軍隊生活における「飲む買う打つ」の解決について

お菓子っ子さん(@sweets_street)による連続ツイートをまとめました。 ミリタリー界隈ではこういった話は比較的地味ではありますが、とても重要な話だし大変に興味深いものであります。
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司史生@減量中 @tsukasafumio

近代における軍隊と性欲の問題は、侵攻の長期化や遠隔地の植民地への駐留など、兵站組織の綻びに生じるのではないか。例えば補給に余裕があるなら、前線の兵士に後方での休暇を与えるローテーションにより、「軍隊」を支える「社会」がそれを引き受けることができる。

2013-05-16 16:32:21
銅大 @bakagane

RT言及:ナポレオン戦争の前の、プロイセンの七年戦争のさらに前の、三十年戦争の頃ですと、兵隊と兵隊の家族が一緒に行動する「宿営社会」がありまして、たとえばダンナの部隊が町を占領すると、奥さん連中が、町に乗り込んであれこれ奪って(調達)してダンナの部隊のために用立てたりしております

2013-05-16 17:34:23
銅大 @bakagane

三十年戦争のとある傭兵連隊では、兵士501人、女性335人、子供367人(1632年)などということもあり、こうなると、軍隊の後ろにぞろぞろと、子供や奥さんらによる輜重部隊が続いていたわけで、しかも、戦争で町が略奪されると食えなくなった人がその兵営社会に参加して増えるという

2013-05-16 17:39:59
お菓子っ子 @sweets_street

17世紀の欧州の軍隊などは運搬や家事などの雑用要員、物資やサービスを供給する商売人など、戦闘員に数倍する非戦闘員を連れ歩いていました。前近代の軍隊は兵站組織が弱いため、後方から物資を輸送したり、交代交代で兵を後方に送って休ませる仕組みが無かったのためでした>RT(続

2013-05-16 16:45:23
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)軍隊は数百、数千、数万といった人間の生活の場で、移動しながら生活し、その合間に戦闘をする。生活も含めての軍事行動。食料・衣服などの必需品。お菓子・酒・タバコなどの嗜好品。炊事・洗濯・掃除などの家事労働。バクチなどの娯楽。これらを湯水のように消費しながら軍隊は戦争します(続

2013-05-16 16:51:10
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)軍隊が消費するものの中には、お行儀が良くないものも多いです。特に飲む打つ買うは大人気です。どれも気晴らしには欠かせませんが、過度に享受すると気が緩んでしまって戦争どころではなくなります。僕らの周囲にいる酒乱やバクチ狂などの生活の乱れぶりを見ればよくわかりますね(続

2013-05-16 17:12:05
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)軍事行動は生活でありますので、兵隊の生活が乱れたら軍事行動も乱れるのです。だから、兵隊を仕切るのがうまい指揮官は、兵隊の生活が乱れないように飲む打つ買うを原則禁止にしたり、休暇の時だけ許可するように心がけました。兵隊の生活管理は指揮官の最重要な仕事なのです(続

2013-05-16 17:17:03
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)しかし、寄せ集めの兵隊をしっかり生活管理するのは難しいので、大抵の軍隊は校則が乱れた学校のようになってしまいます。要するに兵隊は飲酒やバクチやセックスでだらけてしまい、指揮官はだらけた兵隊を暴力や威嚇で従わせるという状態(続

2013-05-16 17:23:03
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)こんな有様では思うように軍事行動ができないということで、やがて各国の軍隊は軍隊に必需品や嗜好品を提供していた商売人を連れ歩くのをやめ、食料・衣料などの必需品や酒・タバコなどの嗜好品は軍隊自身が責任を持って支給するようになります(続

2013-05-16 17:31:25
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)そして、兵隊に定期的に後方の都市で休暇を取らせ、休暇中だけ合法的な範囲でハメを外すことを許しました。軍隊が兵隊の衣食住と酒タバコなどの嗜好品の供給を管理し、オンとオフを切り替えるシステムまで作ると、兵隊の生活は飛躍的に規則正しくなりました。これが近代軍の強さの一つです(続

2013-05-16 17:39:39
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)衣服や食料などの必需品、酒や煙草やお菓子などの適度に摂取すれば邪魔にならない嗜好品などは後方からたっぷり供給し、邪魔になる飲む打つ買うの気晴らしは後方で享受させて前線に持ち込まない。リソース不足や戦況悪化によってこのサイクルを維持できなくなると、軍隊は急に弱くなります(続

2013-05-16 17:48:17
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)後方からの補給が乏しくなったために兵隊が思い思いに食料や衣服や酒や煙草などを調達(現地購入、略奪など)し、ローテーションがうまくいかないせいで休暇が取れずに軍事行動をしながら飲む打つ買うを楽しむようになると、オンとオフのけじめがない近代以前のだらけた軍隊の姿に戻ります(続

2013-05-16 17:55:42
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)兵隊は人間であり、人間は欲望の生き物である以上、飲む打つ買うなどの欲望も満たさないと、戦意が萎えてしまうのは確かです。しかし、前線の兵営の中で酒をがぶ飲みし、バクチに明け暮れ、大っぴらに女性を抱いているような有様では堕落の極みで戦う集団とはいえません(続

2013-05-16 18:08:13
お菓子っ子 @sweets_street

RT受)補給が乏しいために兵隊が食料や衣服を思い思いに現地で調達し、娼婦を随行して行軍し、日夜宿営で賭場が開かれ、皆が大酒を飲んで騒ぐ。これは近代以前の軍隊の状態であって、20世紀や21世紀の軍隊がこのようでは、「兵站運営の失敗」「兵隊を管理する能力に乏しい軍隊」と言えますね(終

2013-05-16 18:24:57
お菓子っ子 @sweets_street

昔は看護は雑用の一種で、炊事洗濯や性的サービスなど兵隊の身の周りのこと一般を世話する従軍女性労働者の仕事だったんですよ RT @05100 ナイチンゲールが良家の出身で看護婦になるのも従軍するのも反対されたのは戦場で女が看護と同時に性的な提供もしてたからってのは昔読んだかな。

2013-05-16 18:34:58
お菓子っ子 @sweets_street

ナイチンゲールが卑しい雑用の一種とされていた看護の仕事を専門職として確立した意義は医療・衛生史においてはもちろん、軍事史においても一大転換だったんです RT @05100 そのようだね。今のイメージとは大分違うんだよね。

2013-05-16 18:43:01
お菓子っ子 @sweets_street

「身の回りの世話」には、下の世話も含まれるのが当たり前だった。そんな時代ですからね RT @tsukasafumio @05100 お伽話で囚われのお姫様が無理やり洗濯させられるエピソードがあるのは、そういうことの暗喩なのかと思われます。

2013-05-16 18:43:48