奈良市の中心市街地活性化を下から支える「中活研」、そしてイベントに関わるあれこれ

2005年はじめに8商店街によって結成された奈良市中心市街地活性化研究会は、奈良市に「中活基本計画」の策定を求め郡山イオンのための都市計画変更に反対するとともに、まちなかの賑わいづくりのためのイベントを他団体とともに実施してきた。 「コンパクトシティ」の意義も含めて、関連するあれこれのつぶやき。
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奈良市にTMO構想を求めて、2005年初め結成された「中心市街地活性化研究会」

奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

平成17年、近鉄JR奈良駅周辺の8商店街は、商店街の枠を越えて市街地の賑わいのために協力し、当時のまちづくり三法によるTMO構想を練り上げるために「奈良市中心市街地活性化研究会」を結成しました。行政に働きかけ、奈良においてもTMOを設置することが一つの目標でした。

2013-06-10 20:47:18
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

1998~2000年にかけて施行の「まちづくり三法」(改正都市計画法、大店立地法、中心市街地活性化法)は、大型小売店の出店を規制・調整していた大店法(大規模小売店舗法)を廃止し、都市計画的見地から地域商業との調和を図っていこうというもので、その事業主体としてTMOが掲げられた。

2013-06-10 21:12:05
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

TMO=タウンマネージメントオーガニゼーションは、アメリカではBID(ビジネスインプルーブメントディストリクト)、イギリスではTCM(タウンセンターマネージメント)と呼ばれているものを、日本の中心市街地活性化のため導入したもので、195箇所が認定されたが、機能したとはいえない。

2013-06-10 21:22:39
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

そのため、平成18年(2006年)には、改正まちづくり三法として方向を180度変えるような改正が行われました。都市計画法においては、商業地域などに大規模店舗の出店を限定する方向となり、田んぼの真ん中に巨大なショッピングセンターが作られるようなことを規制することとなりました。

2013-06-10 21:32:35
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

一方、旧法の「TMO」の成果が上げられなかったため、旧「TMO構想」にかわる中心市街地活性化基本計画は、経産省ではなく内閣府認定を必要とするものとなり、計画策定に際しては「中心市街地活性化協議会」として、会議所または商工会、自治体に加えて自治会関係などの意見が必要となりました。

2013-06-10 21:37:08
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

いよいよTMO構想へというところで、法律が変わってしまったとも言えるのですが、改定まちづくり三法は、都市計画の重要性を高めた点で画期的なものでし た。つまり都市計画法による「商業」「準工業」「近隣商業」以外の地域には、基本的に1万㎡以上のSCを設置することができなくなりました。

2013-06-10 22:07:06

まちづくり三法の改定が成立したが、隣接の大和郡山にイオンの巨大SC建設の計画が

奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

ところが、まちづくり三法改定と前後して持ち上がってきたのが、郡山イオン出店計画でした。国道24号沿道で、奈良市と接する大和郡山市下三橋町の当該地は、市街化調整区域でしたが「保留地域」となっていました。人口増加や一定の開発計画があれば変更されることがあると言うものです。

2013-06-10 22:15:08
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

調整区域であり、市街地とは距離のある大和郡山市下三橋町のイオン予定地について、県は市街化区域に編入し商業地域に指定する案を、都市計画審議会に提出しました。大和郡山市内で公聴会も開催されました。通学路の交通問題、地蔵院川の洪水問題などの他、隣接する奈良市道への郡山側の負担の問題も。

2013-06-10 22:23:56
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

県の都計審では、一部の大学の先生、共産党の県会議員の他、国の近畿運輸局長が渋滞が常習化している国道沿道ということもあってか反対しましたが、郡山イオン予定地の市街化区域編入&商業地域指定は承認され、事実上郡山イオンSC設置が認められました。2007年8月のことでした。

2013-06-10 22:47:13
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

市街地や商業施設の郊外拡散に歯止めをかけ、交通をはじめとして地方自治体の行政コストの増大を押さえる「コンパクトシティ」の考え方が、2006年の改正まちづくり三法の根底にあったわけですが、当時の奈良県の都市計画行政は、「保留地域」ということからそれと逆行する方向に決定を行いました。

