突然の茶番劇
- siroeda159
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【生放送】普通じゃないラジオ 七つの大罪編 を開始しました。 http://t.co/m7gigKiENL #lv140020691
2013-06-02 00:56:26@ebleco 「ああ、なんだかお兄さんのことが無性に殴りたくなってきた。前からきにいらなかったんだよね、お兄さんのこと。 ねぇ、いいよね? 顔面殴るけどいいよね?」踏み込む右足、沈む大地。言葉より早く、右の拳は繰り出されていた。狙いは右頬。技術も何もない、ただの暴力を。 #茶番
2013-06-02 02:15:49@seigo022 「あ? 何を……」言葉を返すよりも、拳の方が早かった。振り抜かれた、腕、頬骨が、鳴る音。「……ってぇ……何しやがんだお前、これは高く着くぞ?」吐き出した、血の塊。口の中を切ったらしい。「……なぁ、誠吾ォ!?」そのまま、右膝を相手の胴に向けて、叩き込む! #茶番
2013-06-02 02:21:55「っ、ふっ……」 肺腑から空気が抜ける。視界がモノクロに明滅して、厭な嘔吐感に襲われた。 ああ、気に入らない。無理やりに吐瀉物を飲み下して、伸ばした両腕は、自らを穿った膝を捉えた。「なんで反撃とかしてくるわけ……? お腹痛いし、気持ち悪いし……ホント気に入らないよ、ユウ」 #茶番
2013-06-02 02:34:16@seigo022 膝の皿が、内臓を捉えた感覚がある。恐らくは、肺、壊すには至らない。手応えが、足らない。「気安く」捕らえられた、片足。転倒する。足が、持ち上げられる。「名前を呼ぶな」 否。「お前如きが!」 そのまま、左足を、振り抜いた。倒れ様、爪先が、額を掠めるように! #茶番
2013-06-02 02:39:42@ebleco 「あんたはいつだってそうさ……」 無茶な体勢から繰り出された筈の蹴りは、それでも充分な速さと鋭さを持っていた。 「『身の程を知れ』は、こっちの台詞なんだよッ!!」 ダメージを覚悟で、掴んだまま強引に引き寄せる。身体が熱い。 ――このまま、上方に投げ上げる。 #茶番
2013-06-02 02:52:56@seigo022 「……チッ!」思わず、舌打ちが漏れる。片手、指先、駄目だ。既に地面には届かない。振り抜いた足は、放り上げられたまま、空を切る。一転、二転、三転。所詮人だ。重力には勝てない。「……クソが!」受身。地を転がる。ダメージこそ無い。だが、これは、決定的な隙だ。 #茶番
2013-06-02 02:59:06@ebleco 「は、は、は、は、は……っ」 気付いた時には、笑い声は哄笑に変わっていた。ああ、やっと。やっと自分は、目の前のこの男を蹂躙出来る! 「ざまぁないね、ユウ! あんた、今、酷く無様だよ」 ごく自然に踏み出した一歩は、地に転がる男の身体を、容赦なく砕かんと迫る。 #茶番
2013-06-02 03:04:55@seigo022 踏み抜いた、踵。噎せ込んだ、声。だが、それでも、男は確かに笑っていた。 「……笑わせるなよ? ……いや、違うな。笑うな、誠吾」 両手。足首を掴もうと、今、伸ばされている。摑まば、捻る。折る。単純な動き。「……お前が、下だ。断じて、俺が下じゃあない!!」 #茶番
2013-06-02 03:10:17@ebleco 「っ、あ……ッ!」 勝利を確信し、慢心した男には、その思惑は気付けない。 「あああぁぁぁあああッ!!」 激痛に顔を歪ませる。咆哮。 それでも闘争本能は行動を止めようとはしない。残った左足で、何度も、何度も、何度も! 「このッ!! ブッ潰れろよォォッ!!」 #茶番
2013-06-02 03:28:55
@seigo022 「ぐふっ……がっ……! もう一度、言ってやる」潰れた、音。恐らくは、肺。先刻、男が膝で潰した器官と同じ位置だ。そして、今掴んだ部位も、皮肉にも同じ。「俺が、上だ! お前が、下だ、依然変わりなく!」身体ごと、捻る。足首のみでは無い、今度は、膝まで砕く! #茶番
2013-06-02 03:34:03@ebleco 立っていることも儘ならず、バランスを崩し、それでも。 掴まれたまま、両手を組み、思い切り振り下ろす。 足なんてくれてやる。いや、足でもくれてやらなければ、この男は倒せない。 「なんでッ! 僕の方がッ! 上だってッ! 分かんないんだよッ!! ユウッ!!」 #茶番
2013-06-02 03:52:41@seigo022 「……はっ」 咽せるように、吐き出した、呼吸。同時に、切った口の内側から、血が吹き出した。それでも、振り下ろす両手は許さない。伸ばした身体に向けて、肘を叩き付ける。届かなければ、肩。何れにせよ、躱されてしまえば身体ごと、倒れ掛かる力しか残っていない。 #茶番
2013-06-02 03:58:27
思ったんだけど、1ロールを140文字以内に収めるってかなり技術要求されるな。やっぱtwitterを使ったPBWっていうフォーマットは、やや上級者向きに成らざるを得ないか。文章書いてると、『長くする』事より『短くする』事の方が幾倍か難しい事に気付く。短文ロールとかマジ超上級者の域。
2013-06-02 03:57:33
@ebleco 「……、……、……っ」 劫。気付けば、吐瀉物と血塊の入り混じったものが、口から溢れ出ていた。 全身に、力が入らない。 「――僕、は」 だらりと垂れた両腕に、機能を失った両足。 僅かに残った空気で、言葉を紡ぐ。ああ、もう終わりか。二の句はもう出てこない。 #茶番
2013-06-02 04:09:30