イタリックに関するとある想像

自分で自分の考えをまとめました。
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<はじめに>

zeeksphere @zeeksphere

今朝の話で出てきた〈イタリック体〉は楽譜のフォルテとかピアノとかに使える、あるいは f(x) という数式の文字として使える、あの狭い意味でのイタリック体というふうにお考えください。いちおう。

2013-06-07 09:43:31

</はじめに>

zeeksphere @zeeksphere

コンビニで商品を詰めながら考えた。

2013-06-07 08:34:32
zeeksphere @zeeksphere

和字にイタリックが存在しないのと同じ意味で、もともとサンセリフにもイタリックは存在しなかったといえるのではないか。

2013-06-07 08:35:30
zeeksphere @zeeksphere

もともとイタリックとは、書体を指すことばであって〈イタリック体〉の意味であろう。文書において強調等の役割をもたせるとき、イタリック体が使われる習慣ができた。こうして、イタリック体は、文書構成上の役割を得た。これをかりに〈イタリック機能〉と呼び、イタリック体から区別しよう。

2013-06-07 08:38:47
zeeksphere @zeeksphere

イタリック機能にしては、強調でない、プレーンな機能というものを対立させることができる。これを〈プレーン機能〉ということにすると、歴史的には、おそらく、ローマン体を使用することが〈プレーン機能〉の表現であったろう。

2013-06-07 08:41:44

▲訂正:「イタリック機能にしては」→「イタリック機能に対して」

zeeksphere @zeeksphere

この時点において、ローマン体とはすなわちプレーン機能の担い手であり、イタリック体はイタリック機能の担い手という単純な対応関係によってとらえられ、同一視することも可能である。

2013-06-07 08:43:20
zeeksphere @zeeksphere

後に、サンセリフが擡頭してくる。早い時期からサンセリフが本文用書体として迎えられたかはわたしは知らないけれども、少なくともいつからか、正立のサンセリフ〈も〉、プレーン機能のもうひとつの担い手になった。

2013-06-07 08:48:26
zeeksphere @zeeksphere

ここで注意したいのは、 ローマン体:プレーン機能 イタリック体:イタリック機能 サンセリフ体新たな別の機 という状況にはならなかったことである。サンセリフは独自機能を獲得して他書体と機能上の棲み分けをするのではなく、ローマン体の専門であったプレーン機能に侵入したのである。

2013-06-07 08:52:49
zeeksphere @zeeksphere

そうなると、それまでの〈プレーン/イタリック〉という機能上の棲み分けが、サンセリフに対しても並行的に要求されることになる。正立サンセリフ体にプレーン機能をもたせたとき、誰がイタリック機能を担ってくれるのだろう?

2013-06-07 08:57:27
zeeksphere @zeeksphere

それは自然に次のような流れで解決されることになる。つまり、イタリック体の特徴をサンセリフに着せることである。イタリック体のようなサンセリフ体で、イタリック機能を表現するのである。

2013-06-07 09:03:07
zeeksphere @zeeksphere

しかし「イタリック体のようなサンセリフ体」というものは自明ではなかったのではないか。それは、和字のイタリック体がそれほど自明ではないというのと同じように。

2013-06-07 09:05:41
zeeksphere @zeeksphere

結果的にそういうものはデザイナーによって作り出された。イタリック体の特徴を、いろいろな程度差をともないながら、抽出して模倣しサンセリフにイタリック体のおもかげを吹きこんだ。多くの場合は斜めがちであるという特徴を抽出して。あるいは比較的少ないが、よりイタリック体の骨格に迫る形で。

2013-06-07 09:09:44
zeeksphere @zeeksphere

ここにおいて、サンセリフにおいても〈プレーン/イタリック〉の機能が再現できることになった。イタリック機能をもつために設計されたイタリック的サンセリフは、イタリック機能の担い手になれるという点で、元来のイタリック体と共通であり、仲間とみなされることになる。

2013-06-07 09:14:33
zeeksphere @zeeksphere

サンセリフの文脈において、イタリック機能の表現には、斜めがちな書体を使うということが浮き彫りにされた。これは従来の「イタリック体がイタリック機能をもつ」という一対一の対応を拡張する形である。

2013-06-07 09:19:26
zeeksphere @zeeksphere

ここまでがわたしの想像するイタリックの発達の歴史である。しかし翻って、「斜めがちな書体を使えば何でもイタリック機能の担い手として許容される」のであろうか? このサンセリフの状況を、ローマン体とイタリック体の文脈にふたたび持ち込むとどうなるであろうか?

2013-06-07 09:22:30
zeeksphere @zeeksphere

ローマン体が〈プレーン機能〉をもち、ローマン体をそのまま斜めがちにした書体が〈イタリック機能〉を担う……それは一般的なことだろうか? 普通のローマン体と、ローマンのスラント書体で構成された構造は、異質なもののように思われる。

2013-06-07 09:26:09
zeeksphere @zeeksphere

〈イタリック〉という言葉はサンセリフにおいては従来より拡張された意味をもつようになったかもしれない。ではセリフでは? セリフを傾けた書体をイタリックと呼ぶだろうか?

2013-06-07 09:30:03
zeeksphere @zeeksphere

y = ax + b の英字部分をイタリックで組むというとき、そこにローマンをスラントさせたデザインを使用して、これはイタリックです、と主張することはできるのか?

2013-06-07 09:30:38
zeeksphere @zeeksphere

そういう疑問が浮かんだところで今日のバイトはおわりました。歴史は想像だから、全然間違ってる可能性もあります。ねむいよ。

2013-06-07 09:32:08

キリル文字のセリフ、イタリック、サンセリフについて

Νᴀʀɪᴛᴀ Κentarō @10ti3pin

@zeeksphere 話がそれますが、キリル文字のサンセリフのイタリック體って、使用されることあるんですかね? もちろんWordとかでは斜めにすることはできますが、何やら微妙な感じになります。

2013-06-07 09:21:40
zeeksphere @zeeksphere

@10ti3pin どーなんですかね。セリフ体に対応するイタリック体(っぽいもの)は、細かいところでラテンのイタリックと違う独特さがありますよね。サンセリフ、どうなのかしらん。

2013-06-07 09:34:35