カップリング役割論実践編

私がとあるフォロワーさんを励ますつもりでTLに垂れ流した与太話、まさかの続き。
ネタ
1
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
私が以前まとめたつぶやきhttp://t.co/yRk1TpJ3Hxの内容にのっとり、今回はより実践的な内容として、カップリング役割論理を用いて実際にアイデアを得、どのような作品が作れるのかを実際に見て頂こうと思います。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
今回取り上げるネタについてゆるく募集をかけた結果、千早⇒涼⇒愛のストリームをピックアップすることになりました。そうです、『ちはりょうあい』です。私にとっても未知の領域です。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
実践に入る前に軽くおさらいしておきましょう。まず、見てお分かりのように役割関係が連鎖しています。こんな時は、特に涼と愛の間で役割破壊が起きやすいのでしたね。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
書き手としては、役割が破壊されない『ちはりょう』の部分よりも、むしろ破壊される『りょうあい』の部分に重きを置いたほうがネタ的においしかったりするので、自然とそちらの形を取ることが多くなると思います。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
とまあ能書きはこれくらいにしておいて、さっそく実践に入っていきたいと思います。今日中に終わるかなあ……。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
先に言っておくと、今回はあくまで作り方の例という形のため、作品自体の内容はごくシンプルなものになると思われます。よって、品質には期待しないでください……。

はじまりはじまり。

アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(一)古くから人間は、音というものに深くかかわってきた。意志の疎通、情報の伝達において欠かすことの出来ない音というものに、やがて人の心を揺さぶる芸術としての価値が見出された時、それは『音楽』と呼ばれはじめた。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(二)今日の社会において『音楽』のあり方もまた多様化し、様々な種類の人間が芸術としての音を発信しようと試みてきた。その中には演奏家と呼ばれる者や、アーティストと呼ばれる者がいた。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(三)ある日、そんな音楽業界にひとりの『アイドル』が足を踏み入れたのだ。それまでアイドルという存在は、音楽といいながら芸術性とはおよそ無縁の音を粗製乱造するものとして、世間からは評価されていた。たったひとりのアイドルが、それを覆したのだった。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(四)その名を如月千早といった。元々歌手を志望して芸能界の道に入ったという彼女は、持ち前の歌唱力を武器に業界を勝ち進み、大御所の歌番組『オールド・ホイッスル』にアイドルとしては初めてのオファーを受けるに至った。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(五)音楽家のひとつの栄光であるとされる同番組への出演により、如月千早、およびアイドルというものに対する世間の見方はがらりと変わった。同時に芸能界全体に『如月千早あなどりがたし』の風潮がにわかに蔓延する。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(六)それは、千早自身の所属する765プロ、およびそれと事業提携を結んでいる876プロにおいても、例外ではなかった。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(七)「おっはようございまーす!」と割れんばかりの気勢をともない、日高愛は876プロの門扉をくぐる。この溌剌さが彼女の、アイドルとしての取り柄であり魅力である。事務室に入ると、同僚の秋月涼と目が合った。「おはよう、愛ちゃん」やわらかな笑顔を返される。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(八)ここだけ見るとどの事務所でもよくある光景だが、彼らもまた十人並のアイドルではなかった。芸能界の頂点を目と鼻の先にとらえたAランクである。実力も他の強豪アイドル達に一歩もひけをとることはない。さらに……。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(九)涼は先程話題に上げた『オールド・ホイッスル』に、アイドルとして史上二人目の出演を果たした男なのである。アイドルとして伝説を築いたあの如月千早に、ただひとり並び立つ存在というわけだ。愛だって凄い実績のひとつやふたつ、持っていないではないのだが……。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十)自分よりたったふたつ年上の仲間が、「伝説」とか「歴史」と呼ばれる実績を持っているとなれば、否応にもその偉大さを、そして秋月涼という人間の存在感を意識せざるを得ないというものであった。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十一)そんなことを思いながら日々のアイドル活動に勤しんでいると、愛としても自然と、彼を目で追うことが多くなっていった。その時はまだ、彼が自分にとって尊敬すべき人間であるが故の行いであると、愛自身は思っていた。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十二)そんな、ある意味真実からかけ離れたともいえる愛の認識は、ある日を境に改めさせられることになる。レッスン場でどこか楽しそうに千早の指導を仰ぐ、涼の姿を認めた時から。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十三)愛の快活さは、その時も変わらなかった。ただ、いつも事務所仲間に対してするように、明るくねぎらいの言葉をかけたのみである。千早の方も、おそらくいつもと変わらぬ調子で「あら日高さん。お疲れ様」と言っただけである。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十四)涼だけが違っていた。彼だけが、どこか気まずそうに、気恥ずかしそうに視線を泳がせたのだった。愛はそれで直感してしまった。彼女の、年齢不相応にほんの一部分だけ大人びた直感が、涼の心情を敏感にかぎ分けた。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十五)彼は、千早との時間を愛に邪魔されたと感じている。そう思えた。そうに違いないと思った。「違いない」という思い、人間の心の底からくる確信というものは、他のどんなに理路整然とした根拠より優先される。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十六)愛の心から生まれた「確信」は、皮肉にも彼女自身の心にどす黒く覆いかぶさり、それまで涼や千早に対して抱いていた尊敬の念をも、みるみるうちに醜い嫉妬の念に姿を変えさせていった。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十七)「どうして、こんな気持ちになるんだろう?」その晩、愛は自室でひとり禅問答を繰り返した。涼が千早を想っているらしいという「確信」は既にあったので、愛自身がその涼に知らず知らず惹かれていたためにこのような気持ちになるのだろう、という結論にたどり着くのに、時間はかからなかった。
アモルファス@アネット学会のハンネマン @amorphous_k
(十八)言ってしまえばそれだけのことなのだが、それで愛の気が晴れるはずもなかった。己の気持ちを暴き、向き合うごとに、一層強く湧き上がる嫉妬、自己嫌悪との戦いを強いられた。涼を応援したい気持ちと、したくない気持ちとが、愛の小さな胸の中で真っ赤な火花を散らした。
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