茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第965回【AKB総選挙】連続ツイート

2013.6/9 茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【アイドルの、イノベーション】連続ツイート …私はフジテレビのスタジオで思わず「アイドルのイノベーション」と言ってしまったが、指原莉乃さんがセンターで歌う楽曲は、きっと今までの日本のアイドルの文法とは違う何かになる。ニーチェにとって、笑いは進化の方向性であった。日本のAIDORUにもニーチェ的状況が訪れるか…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート965回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日を受けての感想!

2013-06-09 07:18:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(1)私が小学生の頃は、「アイドル」の一つの黄金時代で、萩本欽一さんが司会の「スター誕生」のような番組もあった。山口百恵さんや、キャンディーズのようなアイドルが、国民的な人気を得ていた。それから時代が流れて、モーニング娘や、AKB48へと、「アイドル」が受け継がれていく。

2013-06-09 07:20:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(2)そんな中で、もともとの英語idolとは異なるAIDORUという言葉が定着するほど、日本の「アイドル」文化は独自の発展を遂げてきた。さまざまなバリエーションがある中、「アイドル」の文法の中心には、一つの「ひたむきさ」があったように思う。それを、AKB48は可視化してきた。

2013-06-09 07:21:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(3)あれは二年前か、AKB48のじゃんけん大会を観る仕事を武道館でさせていただいた時、彼女たちの吸引力は、その「ひたむきさ」にあるのだと感じた。「ひたむきさ」は、子どもの属性である。子どもだって、時にやさぐれることもあるが、大人たちは子どもの「ひたむきさ」に神を見る。

2013-06-09 07:23:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(4)何歳かまでの子どもは、「神」の領域に属している。日本人はおそらくずっとそのように感じてきた。世界各地にもそのような感性はあるかもしれないが、特に日本はそうだった。そして、子どもの「ひたむきさ」ほど、大人にとってまぶしく、魅力的な人間性の一面はないのだろう。

2013-06-09 07:24:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(5)AKB48総選挙がここまで関心を集めるイベントに成長したのも、「ひたむきさ」というアイドルの文法に則っていたから。明確に数字で順位が出るその過酷な舞台で、ひたむきに、自分をアピールしようとする。ファンがそのような女のこたちを応援する。今や古典芸能の日本の風景があった。

2013-06-09 07:26:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(6)3年くらい前か、AKB48のみなさんが出るなんとかスクールという番組に出たとき、指原莉乃さんがヘタレだというので、負の感情を持っている人こそが前向きになれる、みたいな話をしたら、指原さんが「いい人だ〜」と言って泣いてしまって、それから応援したいと思っていた。

2013-06-09 07:28:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(7)指原莉乃さんは、以上に述べた「ひたむきさ」という今までのアイドルの文法とは違う何かを持っている。いろいろ考えてしまって、へたれてしまう。くよくよと後ろ向きに、私なんか、と思う。それは、確かに多くの人にとって等身大の人間像であるが、想定されるアイドルの資質ではなかった。

2013-06-09 07:29:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(8)その指原莉乃さんが、昨日のAKB総選挙で一位になった。そのことが明らかになった瞬間、会場の雰囲気が一変して、みんなが笑いだした。何かから開放された瞬間。アイドルはひたむきであるべきだ、という昭和時代からの日本のポップカルチャーの根幹が、あの時崩れたのだろう。

2013-06-09 07:31:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

あい(9)私はフジテレビのスタジオで思わず「アイドルのイノベーション」と言ってしまったが、指原莉乃さんがセンターで歌う楽曲は、きっと今までの日本のアイドルの文法とは違う何かになる。ニーチェにとって、笑いは進化の方向性であった。日本のAIDORUにもニーチェ的状況が訪れるか。

2013-06-09 07:33:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート965回「アイドルの、イノベーション」でした。

2013-06-09 07:33:49