【ライトノベル】「機巧少女は傷つかない」海冬レイジ先生書き下ろしTwitter小説まとめ（2013.5.24）

機巧少女(マシンドール)は傷つかない @mdk_anime

Vol.1　シャルは激怒した。必ず、かの邪チチ暴虐の牛を除かねばならぬと決意した。シャルには持てる者の苦しみがわからぬ。シャルは、清貧の乙女である。パッドで身をよろい、哀しい真実を隠して暮らしてきた。「巨乳は、人を殺すのよ！」 #mdoll

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Vol.2　「……なぜ殺すのだ」おとものシグムントが、あきれ顔でつぶやいた。「見下されていると君は言うが、フレイはそんな悪心を抱いてはいない」「嘘よ！　確定的に明らかよ！　わざわざ私に訊きにくるなんて……っ」 #mdoll

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Vol.3　「それが無垢の証明なのだ。悪心があれば、そんな無神経なことはできまい。君の人格を歪ませるほどの劣等感、わざわざ刺激するようなことは」「そそそこまでの劣等感じゃないわよーっ！」シャルは涙目になり、ますます猛り狂った。 #mdoll

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Vol.4　バカなことをしでかす前に、シグムントは理非を説いてなだめにかかる。「むしろ大きくなる秘訣をたずねてみてはどうだ。君の母も祖母も標準的だった。思うにブリュー家の没落後、栄養状態が悪い時期が続いた――続いている――のが原因だ。君はまだ１７歳、きっと間に合う。#mdoll

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Vol.5　フレイに悪気はないのだし――」「それだから、抹殺するのよ！　あっちに悪気がないからこそ殺るの！間に合う、間に合わないは問題ではないの！人の命も問題ではないの！私は何か、もっと大きなものの為に起とうとしてるのよ！」「……シャルよ、私を殴れ。力一杯に私を殴れ」#mdoll

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Vol.6　「ど――どうしたのよ、いきなり！」シグムントをしょんぼりと首を下げ、詫びるように言った。「君たち一家が離散を余儀なくされたのは、私の力不足によるものだ。私にもっと強大な力があれば……あるいは知恵があれば、あのような悲劇は防げたはずだ。 #mdoll

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Vol.7　君が殴ってくれなければ、君の家族でいる資格がない」「貴方……そんなふうに……思っていたの……？」シャルは膝をつき、シグムントを抱き上げた。「お願いシグムント。私をぶって」「なに――？」 #mdoll

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Vol.8　「ブリューがああなってしまったのは私の責任だわ。アルフレッドを任されていたのは私だもの。貴方がそんなつらい思いをしていたのに、私、胸のことばっかり……っ」シャルは顔を赤らめ、シグムントを抱きしめた。「ずっといてくれて、ありがとう。私、貴方の助言に従うわ！」#mdoll

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Vol.9　後日、シャルはフレイの前で宣言した。「あ……貴女の望みは叶ったわ。貴女は、私の心に勝ったのよ。友情とは、決して空虚な妄想ではなくて……。だからどうせなら、私も仲間に入れてくれないかしら。どうか私の願いを聞き入れて、その、つまり…… #mdoll

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Vol.10　大きい方の仲間に……ごにょ……」最後は小声になってしまう。首を傾げるフレイの横を、ふと雷真が通りかかった。「おう、シャル。フレイも」「な!?　ななな何で貴方がここに現れるのよ変態！」デリケートな話題の最中だったので、シャルは取り乱した。 #mdoll

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Vol.11　雷真は苦い顔をして、「あのな……この際キッパリ言っとく（I’ll tell you flat）が、俺は」「だっ、誰がまったいらですって……!?　パッドをつけろですって……っ!?」「は!?　んなこと言ってね――」「ラスターカノン！」 #mdoll

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Vol.12　破滅の光がほとばしった瞬間、誤解に気付き――乙女はひどく赤面した。 おしまい♪ #mdoll