【コラム】安倍総理は世界を試している?大局を見誤らない国家運営を
- tkatsumi06j
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やはり日本のナショナリズム=国粋主義の台頭には世界にそれなりの警戒心があるんだろうか。台頭してきたら抑え込もうとする動きがおきる。これは当然の反動ではないかという気がする。
2013-05-15 10:44:25日本人が認識として持たなければいけないのは、世界には私のように二次大戦で日本がどのように国際ルールを破ったかを教え込まれている人がごまんといること。そして彼らが大人になっても、そういう日本には警戒心を持ち続けること。海外では、これは世界秩序を維持するために必要なことと考えられる。
2013-05-15 10:49:34その局面で日本人がすべきことは、歴史修正的な主張をすることでも、過去の正当性を主張することでもない。「同じことは繰り返さないので安心してください」だ。歴史のディテールの中で日本人に言い分があろうとなかろうと、大勢は決している。世界の人の中には教え込まれた史実がある。
2013-05-15 10:52:54終戦後、日本は事後法によって裁かれた。しかしその事後法はのちに現代国際刑事司法の源となった。国際司法の黎明期に、まだ不完全な法体系の中で祖国が不当に裁かれたことへの憤りは分かる。しかしそれと、裁かれた事実、裁きを受け入れた事実は別物。世界ではこれらが常識となっている。
2013-05-15 10:55:26国連は発足後、日本などの連合国に対する敵性国家を半永久的監視するために敵国条項を定めた。この条項は、現在は死文化しているとされているが、公式に憲章から削除されたわけではない。国連総会決議に拘束力がないことは、万人が認めるところだ。したがって、死文化されていると安穏とはできない。
2013-05-15 10:57:50この敵国条項は、日本が連合国=国連の利益に背くような活動に及んだ場合は無条件でこれをあらゆる手段によって制裁できる権利を国連加盟国に認めている。つまり例えば日本が中国や韓国に対して軍事行動を起こすと、適用され得る。http://t.co/NXgYY2Ef2t
2013-05-15 11:00:38とくに中国は常任理事国であり、先の「侵略の定義」に関する議論からも承知のように、国連総会決議3314及び国際刑事裁判所における「侵略犯罪」の定義に基づく「侵略行為」の認定は国連安保理と国際刑事裁判所の両方に認められている。だが国家としての行為の認定は安保理の特権とされている。
2013-05-15 11:02:49つまり、日本が①戦前の侵略行為を肯定し、なおかつ②憲法改正等により国防軍の創設などの行為に至れば、これは「戦争準備行為」と取られても致し方ない土壌があるのである。大戦の侵略行為を認める必然性は、こうした大局的観点からもあるのだ。
2013-05-15 11:05:30でなければ、逆に中国による”自衛”を目的とした侵攻を容認することになるやもしれない。しかもその盾に、敵国条項を持ち出されたら日本に勝ち目はない。敵国条項はフルにその権能を発揮し、国連加盟国はこれに従わざるを得なくなるだろう。
2013-05-15 11:06:47ここからは、少し暴論になるが続ける。仮に、現在の日本がかつての大日本帝国を夢見て、国粋主義の指導者らにより、憲法改正がなり、国防軍創設が実現し、日米両軍の軍事協力を強化して中国を力で封じ込め、海底資源の占有権を得たり、各国の軍事基地を建設して覇権を広げたいという野望があるのなら、
2013-05-15 11:09:31国家の大計として、ここは真意を隠し、連合国=国連に気取られないよう、隠密にことを運ぶのが肝要であろう。それが国策というものであり、過去幾人もの為政者らが使用してきた方法だ。ヒトラーがそうだった。そして世界はまんまと欺され宥和政策を実施し、世界大戦が起きてしまった。