2013-06-10 22:52:59

奈良の中心市街地を巡るスタンプラリーの始まり

奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

TMO構想の必要性を訴える広報活動や、イオン郡山出店について主に交通問題から反対の声を上げる一方で、中活研では「旗揚げイベント」として2005年9月、采女祭りの時期に「摩訶不思議!新耳袋ラリー」という8つの商店街すべてを回るスタンプラリーを開催しました。

2013-06-11 08:26:02
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

新耳袋ラリーは、8箇所のポイントに、それぞれ不思議な物語をリンクさせ、奈良市中心市街地の隠れた魅力を感じとってもらおうという企画で、「采女祭り」という観光的なイベントと商店街とを結びつけたという意味では画期的なものとなりました。天平衣装の采女ガールが参加シートを販売しました。

2013-06-11 08:35:55
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

新耳袋ラリーを実施する中で、当時、新たに正倉院展の協力新聞社となった読売新聞の大阪本社文化事業部から、中活研へのコンタクトがありました。秋の正倉院展を奈良市民にももっと広く関わってもらうために協力できないかということでした。これが後の「はじまりは正倉院展」ラリーに繋がります。

2013-06-11 08:42:50
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

一方、まさにこの時期に「ダイエー奈良店の11月閉店」というニュースが流れました。中活研では、2005年9月21日にダイエー、経産局、当時ダイエーの再生を行っていた経済再生機構などと、県、市、会議所などに「後継店対応のためにも閉店延期を」という要請を行いました。

2013-06-11 08:51:19
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

2005年の秋、まちづくり三法改定のパブコメ、ダイエー奈良店の閉店、奈良市中心市街地の統一イベントの立ちあげ、そして郡山イオン出店の動きと、まさに慌ただしい時期でした。(この年の7月に市長・市議会の同時選挙が行われ鍵田氏から藤原氏に市長が交代、9月には小泉「郵政解散」総選挙)

2013-06-11 09:04:30

改正「まちづくり三法」の理念「コンパクトシティ」という考え方

奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

2006年、平成18年に改正された「まちづくり三法」は、旧三法の大型店規制が「自治体がその気があれば規制できる」というものであったのに対して、都市計画の用途地域によって予め網をかぶせる形となりました。そのため大和郡山のイオン出店計画では、市街化編入と商業地域指定が必要でした。

2013-06-11 16:39:27
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

旧法の場合、ある自治体(市町村)が、大型店出店に対して都市計画法による「特別用途地域」指定で規制しようとしても、隣接する自治体が指定を行わなかった場合には「ザル状態」となってしまいます。新三法では、特別用途地域指定ではなく、大きな用途地域指定で規制ができることとなりました。

2013-06-11 16:46:46
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

改正まちづくり三法の背景にあった理念は「コンパクトシティ」という考え方です。少子高齢化の進行とエネルギー消費、二酸化炭素排出の抑制が求められる中で、地方自治体の効率的経営のためにも、市街地のむやみな郊外化をおさえ、中心市街地で歩いて生活できるようなまちづくりが目指されました。

2013-06-11 16:52:09
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

コンパクトシティの考え方の典型は青森市で示されました。積雪地帯の同市では、郊外に分散した密度の低い市街地のための除雪費用が莫大なものとなり、極力、都市機能を中心部に集約することが「町の生き残り」のために必須とされました。高齢世帯の都心部移住というのもその手段となりました。

2013-06-11 16:56:45
奈良市中心市街地活性化研究会 @narachukatuken

積雪地帯でなくとも、薄く広く拡大した市街地の道路、上下水道などインフラを維持する経費は自治体財政に重くのしかかり、同時に、郊外市街地住民の高齢化も進行してきていました。そうした背景から郊外の大型商業立地を抑制し、中心市街地の蓄積されたインフラを利活用しようというものです。

2013-06-11 17:03:10

奈良市でも、TMO構想>中活基本計画策定へ、しかし

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