【コラム】橋下市長の対在沖米軍発言の功罪～元海兵隊員女性が14年後に暴露した米軍内の性犯罪と犯罪隠しの傾向が指し示すこと～

The Associated Press @AP

Former Marine says she faced retaliation after reporting rape by superior, and many others did, too: http://t.co/u7kbFW5Orp -SS

💫T.Katsumi @tkatsumi06j

AP通信:上官によるレイプについて訴えたら報復されたと、元在沖縄米海兵隊員の女性。被害者は他にも。"@AP: Former http://t.co/ydd7ufNqEw -SS"APがBIG STORYと銘打つこの記事によると女性は14年間の沈黙を破って告発を決意したとのこと。

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記事によると元女性隊員は14年前、当時19歳だった頃に下士官として在沖縄海兵隊基地に配属されたところ、上官に薬を盛られて酩酊させられた上で強姦された。このことを隊内で訴えたところ、同日に起きたとされる薬物事件の犯人に仕立てあげられ、強制的に除隊する形で報復されたとのこと。

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記事によるとこのような被害者は彼女だけではないが、同様の報復を恐れてなかなか訴えを起こせないでいるのだという。現在三児の母となった彼女はやっと、訴え出る勇気が持て、元在沖海兵隊員の女性は30日、AP通信の独占取材に応える形で事実を公表した。

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所感:こうした性的犯罪行為の力ある者による犯罪隠しは、米軍だけでなく似たような指揮系統を持つ組織に存在する。日本の自衛隊も例外ではない。米国では被害者女性の訴えに共感する上院議員が軍の組織改革を求める法案を提出予定だというが、日本で同様の動きが起きることは考えにくい。

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尚、ここで自衛隊も例に挙げたのは、固有の軍隊組織である米軍内部での問題を比較的に矮小化するためではない。軍隊の指揮系統における上官への報告義務という規律が、力ある者に悪用されているためこれが是正されるべきということであり、それは自衛隊も例外ではないということである。

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記事は敢えて触れないようにしているが、私はこの被害者女性が事態を公表した時期と、同女性が在沖海兵隊出身であることから、この女性の訴えと橋下市長が行った在日米軍による性犯罪に対する問題提起は無関係ではないと思う。記事は橋下氏にその評価を与えたくないようだがこれは事実だろう。

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米軍、国防総省及び国務省が、橋下氏の発言問題について必要以上の批判を控えた背景は、こういうことにあった。まさに「寝た子を起こす」発言だったのある。だから非難はするが簡潔にこれを終わらせ、また国務省が就任浅い女性報道官を途中で男性に交代したのにもこの背景があるのだと見ていい。

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だからといって、橋下氏がいち首長として行った政治的発言の適切性について、私は評価を変えるものではない。氏が行った米軍への問題提起は半世紀以上前の日本の過去の犯罪行為とは切り離して行われるべき批判であり、比較して行われるべきことではなかったという私の考え方には変わりはない。以上

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橋下氏の在日米軍への批判は、3つの観点から考慮すべと考える。 １．過去、軍による性欲対処のための女性の徴用は許容されていた。 ２．現在、軍による性欲対処に性産業を活用することは建前上禁止されている。 ３．実質的に性産業の活用があってもなくても、性犯罪は減らないこと。

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橋下氏が指摘する点には、女性が嫌悪してやまない有史以来の男尊女卑観が示されている。それは、常に女性が性欲処理の対象である点だ。戦時中でも、平時でも、過去でも、現在でもだ。橋下氏がこのことに対する問題意識を明らかにすれば、氏の主張は共感を持って受け入れられたと思う。ところが、

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ところが橋下氏は、過去の時代において女性が性欲処理の対象となっていたのは「戦争の悲劇」であり「現実」であり仕方ない事実であるとした。問題は、それをなぜ「仕方ない」で済ませられるか、そのメンタリティなのである。その説明が十分でないため、現代においてもこの価値観は同じだと誤解された。

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あまつさえ橋下氏は性犯罪の予防努力に疑義のある在日米軍に対し、そのことを伝えるために、乱暴にいえば、「同じ性欲処理をするなら性産業を活用しろ」と提案したのである。つまり、男性の性欲処理のために女性が犠牲になることは「やむを得ない」「必要なこと」であるという考えを示したに等しい。

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その後はいくら弁明しても心理の根底にある考え方に対する不信は拭えない。在日米軍に謝罪しようと、「現代においてはそうは考えられていない」と訴えても、「憲法の擁護者だ」とアピールしても、根底に女性蔑視的な思考があることは、もう拭いようがなかった。しかしこれは橋下氏だけの問題だろうか。

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過去のまとめにおいて私は、法務官僚が現代の売春防止法で売春が刑罰化されない理由について、それは「性欲の捌け口を作ることで性犯罪を防止するため」と国会で答弁したことを示した。弁護士として橋下氏には、売春防止法の成り立ちを理解しているのでこの考えが意識に刷り込まれている。

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弁護士が法の論理として理解していることに倫理感を挟むことは難しい。だから橋下氏は、頭の中で「女性は男性の性のはけ口であるべきではない」とは思いつつも、刷り込まれた知識として「性欲のはけ口を作ることが性犯罪防止」という法の論理が先行して、あのように口走ってしまったのだろうと思う。

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この冷徹な法の論理というものは一般には理解を得られにくい。ましてその「論理」が、有史以来（※売春は世界最古の職業ともいわれる）「女性が男性の性のはけ口であること」を組み込んでいるのだから、現代の価値観において、たとえそれが確立された論理であっても反発を覚えるのは当然のことである。

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私は橋下氏の功罪について、国際都市の首長として、自国の過去の歴史とは区別して語るべき文脈において、不適切な論理に基づく分不相応な（基地立地自治体の首長でもないのに）指摘を行い、そのことで日本国民に恥をかかせまた世界の女性を侮蔑したことについては、罪だと思う。一方で、