井手口彰典『ネットワーク・ミュージッキング』について云々

『同人音楽とその周辺 : 新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念』(青弓社、2012年)でおなじみの井手口彰典さんの『ネットワーク・ミュージッキング』(勁草書房、2009年)を読みながらおしゃべりしました。
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参考までに

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会話

料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

予読がどうしていいかわからないな。目次読む習慣があまりないからな。 / “最速から最遅まで読書技術のABCを速度順に並べてみたー新入生におくるその3 読書猿Classic: between / beyond readers” http://t.co/j7TrWmtFuq

2013-05-13 16:33:31
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

予読の仕方がわからないから、Twitterを使うか。

2013-05-13 16:44:42
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

予読。井手口彰典『ネットワーク・ミュージッキング』勁草書房、2009年。

2013-05-13 16:46:23
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

主題名は「ネットワーク・ミュージッキング」。これは「クラウド・ミュージッキング」と言い換えることもできそうらしい(同書p.247)。ネットワークということばの含意はふたとおりに取れそうだ。

2013-05-13 16:49:22
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

クラウド・ミュージッキングから連想されるように、まずはインターネットなどのアーキテクチャ的な視点からの「ネットワーク」。CDやカセットテープといったフィジカルなフォーマットではなく、iTunesやBandcampやYouTubeのようなフォーマットを通した音楽行為のあり方。

2013-05-13 16:55:12
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

もうひとつは、「SNS」や「コミュニケーション」で想起されるような、人的ネットワークによる音楽行為。渡邉大輔『イメージの進行形』でも重要なものとして扱われていた、いま流行りの?概念。

2013-05-13 16:59:09
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

副題「『参照の時代』の音楽文化」はこれだけ読むとわかりにくい気がする。鍵カッコがついてるし。ふつうにゆきわたっている経路から「参照」ということばについて考えると、リミックスやMAD文化にあるような、「元ネタ」のパロディや引用、オマージュといった文脈が思い浮かぶ。

2013-05-13 17:03:18
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

そうすると、主題の「ネットワーク」はいくぶんか人的ネットワークというか、創作・視聴行為の創発的な連鎖を意味するように見える。ところが、ぼくがした読みしたところによると、ここでいう「参照」はべつのものを意味している。

2013-05-13 17:05:42
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

同書では、iTunesMusicStoreなどのシステムにおいて、かならずしもローカルに音楽の実体を保持する必要がなく、iPodなどのような「キャッシュメモリ」がそれらの情報源をネットワークの介在を前提にアクセスし利用するようなありかたを「参照」と呼んでいる。

2013-05-13 17:09:56
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

引用:「対象となる記録メディア、たとえばハードディスクやウェブサーバとの間で情報の遣り取りができる環境であることを前提とし、記録メディア自体の所在や物理的な移動とは無関係なままに、そこに納められたデータにアクセスしまた利用することを、『参照』と呼ぶことにする」(同書p.7)

2013-05-13 17:11:46
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

バズワードとして、この「参照」をダブルミーニングで使うこともできるが、差し当たってはこのことばの使い方のニュアンスには注意したい。

2013-05-13 17:13:06
jabrafcu @ja_bra_af_cu

井出口先生の「参照の時代」って、ジャック・アタリの『ノイズ ―― 音楽・貨幣・雑音』における「儀礼の時代」「演奏の時代」「反復の時代」「作曲の時代」をふまえたネーミングだよね、多分。「ネットワーク」も、もしかしたら同書からかも

2013-05-13 17:13:48
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

ただ、たちどまって考えるに、時代をかっこよく語ることばとして、ウェブサーバとキャッシュメモリのようなあ関係性を「参照」と呼ぶことはなんとなく古く感じるような気がする。適切なことばはわからないが…

2013-05-13 17:16:52
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

また、同書で新しい「参照の時代」の聴取のあり方として、情報の参照によって成立するコミュニケーションの話も書いているが、この話と表題の「ネットワーク」ということばのニュアンスも混同してしまいそうである。

2013-05-13 17:21:58
Ninzya @DEATHDIGITAL

読んでてこれを参照と言うには、伝わらないし良くもないし特別な行為でもない(過去の聞き方と対置するための整理の言葉)し、なんかなぁと思ったことがあった

2013-05-13 17:21:59
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

@WooSueEe ですよね。学術研究だからこれでいいのかもしれませんが、新しい概念として頭に入れるには「参照」ということばなどがあまりすっと入らない感じがします。

2013-05-13 17:29:39
Ninzya @DEATHDIGITAL

実際の音楽参照コミュニケーションは、「呼び出されるもの」ではなく、「摘み取られる」ように「適当に聞かれ二度と振り返られることのない」話のネタとしてのものではなかろうか 「メモリー」概念を使う以上、ウォークマンとなんら対置されることはないだろう

2013-05-13 17:44:34
Ninzya @DEATHDIGITAL

真面目に読んでないのでそういう論旨だったか覚えてないので、あとで読み返します

2013-05-13 17:45:20
Ninzya @DEATHDIGITAL

@yaoki_dokidoki 我々が本当にコミュニケーションに用いる時に、参照という実感は全くないですよね そもそも参照できるようなデータベース構造を意識してアクセスしているかどうかも、議論されるべきかなと思いました そういう意味でもっとなじむ言葉が別にほしいですね

2013-05-13 17:49:20
Ninzya @DEATHDIGITAL

なるほど、ネットワークミュージッキングにおける「いまここ」は、シチュエーションと不可分な「まさにいまここ」であるのか 目的に即し選択的に「参照」されるためには、「まさにいまここ」が一回きりであっても、デートが予習されるように、予期あるいは回想される形で一回性を放棄する

2013-05-13 18:21:47
Ninzya @DEATHDIGITAL

つまりは、脱モノ性であって、なんら参照に言及していない むしろ選択、カラオケのリストに眩暈を覚えるような感覚に対する回答は、ベタでしか提出できないと思える

2013-05-13 18:23:30
Ninzya @DEATHDIGITAL

参照という言葉を使うべきでないというより、参照自体をむしろ定義出来ていない本感じる ここでは「持ち出し」におけるスマートさの可能的な妥協点に「参照」が置かれているだけで、やはり「参照」はDJ的行為に用いられるべきだ 技術史としは優れているが、それにしても遅い

2013-05-13 18:55:04