「墓は語るか」@武蔵野美術大学美術館に関する中島智さんと岡崎乾二郎さんのやりとり

今後ツイート追加削除の可能性有 ET IN ARCADIA EGO 墓は語るか | 武蔵野美術大学 美術館 会 期|2013年5月20日(月)ー8月10日(土) 時 間|10:00ー18:00(土曜、特別開館日は17:00閉館) 続きを読む
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中島 智 @nakashima001

「墓は語るか」@武蔵野美術大学美術館 を観た。いつか墓とアレーテイアにかんする企画を考えてみたいので、岡崎さんのツイート「カタログ残部が僅少」に反応してすみやかにカタログを求めたけれど、売店に迅くと「まだまだ一杯ありますよ」とのこと。

2013-05-23 14:09:52
中島 智 @nakashima001

で、展覧会自体はまるで企画力のかんじられないグループ個展であった。このような看板(ステートメント)倒れのグループ個展を行うのであれば、いっそのこと「墓」をそれぞれの作家に発注した展覧会をやるほうが刺激的だろう。

2013-05-23 14:14:03
中島 智 @nakashima001

帰路の電車で岡崎さんからの反論?を読んだが、いま返信しようとしたら消されていた。「墓を発注することの前提にある、墓の形式について問題とすべき」との内容だったと記憶している。だがその前提は「墓の形式」ではない。墓の発注において前提とされるのは「死者/不在者」のみであろう。

2013-05-23 22:27:31
中島 智 @nakashima001

あるいは同じ質問を彼に返してみてもよいかもしれない。「では《墓は語る》という展覧会の趣意において、墓の形式が前提とされているのだろうか」と。岡崎さんはサイン・シーニュ(徴候)の語源であるセーマsema(墓)については趣意で触れてはいないが、墓の問題はこの点に求められるだろう。

2013-05-23 22:28:37
中島 智 @nakashima001

それはいみじくも趣意文にある「彫刻芸術の核心は…感覚されうる現実と切断された、感覚の侵入できぬ別の場所を匿うことにある」と関係している。sema(墓)→semeion(標)…→sign(記号/徴候)という系譜が意味するのは「感覚の及ばぬ」場所への触手であって「形式」ではない。

2013-05-23 22:29:31
中島 智 @nakashima001

すなわちセーマからシーニュにいたる徴候の系譜によって指示されてきたのは不在者であり不在(もしくは潜在)なるものにほかならない。それは感覚しうる事象を感覚しえない潜在態の「徴候」とみなす思考回路のことであり、中井久夫のいう「微分回路的認知」のことである。

2013-05-23 22:30:12
中島 智 @nakashima001

よって「墓を発注すること=不在者/不在なるもののためのサインを発注すること」ということになる。もとよりこれは一例にすぎない。だがいずれにせよ岡崎さんの趣意で繰り返される「彫刻芸術の核心」や「本質」、「墓と彫刻の関係」にとって、かの回路をあぶり出すことは不可欠であろうと思われる。

2013-05-23 22:31:25
中島 智 @nakashima001

岡崎さんから今度は反論ではなく「何様」「あほくさ」との罵倒語が流れてきた。「刺激的な墓をつくる」など一言も述べていないが(という間にふたたび消されている)、「反論以前、理解不能!!」とのことなので冷静になられた折にでもお話しできれば、と思う。

2013-05-23 23:41:45
中島 智 @nakashima001

それまでにカタログ御論考を拝読しておこう。今日の感想はあくまでも展覧会を観た感想である。ことわっておくが、僕は「展覧会が全てだろう?」とは断定していない。

2013-05-23 23:47:39
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

冷静です。同じ言葉を繰り返せますが。繰り返しません。誰が誰に向けてという回路を外すことが墓の機能であるというのが今回の展示した共有された意図だからです。よって以下理解できません。>いっそのこと「墓」をそれぞれの作家に発注した展覧会をやるほうが刺激的だろう。

2013-05-23 23:55:21
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

ちらしだけでの判断だとこうなるのかと反省になりました。けれど文集にも、展示にも明らかなように本展コンセプトは現世の語りの秩序(政治秩序)に帰属、代表するものとしての墓の批判からはじまっています。

2013-05-24 00:14:40
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

承)その究極としてまさに言葉を奪われた死者=不在者の代理表象(無名兵士の墓など)モニュメントが、いかに現世秩序を強化するため端的に集団を組織するものとしてだけ使われるかが批判されます。イサムノグチのヒロシマモニュメント、白井晟一の原爆堂の再考、再検証に力が注がれた理由です。

