
「いま問い直す 就活との向き合いかた」シンポジウム記録
第1部
上西「実は見落としがちな就職活動の前半プロセス」

「いま問い直す 就活との向き合いかた」学生だけでなく色んな層の人が来ている。上西先生が講演中 http://t.co/YsKjhEVynN
2013-05-25 15:25:08
(上西)大きく2つのことを話したい。(1)企業の採用活動は見えにくく、就活は混乱していると言われている。確かに見えにくいことが多いが、何もわからないわけではない。よく見れば見えてくることもある。闇雲に就活に振り回されずに現実的な対応ができるようにしたい。
2013-05-26 11:24:01
(上西)(2)2つの意味で情報がとても重要。まず、現実的な就活をするために。業種、職種、企業文化によって、どういう人材を求めているかは大きく異なる。どういう人材を求めているかは採用プロセスの中ではわかりにくくても、採用の結果を『就職四季報』などを見ればわかる部分がある。
2013-05-26 11:24:33
(上西)(2・つづき)次に、(選ばれるため、だけでなく)選ぶためにも情報が重要。自分も働く場を選ぶ側。「ブラック企業」問題が顕在化している中、働き続けられる職場を選んでほしい。そのためにも情報の活用が重要。
2013-05-26 11:24:55
(上西) 就活の際に陥りやすい発想・行動(a):面接を気にして、面接で語れる自分の「売り」やエピソードを考える。しかし、人気企業であれば、面接までに応募者はかなり絞り込まれる現実がある。面接に至るまでの、採用選考の前半プロセスに目を向ける必要がある。
2013-05-26 11:25:21
(上西) 事例2の企業であれば、本エントリーが約1万人、それに対して、ターゲット大学ごとに参加枠を調整した説明会(必須)やWEBテストなどによる絞り込みを経て、面接に臨むのは約千人。面接までに、10分の1に絞り込まれている。
2013-05-26 11:25:44
(上西)(出典)平野恵子「企業からみた学力問題―新卒採用における学力要素の検証」『日本労働研究雑誌』2011年9月号(PDFで全文閲覧可能)http://t.co/UOsqajjReR
2013-05-26 11:26:05
(上西) 就活の際に陥りやすい発想・行動(b):自己分析を通して自分に合った企業を探す&志望動機が書きやすい企業に応募する。そうすると、誰もが知っている企業に応募が偏る。特に食品。例えば『就職四季報2014年版』によると、カルピス(株)の倍率(本エントリー数÷内定者数)は743倍
2013-05-26 11:26:42
(上西) 一方で、志望動機が書きにくいB to Bの企業には、倍率がそれほど高くない優良企業もある。応募が偏る企業ばかりに応募していると、就活は難航する。いくつエントリーするか、だけでなく、どこにエントリーするか、を現実的に考えたい。
2013-05-26 11:27:02
(上西) 就活の際に陥りやすい発想・行動(c):実際に説明会などに出向いて企業の人と会って見ないとわからないと考えがち。また、企業側も熱意や人柄、コミュニケーション能力などを見ていると考えがち。
2013-05-26 11:27:21
(上西) しかし、説明会に出向かなくても、『就職四季報』などを活用して企業の情報を集めることはできる。いくつも説明会に出向くのは時間的にも厳しい。企業側も熱意や人柄、コミュニケーション能力などだけを見ているわけではない。仕事にもよるが、知的な能力を重視する企業も多い。
2013-05-26 11:27:45
(上西) ターゲット大学を設けて、特定の大学からの採用を優先して行う企業もある。HRプロの「2013年度新卒採用戦略検討のための完全データ資料」によると、主要企業の39%がターゲット大学を設定している。実際には「もっとあると感じている」という寺澤氏のコメントも。
2013-05-26 11:28:04
(上西) 人気企業への応募者数に比べて、人気企業に実際に就職する人の数は少ない。その現実を踏まえた就活をする方が現実的。自分の大学・自分の学部から、先輩がどういう企業に就職しているのか、人数も含めて、調べてみてほしい。
2013-05-26 11:28:31
(上西) 就活の時期も難関大学かどうか、都心部か地方か等によって異なる。「HR戦略資料2010」によれば、4月末時点での所属大学別内定獲得数(文系)は、旧帝大クラス、早慶クラスの学生は約4分の3が1社以上の内定を獲得、中堅私大クラス、その他私立大学では内定0社が5割以上。
2013-05-26 11:29:13
(上西) ある大学の文系学部の学生調査によると、就職の際に利用した情報としては、リクナビなどの「就職採用情報サイト」と企業HPの採用情報・会社情報、みんなの就職活動などの「就職支援サイト」が多い。つまり、企業が出したい情報と、口コミが多く利用されている。
2013-05-26 11:29:46
(上西) 一方で、就職四季報の利用率は4割ほど。『週刊東洋経済』などのビジネス誌や、日経テレコンなどの新聞データベース、企業のプレスリリース、企業のIR情報(投資家向け情報)などは活用度が低い。 http://t.co/prAz8PWCGz
2013-05-26 11:32:26
(上西) そうすると、企業が出したくない情報に接する機会がない。一方で、そういう一般向けビジネス情報を利用している人ほど、就職先企業に対する個人の満足度や就職活動プロセスに関する自己採点などの面からみて就職結果が良い。
2013-05-26 11:32:58
(上西) (出典)上西充子「賢明な就職活動に向けて―業界・企業に関する情報収集が不可欠」(児美川孝一郎編『これが論点!就職問題』日本図書センター、2012年、所収)
2013-05-26 11:33:08
(上西) 離職に目を向けると、大卒転職者が初めて就職した会社を離職した理由の第1は「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」。つまり、労働条件。就職活動の中でも労働条件に目を向けていくことが大事。 http://t.co/lpVqIxmLdQ
2013-05-26 11:35:40