《「福島事故、国民全体の甲状腺被曝量 国連委報告案」記事に関する私的見解》

朝日新聞記事に関する、私個人の見解をまとめました。 現段階では、評価が困難な報告書関係記事です。 見るべきところがあるとすると「チェルノブイリ原発事故による甲状腺がんで十数人が死亡した」という認定です。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

0 『朝日新聞』2013年5月27日朝刊1面トップ「チェルノブイリの1/30 福島事故、国民全体の甲状腺被曝量 国連委報告案」 http://t.co/sxhAvpemLz 記事そのものは、早野龍五氏がツイートで紹介している。 http://t.co/QeSqgjz4op

2013-05-27 19:40:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 この記事は、詳細な内容がよくわからない現在の状態で論評することは、難しい。現在は、国連総会に発表するための科学委員会で「話し合う」ための案がまとまった段階、だと記事は言う。そして、その報告書案を『朝日新聞』が入手したのだ、という。

2013-05-27 19:57:02
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 国連科学委員会の報告案は、私が調べた範囲では、他のメディアでは報道していない。そのため、報告書案が、実際にはどんな数字を元にどんな推計をして結論を導き出したものか、確認することが、できない。

2013-05-27 20:04:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 「個人の被曝線量も推計し、多くが防護剤をのむ基準以下で、健康影響は『(6千人の甲状腺がんが出た)チェルノブイリとは異なる』『(がんの発生は少なく)見つけるのが難しいレベル』と結論づけた。」という結論だけを押し付けられるものになっている。

2013-05-27 20:05:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 報告書案が押し付けたい結論は、いくつかに分かれている。まずは、東電原発事故後に、安定ヨウ素剤を配布しなかったことを、「多くが防護剤をのむ基準以下」と問題ないことにしている。これで、山下俊一氏ら、当時ヨウ素剤配布の指示をすべきなのに行わなかった人たちを救済している。

2013-05-27 20:18:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 次に押し付けたい結論は「フクシマはチェルノブイリじゃない」ということ。「(6千人の甲状腺がんが出た)チェルノブイリとは異なる」「(がんの発生は少なく)見つけるのが難しいレベル」と結論づけた。

2013-05-27 20:25:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 ん?日本では、「チェルノブイリ原発事故影響で出た甲状腺がん患者が6000人」という認識は、広く共有されていたか?「チェルノブイリ原発事故影響の甲状腺異常で死んだ人はいない。死者は、当時の収束作業員30人程度だけ」が、日本の「専門家」の「定説」じゃなかったか?

2013-05-27 20:28:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 この「報告書案」が記事のとおりだとすれば、国連科学委員会は、チェルノブイリ原発事故の健康被害を、今でも急性被爆のほかは甲状腺がんしか認めていない。しかし、日本の「専門家」とは異なり、「甲状腺がんで十数人が死亡した」と認めている。

2013-05-27 20:32:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 これで、国連科学委員会の報告が正しいとしたら、いよいよ長瀧重信氏や山下俊一氏らの報告が間違いである、ということが確定してしまう。チェルノブイリ原発事故では、甲状腺被曝による、急性被曝ではない死者がいたことになる。山下氏らは「科学的に間違っていた」ことが確定する。

2013-05-27 20:39:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 国連科学委員会は、その傍らで「原発事故との因果関係が唯一、科学的に解明されている甲状腺がん」と、他の健康被害は「科学的に解明されていない」といい続ける。ウクライナやベラルーシ、ロシアだけでなく、ヨーロッパに広がる健康被害を、否定し続ける。

2013-05-27 20:42:48
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 この記事では、詳細がわからないので批判も難しい内容がいくつもある。まずは、東電原発事故で放出された放射性物質の総量。これは、残った放射性物質の量が明らかにならないと確定が困難。おそらく残量全部を集めることができないので、永遠に確定量は出せないと、私は考えている。

2013-05-27 20:47:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 またこの記事では、報告書案が何を基にして住民の被曝線量を推計したのかが書かれていない。2011年3月末の、甲状腺簡易サーベイを元にしたのか?あるいは、「福島県民健康管理調査」の基本調査で使ったデータを使ったのか?それとも、他の数字があるのか?わからない。

2013-05-27 20:57:58
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 さらに、「甲状腺の被曝線量」とは、どんな数字を意味しているのか、書かれていないので、わからない。おそらく甲状腺等価線量なのではないかと思うが、書かれていない以上は、わからないと言うしかない。

2013-05-27 21:05:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 それでも、わかることはいくつかある。この科学委員会報告書案は、「日本全体の安心安全」を強調するために、わざわざ日本全体の「人・シーベルト」計算をしてしまっているのだ。この計算が、果たして必要だろうか?私は、不必要であるだけでなく、誤誘導を招くものだと考える。

2013-05-27 21:09:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 もし、福島県という単位よりも日論範囲で「人・シーベルト」計算をするとしたら、日本全体ではなく、東日本で計算するほうが適切だろう。ただし、その計算の元になっている数字の妥当性も現段階ではわからないし、それ以上にわからないのは「多数の中の少数なんだから気にするな」という論調だ。

2013-05-27 21:11:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 「30キロ圏外の1歳児の甲状腺被曝を平均50ミリシーベルトと推計。女児100人がそれだけ被曝すると、甲状腺がんは事故とは関係なく、生涯で0・8(人)発生するが、事故で0・2(人)増えると予測された。男児は100人で、0・2(人)が0・05(人)増えると予測された。」

2013-05-27 21:13:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 なんだ、この数字は?原発30キロ圏外の、当時の乳児は、1万人に対して男女合わせて25人甲状腺がんが増える計算になる。これで、納得できるか?30万人なら、750人の甲状腺がん増加になる。「他の理由にまぎれるから気にするな」と言われ「はい、そうですか」と返事できるか?

2013-05-27 21:17:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 いずれにしろ、この報告書案は、出てきた段階で、改めて「専門家」のみなさんに議論していただくことになるだろう。「原発事故被害の甲状腺がんで死者が出る」ことの確認も、ウクライナ政府報告書との乖離の問題も、改めて考えてもらうしかない。

2013-05-27 21:20:13