吸収→等価→実効、線量計算の組織荷重定数の総和はなぜ1?

<2014.05.07 実効線量はもとより、等価線量にしても、吸収線量にしても、SvだったりGyだったりする単位には1kgあたりの意味がある。それでこのまとめの問題が解決できました。やっと気づけました。放射線の計量はいつでも単位重量あたり。浴びた総量ではない。見方を変えて解決できました。でも一所懸命考えた記念にまとめは残しときます。> ICRP103 '07勧告 諸量 を読んでて、組織荷重定数を全部足すとなんで1になるのか、いろいろこねくって考えてもわかんなかったのです。このひと月ぐらい悩んでたのが、なんとなく落ち着いてきたのでまとめてみました。組織荷重定数は体の組織の質量比の意味が大きい。吸収線量は実際値、等価線量は吸収線量の修正値、実効線量は象徴値(人の体重を1kgとしたときの放射線影響値)の意味あり。と、なんとか結論。 続きを読む
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◆ICRPの説明を読んでいて、吸収線量から等価線量、実効線量と計算する間にある係数、組織荷重定数の総和がなんで1になる必要があるのだろうと思いました。組織荷重定数は放射線感受性によるとあるからです。

◆考えてみるうちに、実効線量は、質量の意味を無視したものなんだと思いました。

◆組織荷重定数は無視してしまった質量の意味を受け継ぐもので、体の組織の質量比の意味が大きいんじゃないか。それが定数の総和が1になる理由じゃないでしょうか。

◆その上で組織の放射線感受性を加味して比を調整している感じがしてます。

◆結果、吸収線量は計測できる実態値、等価線量は吸収線量の修正値だけど、実効線量は質量の考えをぬかして、人ひとりの体重を1kgとして、いわば象徴値として示されているのだろうと思いました。

 以下、流れのツイです。

 

田崎先生の言われるような
( http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/EffectiveDose.html#1 )、単純なモデルで、ICRPの計算をしてみる。吸収線量から等価線量、実効線量をもとめる。

onkapi @onkapi

①放射性ヨウ素を吸っちゃって、甲状腺にだけたまって甲状腺の場所にだけD(J/kg)の吸収線量の放射線場を作ったとするとなにをどう算出するか。

2013-05-26 06:17:18
onkapi @onkapi

②甲状腺にだけD(J/kg)の吸収線量の放射線場があるというとき甲状腺等価線量はD。実効線量算出のためにはDに甲状腺組織荷重定数を掛ける。甲状腺等価線量は0.04。つまり0.04D。(ここでなんで0.04掛けてちいさくせにゃいかんのよという疑問がでます)

2013-05-29 03:51:57
onkapi @onkapi

③(とりあえず疑問はおいといて、)甲状腺にだけD(J/kg)の吸収線量の放射線場があるというとき、甲状腺にはDの等価線量。ほかの組織に対するDは0だからほかの組織の等価線量は0。体全体の実効線量は0.04D。(ここでなんで体全体で考えなきゃいかんのよと、もひとつ疑問)

2013-05-29 03:54:57
onkapi @onkapi

④放射性セシウムが空間に一様にあって、一様なD(J/kg)の吸収線量の放射線場を作ってて、そこに人ひとりいて、その人のからだの表面から芯まで一様に放射線が突き抜けていってるとき、放射線の影響についてなにをどう算出するか。

2013-05-26 06:30:52
onkapi @onkapi

⑤体全体に一様にD(J/kg)の吸収線量の放射線場がかかってる時、体の各組織にはDという等価線量がかかっている。等価線量に組織荷重定数を掛けて(甲状腺は0.04D)全部を足し合わせると、体全体の実効線量。組織荷重定数の和は1体全体の実効線量はΣ(D×組織荷重定数)=D。

2013-05-29 03:57:20
onkapi @onkapi

⑥体全体に一様にD(J/kg)の吸収線量の放射線場がかかってる時、実効線量を出す前に、体の各組織の等価線量は組織荷重定数で割り引かれることにちょっと疑問がでる。体全体の実効線量を見る時、体全体の組織荷重定数を1と考えると、体全体の実効線量がDとなることにはなんとなく納得できる。

2013-05-29 03:59:56
onkapi @onkapi

⑦ここでICRPの定義では質量の考えを捨てちゃっていることを思い出す。吸収線量D(J/kg)の段階ではDは質量1kgに対するエネルギー。でも等価線量に組織過重定数を掛けた段階で質量を考えていない。実効線量を出そうとする段階で数値は人ひとりのある組織にかかる放射線量の象徴値。