2013-05-15 11:11:26今度は逆の仮定。仮に、国粋主義的といわれる現在の指導者が、日本をただ”普通の国”として、憲法改正して国防軍を持ち、中国や米国と対等に渡り合い、韓国や中国の経済侵略をけん制しつつ、なおかつ侵略や収奪の意図はまるでなく領土拡張も基地建設も行わない前提で国の形を変えようと思うのなら、
2013-05-15 11:14:45国家の大計として、ここは急進的な主張をすることは避け、地域の安定を乱すのは避け、日米同盟を危機に追いやることをさけ、粛々と”普通の国”に向かって邁進すべきときだろう。野心あっての国替えではなく、国際公益に資する善行を行う決意あっての国替えならば、尚更ことを慎重に進めるべきとき。
2013-05-15 11:17:19そうではないだろうか?だから私にはわからなくなる。この国に現在の為政者は、一体この国をどこに導こうとしているのか。世界が日本をどう見ているか。どう見てきたかを承知の上で、覇権・協調のどちらを選ぶつもりでいるのか。そこが見えてこない。私が世界的観点から見たら、警戒する。
2013-05-15 11:19:14米議会の報告書にもあったように、そして、安倍政権誕生直後に米保守系シンクタンクが評したように、安倍総理はプラグマティック=実用主義的な政治家だと考えられている。つまりは、彼の行うことに無駄はなく。すべて何らかの意図を持って行われている可能性があるということの示唆でもある。
2013-05-15 11:21:03この1か月ちょっとで、このプラグマティストである筈の”国威主義的な歴史修正主義者”と烙印を捺された我が国の総理大臣は、国会で不用意の発言を行ったり、それを引っ込めたりということを繰り返してきた。このこと自体に「実用的な計算」があるとしたら、世界の人間はどう彼を見るだろうか。
2013-05-15 11:23:18私なら、「過激な主張をしたがアメリカに叱られてすぐに主張を引っ込めた」という楽観的な観測はしない。そしておそらく、安倍氏をプラグマティストと評したアメリカの保守論壇も、世界各国の研究機関もそう観測するだろう。
2013-05-15 11:25:20私は昨夜、在日アメリカ人の友人(自他共に認める”国粋主義者”兼愛国者)と話していて、もやもやと想像していたことが確信めいてきたことを実感した。それは、安倍総理が同盟国のアメリカも含め”世界を試している”ということだ。
2013-05-15 11:28:03私はこれは危険な賭けだと思う。そして、多くの日本人にそれを認識して貰いたいと思う。世界を試すべきではない。そこまで日本は、世界に信頼されてはいない。日本に対する評価は挙がってきている。好感度も高い。しかしそれと、「好戦的な日本人」に対する先入観は別だ。
2013-05-15 11:29:32故に私は、目的が覇権であれ協調であれ、したたかに生き残ることであれ、日本人はもっと慎重にことを進めるべきだと思う。日本を経済的に・政治的に・軍事的に封じ込める理由など、いくらでも作れる。世界の疑心暗鬼に餌を振りまくような真似だけはしないほうがよいと思う。
2013-05-15 11:32:26コラムへの反応・やりとり等
@tkatsumi06j 現在の東アジアの秩序や、特に先の大戦に関する一連の「歴史」が、戦勝国=連合国=国連 によって策定、維持されていると言う前提抜きに日本独自の歴史認識を主張するので、「修正」主義、挑戦的、野心的といわれるとの指摘は、私も同感で昨日ツイートしていました。
2013-05-15 15:28:40@r_taicho ありがとうございます。安倍政権は少しずつ何が許容範囲でそうないかをテストしているように見受け(石橋を渡るように)、危険だと思っています。隊長さんのご意見もあとで拝読したいと思います。
2013-05-15 15:32:50@tkatsumi06j 同時に、その手法が稚拙であることもどう意見ですが、さすがに「世界を試す」という推察までは至りませんでした。私の結論としては、ネット選挙運動を睨んで、自民の憲法改正案にも見て取れる全体主義的思想を一定程度定着させる手段ではないかというものでした。
2013-05-15 15:35:25