発達障碍だとわかってほっとした、とは? /あなたは鳥だ

発達障碍だという診断を受けるということは、「自分に何ができて、何ができないか」を把握する手がかりを見つけられたということ。あなたは飛べない鳥だ。しかし、飛べないのは努力が足りないからなのか?
22
KAMON @KAMON_Yammani

①あなたはだ。あなたは、伝書鳩(株)の新入社員になった。あなたは今、ここで飛行の研修を受けている。

2013-05-23 20:48:33
KAMON @KAMON_Yammani

②同僚が次々飛んでいく中、あなただけは飛べない。どんなに飛び上がっても、羽根を動かしても、何をどうやっても飛べないのだ。

2013-05-23 20:48:51
KAMON @KAMON_Yammani

③上司の鳩はあなたを責める。「飛行は鳥にとって基本中の基本だ。飛べないのはお前がひよこだからだ。飛ぶ努力や飛べる工夫をしてみろ。」 上司の鳩はあなたを責める。「飛行は鳥にとって基本中の基本だ。飛べないのはお前がひよこだからだ。飛ぶ努力や飛べる工夫をしてみろ。」

2013-05-23 20:49:17
KAMON @KAMON_Yammani

④あなたは工夫する。羽根の動かし方をいろいろ変える。ダイエットもする。しかし、それでも飛べない。

2013-05-23 20:49:34
KAMON @KAMON_Yammani

⑤上司の鳩も、つきっきりであなたに指導する。厳しくしたり、優しくしたり。それでも飛べない。

2013-05-23 20:49:57
KAMON @KAMON_Yammani

⑥困ったあなたは、鳥類学者の元を訪れて訊く。「こんなに努力して飛べないなんて、私の体に障害があるのでしょうか。」

2013-05-23 20:50:25
KAMON @KAMON_Yammani

⑦鳥類学者は笑いながら言う。「そりゃ飛べないよ! だってあなた、ペンギンだもの!」

2013-05-23 20:50:52
KAMON @KAMON_Yammani

⑧発達障碍者が「発達障碍だという診断をうけてほっとした」という感想を漏らすことがある。これは、「わーい、これで俺の無能を障碍のせいにできるぞ!」という意味でないことがこのたとえでわかるだろう。

2013-05-23 20:52:12
KAMON @KAMON_Yammani

⑨このたとえであなたは、ひよこだから(技術が未熟だから)飛べないと思っていた。しかし、実際にはペンギンだったから(特性上できないことをしていたから)飛べなかったのだ。

2013-05-23 20:56:00
KAMON @KAMON_Yammani

⑩さて、あなたが落ちこぼれだったのはペンギンだったからだとわかったあなたは、どうするだろうか。「だってペンギンなんだもん、飛べなくてもしょうがないじゃーん」と、伝書鳩の会社に居座り続けるだろうか。飛ばなくてもいい部署に回してもらうなどすれば、それも可能だろう。

2013-05-23 21:03:33
KAMON @KAMON_Yammani

⑪ペンギンであることを知ったあなたは、鳩のように飛ぶことよりも、ペンギンの生態について調べ、ペンギンに何ができるのかを考え、ペンギンに合った職業に就こうとするはずだ。

2013-05-23 22:07:01
KAMON @KAMON_Yammani

⑫自分の障碍を自覚するというのはそういうことである。飛べないからふてくされたり怠けたりしたいのではない。飛べないから自分にできることで勝負をかけたいのだ。

2013-05-23 22:13:23
KAMON @KAMON_Yammani

⑬ただ…世の中には自分はペンギンだと打ち明けてもなお飛ばそうとする御仁もいるんだ。ペンギンが飛べないなんていいわけで、羽ばたき続けていればいつかきっと飛べると信じすぎている人がいる。そういう人が上司になったら…逃げ出すか、羽ばたくふりしてサンバでも踊るしかない。

2013-05-23 22:16:11
KAMON @KAMON_Yammani

⑭発達障碍の特性…ペンギンであるかどうかは、実際のところ飛んでみないとわからなかったりする。発達障碍の人が職を転々としがちなのは、こういうところから来てるのかも。

2013-05-23 22:18:34