【問い直される県民健康管理調査⑲】

宗教学者 島薗進氏の連続ツイート第19弾です。 全体として考えると、かなりのボリュームになります。 ただし、同じシリーズが続くということは、それだけ問題が好転していない、ということでもあります。 福島県民健康管理調査が孕む問題点は、変わっていません。
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島薗進 @Shimazono

1【問い直される県民健康管理調査⑲】鈴木眞一教授らは甲状腺検査で見出される「結節の大半は良性」と見なしていた。福島医大倫理委員会「申請結果通知書」2011年9月、「変更結果通知書」12年4月http://t.co/vFWPstUKBr 想定が違ったとすればなぜか?問いかけるべき。

2013-05-18 10:04:26

県民健康管理調査 福島県立医大倫理委員会資料

島薗進 @Shimazono

2【問い直される県民健康管理調査⑲】甲状腺がん3人(+7人疑い)の発表(2013年2月13日)以後、鈴木教授は「もともとあった甲状腺がん」と言い、山下俊一教授は「20代30代で見つかる可能性があったものが前倒しで見つかった」と言っているが、倫理委員会への申請書の内容とは異なる。

2013-05-18 10:04:44
島薗進 @Shimazono

3【問い直される県民健康管理調査⑲】鈴木教授らの「県民健康管理調査の一環としての福島県居住調査に対する甲状腺検査」申請結果通知書は「県民健康管理調査福島県立医大倫理委員会資料」http://t.co/vFWPstUKBr (情報公開クリアリングハウス12年10/5)で閲覧できる。

2013-05-18 10:05:43
島薗進 @Shimazono

4【問い直される県民健康管理調査⑲】「7研究の背景及び目的」には次のように述べられている。「原発事故後の県民の健康を管理するにあたり、安心していただくことが重要となります。また、チェルノブイリでは事故後4-5年後に甲状腺がんの増加を認めたことから、安全域を入れ3-4年後からの」

2013-05-18 10:06:02
島薗進 @Shimazono

5【問い直される県民健康管理調査⑲】「18歳以下の全県民検査を予定しております。基礎知識として放射線の影響がない場合でも、通常小児では触診で約0.1から1%前後、超音波検査で数%の甲状腺結節を認めることが予想されます。しかし、小児甲状腺がんは年間100万人あたり1,2名程度と」

2013-05-18 10:06:21
島薗進 @Shimazono

6【問い直される県民健康管理調査⑲】「極めて少なく、結節の大半は良性のものです」「このように現時点での子どもたちの健康管理の基本として、甲状腺の状態をご理解していただくことが、安心につながるものと考えております」。「安心」できない結果が出たということを認めるべきだろう。

2013-05-18 10:06:36
島薗進 @Shimazono

7【問い直される県民健康管理調査⑲】倫理委員会提出申請書によると鈴木教授らは結節から小児甲状腺がんが見出されるとは考えていなかった。それは平成23年度の約3万8千人から3(+7)人の結果と合致するか?申請時の想定と結果が合致しないのなら、なぜ合致しなかったのかの説明責任がある。

2013-05-18 10:06:53
島薗進 @Shimazono

8【問い直される県民健康管理調査⑲】鈴木教授は、1)「結節の大半は良性のものです」という想定、2)「小児甲状腺がんは年間100万人あたり1,2名程度」という想定、3)及び現在の調査が「先行調査」で甲状腺がんは平時のもの(ベースライン)だとの想定。これらが今でも妥当だと考えるのか?

2013-05-18 10:07:12
島薗進 @Shimazono

9【問い直される県民健康管理調査⑲】山下・鈴木両氏は3)は今でも妥当だと主張している。では、1)2)はどうか?結果が違うではないか?ありうる弁明としては、見出された平成23年度の約3万8千人から3(+7)人の甲状腺がんは「小児甲状腺がん」ではないというもの。

2013-05-18 10:07:47
島薗進 @Shimazono

10【問い直される県民健康管理調査⑲】だが3(+7)人の甲状腺がんの平均年齢は15歳と発表された。14歳以下が10人中には数人いることになる。そうであれば、「安心につながるもの」ではなかったことを認めざるをえないだろう。要するに甲状腺検査を始める前には想定していない結果が出たのだ

2013-05-18 10:08:28
島薗進 @Shimazono

11【問い直される県民健康管理調査⑲】これについては【問い直される県…調査⑯】http://t.co/puQW3ZVFbb で山下・鈴木両氏のインタビュー記事からも述べたが、「申請書」はそれを裏書きしている。そうであればどこに想定の誤りがあったかについて、両氏は説明すべきだろう。

2013-05-18 10:09:21

【問い直される県民健康管理調査⑯】

まとめ 【問い直される県民健康管理調査⑯】 2013年2月15日の福島県民健康管理調査第10回検討委員会で、H23年度1次検査を受けた福島県の子どものなかから新たに2人、甲状腺ガンと診断確定されました。 県民健康管理検査の統括役の山下俊一氏と、福島県立医大の甲状腺ガンの専門家鈴木眞一氏の2人は、事前にこの状況を予想していたのか? 宗教学者 島薗進氏の連続ツイート、第16弾です。 5347 pv 97 23

島薗進 @Shimazono

12【問い直される県民健康管理調査⑲】イ)「安心していただく」ための検査という前提の撤回、ロ)最初の数年の検査はベースラインを知るための「先行調査」だという前提の撤回、ハ)想定が異なった結果が出たことをどう説明するかにつき考えられる選択肢の提示、ニ)今後の展望の提示。

2013-05-18 10:09:36
島薗進 @Shimazono

13【問い直される県民健康管理調査⑲】ハ)がとくに重要。検査・調査のあり方、健康管理のあり方をめぐって、被災者はじめ関係行政(たとえば線量が多い地域の県外の市町村)、この問題をともに考えようとしている科学者・研究者など、要するに公共的な討議を求めている人々に提供すべき基本情報。

2013-05-18 10:10:01
島薗進 @Shimazono

14【問い直される県民健康管理調査⑲】また、福島医大は倫理審査をやり直す必要がある。申請書の内容は検査内容と食い違ってきているからだ。とりわけ想定以上に小児甲状腺がんが見出されたとしたら、ある部分は「観察研究」ではなく、侵襲性が強い「介入研究」として扱われなくてはならない。

2013-05-18 10:10:35
島薗進 @Shimazono

15【問い直される県民健康管理調査⑲】「申請書」の「7研究の背景及び目的」は鈴木教授が行った「福島県外3県における甲状腺有所見率調査」http://t.co/VLlv0PVL9Y の前提とも一致してる。問題は甲状腺がんなのだがそれについて調べる必要はないと考えていたことが明らか。

2013-05-18 10:11:10

環境省 報道発表資料
平成25年3月29日
福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果について(お知らせ)

島薗進 @Shimazono

16【問い直される県民健康管理調査⑲】鈴木教授は「福島県外3県における甲状腺有所見率調査」で嚢胞や結節は福島県外でも多く見つかることを示そうとしたが、問題は甲状腺がんが増えているのかどうか。山下・鈴木氏らは考えられる複数の理由を示し、市民に今後の展望を示す責任を果たしていない。

2013-05-18 10:11:33