぞ的にかまして来ている皆様。ご安心ください。札幌のスタジオポンコタンで制作しております。そっちの作品もいずれ「めめめ」と同じく断頭台にたつことになるかと思います。その時は容赦無く、

2013-05-12 10:25:42
takashi murakami @takashipom

叩いていただいて結構です。お楽しみに。

2013-05-12 10:26:07
takashi murakami @takashipom

「めめめのくらげ」の鑑賞後の感想に、鑑賞後帰宅時にしばらく歩いてしまった、という方が多かったのです。その人、僕の芯棒を受け取ってくださったと思うんです。この映画の「方便」『子供たちだけでのこの世の問題は解決可能だ!』という部分。そこに触れてくださったんだと思う。

2013-05-12 10:44:59