2013-05-24 00:18:12
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

大先生からの批判されようが、この力を入れた部分は特に、過去ここまで力を尽くした論も展示(小さい展示)も僕は見た事がありません。あれば現在のこれらのプロジェクトについての無理解はないはず。模型はチームが全力を尽くして作った。白井晟一が数年渾身を込めたと自らいったように渾身を込め、

2013-05-24 00:25:11
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

承)渾身を込めというのは白井晟一の言葉ですが、戦後の建築史、美術史で大きな影響力をもった問題群が、いつのまにかスルーされ蓋をされ忘れさられてきた。その最大の問題群の一つがここにある。それを自覚するゆえに(またあまり興味をもたれなかったゆえに)、この機会に力を尽くしたのです。

2013-05-24 00:28:56
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

承)批判されるのは結構ですが、内容をみずに、彫刻の先生たちのグループ展だっただの、と間違った内容の喧伝は困ります。困るのは、とにかく、今回ばかりは多くの人に見てもらいたいし、知ってもらいたいからです。

2013-05-24 00:32:18
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

承)ここまでいうことは滅多にありませんが今回の展覧会は僕がふれてきた歴史資料、今は亡き人々から知らされてきたことの重みが背中を押しています。なぜアンビルドに終わったのか?その理由は深刻です。またそれに対して彼らが考えてきた答えも重い。これらの重みが展覧会の中心に置かれている。

2013-05-24 00:36:24
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

ちなみに@nakashima001 誰が誰に向けて発注するのだろう。誰に向けて発注するのでしょう?発注するのは、キューレター?文化人類学者? オクニ?神様? 何様? と書いたのでした。

2013-05-24 01:08:47
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

@nakashima001 文化人類学者が、ある社会にいって資料にするから墓作れって発注するだろうか?クリフォード・ギアーツならいうだろうか?いうわけない。と書きました。

2013-05-24 01:10:46
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

@nakashima001 「いっそのこと「墓」をそれぞれの作家に発注した展覧会をやるほうが刺激的だろう 」 と書かれています。

2013-05-24 01:12:35
おかざき乾じろ @kenjirookazaki

もしかして@nakashima001 さんは全然言及していないところからみて、エトルリアの彫刻群もジャコメッティもイサムノグチの2彫刻もヒロシマモニュメント模型も再検証プロセスも白井晟一のnoaビルも原爆堂模型、キリストの変容イコン、デッサン、若林奮の作品群も見ていなかったかも

2013-05-24 01:22:29
中島 智 @nakashima001

昨夜は欧州型の「墓」という文脈にあわせてsemaという墓標形式をメタファーに用いたが、僕が人類学的フィールドワークに赴いた西アフリカではsema的形式は存在しない。そこでは葬祭=祝祭で神話的キャラが死者を迎えにくる。つまり死者はただ神話界へと転生し、「墓」には留まらないのである。

2013-05-25 00:17:00
中島 智 @nakashima001

こうした死生観の背景にはじつは五大陸に遍在的に確認されている非クロノロジカル・非直線的な時間観念がある。この問題については拙論「見いだされた<非時間>性」に書いたが、この民俗的かつグローバルな時間観念はsema型の形式が生まれた地域においても潜在態としてある。

2013-05-25 00:17:58
中島 智 @nakashima001

「見いだされた<非時間性>」 http://t.co/JLryOuutf4 この拙文はムサビで企画展「ヴァールブルク、ムネモシュネの視座」を準備していた頃、現場研ウェブサイトに寄稿したもの。

2013-05-25 00:25:36
中島 智 @nakashima001

だが企画担当に携わった「ムネモシュネ」展は幻におわった。ヴァールブルクのパネルを借りるため、神野善治さん山口拓夢さんとともに松枝到さんの研究所を訪ねたのであったが、山口さん(ヴァールブルクの紹介者、山口昌男さんの御子息)と僕による解説も虚しく、神野さんには理解できなかった。

2013-05-25 00:34:06
中島 智 @nakashima001

沖縄大学地域研究所機関誌38号に、山口拓夢くんの小論「仙童寅吉が語るフォークロア的世界」が掲載されている。 http://t.co/8ktw1cwf0y

2013-05-25 00:59:39