福田進一が語る「何故、ソル&ジュリアーニなのか?古典を多く学ばねばならないのか?」

クラシックギター界の重鎮『福田進一』の連続ツイート第2弾。第1弾の、プロ・ギタリストを目指す学生に向けて語った練習法「質より量も大事」の補足的な内容となっています。
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福田 進一 @fukushinsanchan

壱)補足しておけば、何故ソルなのか?それはソルの楽譜の書き方が、古典派のギタリスト作曲家の中で最も丁寧だから。楽譜を読み取る訓練にはぴったりの教材だと思う。他の作曲家の場合、記譜法がまちまちなので、声部など、学習者が勝手に解釈して間違った方向に行く可能性がある。

2013-05-28 08:07:13
福田 進一 @fukushinsanchan

弐)例えば、ソルの変奏曲や幻想曲における声部の書き分けは、一段の譜面上で可能な限りの情報量を盛り込んでいる。ギターだけでなく他の弦楽器でも、こんな細部を凝らした書き方をした人はいない。有名な魔笛の変奏曲にしても、声部や休符の書き方は厳密だ。

2013-05-28 08:07:25
福田 進一 @fukushinsanchan

参)このソルの記譜法通りに、音を再現する、表現する訓練を積めば、後のタレガ、リョベートなどのロマン派、さらに近代、現代へのアプローチが俄然速くなる。譜面から音楽を読み取る糸口になる。だから、すべてのギター学習者に勧めるのだ。

2013-05-28 08:07:38
福田 進一 @fukushinsanchan

肆)そう考えると、同時代のジュリアーニは相当荒っぽい。しかしもともと、ジュリアーニは室内楽の人であり、オケのメンバーでもあった。彼の書法はヴァイオリンのそれに近く。声部の書き分けは出来ていない。彼自身が音出し職人だから細かく書く必要がなかったのかも。より音響の人という印象。

2013-05-28 08:07:49
福田 進一 @fukushinsanchan

伍)しかし、ジュリアーニも外せない。その場合は、より余計に声部を弾き分ける演奏者の想像力とセンスが問われるだろう。ジュリアーニの前奏曲や練習曲を眺めていると、それらは作品、特に大曲のスケッチ、時にはネタ帳に見えてくる。ひとつひとつの完成度は、ソルには及ばないけれど、効果は抜群。

2013-05-28 08:07:56
福田 進一 @fukushinsanchan

陸)しかし、このネタ帳を元に大序曲からコンチェルト、英雄ソナタに至る大曲が生まれている。だから全部やりなさいと僕は言う。昔、ジュリアーニのロッシーニアーナ3曲のCDを作った時も、前奏曲、練習曲の経験が大いに役立った。だから勉強しておいて損はしないからと…

2013-05-28 08:08:07
福田 進一 @fukushinsanchan

質)というわけで、第2回の連続ツイートは「何故、ソル&ジュリアーニなのか?古典を多く学ばねばならないのか?」でした。まあもちろん、カルカッシ、カルリ、アグアド、メルツ、コスト、レゴンディーなども大事。近年、ヨーロッパでは地味だったカルリの再評価が進んでいます。

2013-05-28 08:08:13

コメント

インストなギターの名曲・名盤紹介所 @inst_na_guitar 2013年5月28日
今回はかなり専門的な話題でしたね。「ネタ帳」って表現は言い得て妙だな、と思いました。
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