2013-05-29 04:03:36
onkapi @onkapi

⑧各組織の等価線量に組織過重定数を掛け全部足し合わせて出す、体全体の放射線からの影響値の実効線量もおなじ象徴値なのだ。

2013-05-29 04:05:33

単純なモデルで、ICRPの計算を体重を考慮して計算してみる。吸収線量から等価線量、実効線量をもとめる。すなおでわかりやすい。

onkapi @onkapi

⑨ちなみに、質量を考えて、吸収線量Dから受けるエネルギーをすなおに考えてみると。

2013-05-26 07:05:10
onkapi @onkapi

⑩先ほどの計算で甲状腺や体全体に吸収線量の放射線量を受けている人が、体重100kgという質量だとします。簡単のために、甲状腺は1kgとします。他の組織も1kgづつ、あと99個あって全部足すと100kgという状況とします。また甲状腺と他の組織の100組織は全部おんなじ性質とします。

2013-05-26 07:11:40
onkapi @onkapi

⑪ ①の問題の時。甲状腺にだけD(J/kg)の吸収線量の放射線場があるというとき、甲状腺にはD×甲状腺の質量という放射線のエネルギーがかかる。甲状腺の質量1kg。つまりD(J)というエネルギーがかかっている。

2013-05-26 07:17:19
onkapi @onkapi

⑫ ④の問題の時。一様なD(J/kg)の吸収線量の放射線場にその人がいるとき、体全体にはD×体全体の質量という放射線のエネルギーがかかる。体全体の質量100kg。つまり100D(J)というエネルギーがかかっている。

2013-05-26 07:21:55
onkapi @onkapi

⑬ もう一回④の問題の時。一様なD(J/kg)の吸収線量の放射線場にその人がいるとき、甲状腺にはD×甲状腺の質量という放射線のエネルギーがかかる。甲状腺の質量1kg。つまりD(J)というエネルギーがかかっている。

2013-05-26 07:23:40
onkapi @onkapi

⑭ さらにもう一回④の問題の時。一様なD(J/kg)の吸収線量の放射線場にその人がいるとき、甲状腺以外の各組織にはD×各組織の質量という放射線のエネルギーがかかる。各組織の質量1kg。つまりD(J)というエネルギーがかかっている。

2013-05-26 07:25:25
onkapi @onkapi

⑮ もいちど④の問題の時。甲状腺を含め100カ所の組織にはそれぞれD(J)という放射線のエネルギーがかかっている。全部足し合わせると100D(J)。その人の体全体にかかる放射線によるエネルギーは100D(J)と計算できる。

2013-05-26 07:28:59
onkapi @onkapi

甲状腺にだけ吸収線量Dがかかってたら甲状腺にかかるエネルギーはD体全体から見ても受けたエネルギーはD。// 体全体に吸収線量Dがかかっててたら甲状腺にかかるエネルギーはD。体全体に受けるエネルギーは100D。// すなお。疑問なし

2013-05-26 07:38:49

ICRPは体重を考えない。一人の人、体重は1kgみたいにかんがえてしまうのだ。

onkapi @onkapi

ICRPの等価線量と実効線量の考え方はこの100kgとかの体重を考えない。いってみれば人の体重を1kgとしちゃって、統一している。体重40kgのひとも60kgの人も、池中弦太80kgでも、刑事110kgでも関係なく、1kgとしてかんがえる。

2013-05-26 07:45:50
onkapi @onkapi

⑱ ⑯で、100kgの人の体全体に吸収線量Dがかかっているとき、体全体に受ける放射線エネルギー100Dというのを、むりやりDとしちゃうのが、ICRPの実効線量。

2013-05-26 07:50:40

さっきの計算を体重1kgあたりで無理やり考えると、組織荷重係数みたいな数値がみえてくる。

onkapi @onkapi

⑲ ⑯で、ひとつ1kgで100個の一様な組織をもつ質量100kgの人の体全体に吸収線量Dがかかっているとき、ひとつの組織に受ける放射線エネルギーDというのを、むりやり百分の一、(1/100)Dとしちゃうのが、ICRPの実効線量の計算。

2013-05-29 04:08:07
onkapi @onkapi

⑳ ⑯で、ひとつ1kgで100個の一様な組織をもつ質量100kgの人(その組織のひとつなので甲状腺も1kg)の甲状腺にだけ吸収線量Dがかかってる時、甲状腺が受けるDというエネルギーは、この場合でも百分の一にしてしまうのがICRPの実効線量の計算なので、つまりは(1/100)D。

2013-05-29 04:09:26