「あの柄がよい、あの柄で着物を仕立てるのじゃ!」「しかし姫、あれは伴天連の着物で…」「ええいうるさい!わらわはあれがよいのじゃ!」
2013-05-25 02:19:30@marine_yamada 起き出したら新展開が。これは新聞連載小説的です(^_^)。かどわかし…(笑)。うむ。伊東屋ならば久信公との縁もあろうかというところですね。
2013-05-25 08:27:19@misaki_tw ありがとうございます。エンジンのかかりが遅いのでまた夜中に…。新聞小説も森見登美彦とかが書くようになってきたので変わりつつあるかもしれません。かといってこんな話が載るのもちょっとどうかと(笑)。話の流れによっては若き日の久信公を書くかも?
2013-05-25 10:22:42久信公、みたらし団子130個熱食。途中、ノドに詰まらせるも「余裕ぞ」 RT @hochi_baseball: 【西武】ナベQ、打撃投手で130球熱投 http://t.co/G5k8hUagqf
2013-05-25 11:19:43お、もみじまんじゅう持ってますね(笑)。 RT @hotaru_umi: ま、だいたいこんな感じです、わく姫w http://t.co/8bIRepzHJY
2013-05-25 22:40:11『素浪人 小野寺力』第5話
【CM】熟成された虎の魂を、煮詰めて煮詰めて作り上げた、阪神発酵の「猛虎丸(もうこがん)」。「お酒を呑んだ次の日も、目覚めすっきりです」(広島県・30代男性) ※副作用の激痛(げっつう)にはご注意ください #素浪人小野寺力
2013-05-25 11:41:51掌に力を込めると、竹刀はきりりと音を立てた。正面で上段に杖を構える相手に隙はない。にらみ合いは四半刻も続いただろうか。風が舞い、枯れ葉が一枚、小野寺の前を通りすぎた。踏み込むか。そう思った瞬間には、すでに小野寺の左こめかみの手前に杖が寸止めされていた。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 07:15:50「水入りとしようぞ」杖の男は破顔一笑した。「暑いのう」境内に腰掛け、胸をくつろげると羆のような胸毛がわき出た。金柑を思わせる禿頭と対をなしているようにも見える。「久々の立ち会いじゃ。自然と笑いが出るわ」「感服いたしましたぞ、和尚。手も足も出なんだ」#素浪人小野寺力
2013-05-27 21:51:16小野寺に「和尚」と呼ばれた杖の男。この山寺に住む僧・一浩(いっこう)である。生まれは岐阜の、さる名のある武家。若き日より武芸に長け、魔王・織田信長の血を引くとまで噂されたほどである。しかしある日、なんの前触れもなく出家して、この寂れた山寺にこもってしまう。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 21:54:45出家前から若禿げが進んでおり、「わしは坊主になる!」「お主はすでに坊主ではないか」というやりとりは、故郷では語り草となっている。一浩はこの寺で一浩宗(いっこうしゅう)と名乗る独自の宗派を立ち上げ、貧しき民への施しで土地の者からの信頼も篤くしている。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 21:59:22余談ではあるが、同じ岐阜に居を構えた織田信長が、同じ響きの石山本願寺・一向宗(いっこうしゅう)と土豪の武士、それに農民が手を組んだ一向一揆に苦しめられてきたことを思うと、一浩がその信長の血を引くと噂されるのはなんとも皮肉である。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:02:10「栗山殿はなんと…?」小野寺は、栗山から一浩への書状を託されていた。生真面目な小野寺は、道中それを盗み読みをしようとしなかった。「なに、難しいことではない。貴殿に稽古をつけよと、それだけじゃ」一浩は八重歯を隠すこともなく、また大声で笑った。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:05:45「貴殿はよい侍じゃ。栗山殿が姫君を託すわけもわかる」「しかし、強くはありません…」「そこよ」一浩が金柑頭をつるりとなでて、語気を強めた。「たしかに弱い。迷いが顔に出ておる。しかし、己の弱さを知り、認めることのできる侍はそういない」 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:09:55「目立たず、堅実にお役目を守る。それは己の弱さを知る者にしかできないことなのだ。わしは貴殿のような、もったいない侍を何人も見ておる。剣の道に迷い、侍の道に迷い、人の道に迷い…。そうこうしているうちに、己が何者なのかを見失ってしまう。外道に落ちるは、容易いことだ」 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:16:07目を細め、一浩があらためて小野寺を覗き込む。「よき眼じゃ。貴殿ならきっと立派にお役目を果たせよう。もし討たれるようなことがあったら、わしが念仏のひとつも唱えてやる。しかと成仏せい!」一浩はまた大笑いした。小野寺も、つられて笑うほかなかった。山を渡る風が心地よい。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:17:36「のどが渇いたのう。おおい、茶を持ってまいれ!」一浩ががなる。「これは内密にしていただきたいのだが」一浩が小野寺に金柑頭を寄せ、人気もないのに声を潜めた。「先ごろより名古屋の城内にて先目争いの不穏な動きがある。そのゆえもあって今、姫君をこの寺に匿っておる」 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:32:25「なんですと…!」小野寺が目をむいて驚いていると、後ろに人の気配がした。「粗茶にございます」そこには透き通るような白い肌の、美しい娘が膳を手にしていた。幼子のような顔つきではあるが、まっすぐな瞳と意外なほどの腰まわりの肉づきに、小野寺は思わず見とれてしまった。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:39:04「名は…」つい口走り、小野寺は耳まで赤くなった。「あさを、にございます」はにかんだ表情にまた、色気を感じさせる。思わず小野寺は気色ばんだ。「い、一浩殿、どういう了見であるか!いかに匿っているといえども、一城の姫君に茶の支度をさせるなど…!」「…何を申しておる?」 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:45:01「そろそろ夕餉に…」あさをが一浩にささやいた。「おお、そんな時間か。せっかくじゃ、小野寺殿もともに」寺の中に入ると、すっかり食事の用意が整っていた。椀には、山盛りの飯がよそわれていた。「ありがたい。しかし一浩殿はこれほどの大食漢か」「先ほどより何を申しておる?」 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:53:44「姫!夕餉が整いましたぞ!」一浩が呼ぶと、麩を蹴立てるようにして一頭の獣、いや、大きな娘子が膳に走り寄ってきた。「おお、今日も山盛りぞ!ありがたいのう!いただくぞよ!」娘子は一浩への礼もそこそこに、椀にむしゃぶりついた。その姿に小野寺は圧倒され、恐怖すら覚えた。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 22:57:00「申し遅れた。ぶう姫である」「ぶ、ぶう姫!?え?こ、この方が姫様!?で、では、あさを殿は…」「ああ、勘違いをなされておったな。あさをはわしの妾じゃ。城から姫を匿うことを承知したゆえ、坊主のわしが妾を持つこともお目こぼしとなっておるのだ」小野寺は目眩を感じた。 #素浪人小野寺力
2013-05-27 23:02:32