ツイッター超短編小説集２０１３年６月１８日編集

樋川真 @maomk68

梅のような酸っぱい雨を想像して梅雨時に雨降りの外に出て空に向かって口を開けていた。酸性雨という言葉を聞いたのはそのすぐ後で、今の雨はセシウムの味がするんだろうかと思った。でもセシウムって酸っぱいのだろうか。 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説

樋川真 @maomk68

理化学的見解から見てセシウムに味がついていると聞いたことはない。しかし、人間の感覚には信じるとか思いこむという作用があり、そういう思いこみや信じ込みで味のしないものに味が発生したりする。セシウムは酸っぱいみたい。 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説

樋川真 @maomk68

でも、酸っぱいからといっていいものかというと放射性セシウムがいいものとは思えない。だが実際降ってきているようであることはどうやらそうで、雨は酸っぱいものであると思いこんで酸っぱくなる。そういう梅雨の雨間。 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説

樋川真 @maomk68

酸性雨の時もそうであったが、酸性雨だからと銅像が腐食したことがあって、実際その時も酸性だから酸っぱいと思いこんだのでその時も空に向かって口を開けて雨を味わい、酸っぱいなあと思ったのである。今回も酸っぱい。 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説

樋川真 @maomk68

放射性セシウムの酸っぱい雨を飲み込んで、「おおこれが世に聞く内部被曝か」と思ったものだが、そうなって積算被曝量が１００Bqもいかなければこれという変化もない。お茶に混ざっているとかほうれん草に混ざっているとか。 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説

樋川真 @maomk68

やがて甲状腺に妙な違和感が出てくるぞ、とか言われても、現にこのセシウムの雨が止まないのであるなら、せめて味ぐらい確かめたいものであると思っても別に罰が当たるとも思えない。で、梅雨に降る雨がどういう味かを確かめる。 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説

樋川真 @maomk68

しかし科学的根拠をどう言われようと、セシウム雨は酸っぱいという思いこみが払拭されることもない。それをツイッターで言ってデマッター扱いされるならばいっそのこと、そのあるかどうか怪しい酸っぱさを味わってみる。 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説

樋川真 @maomk68

そういう訳でセシウム雨は酸っぱいということにしておこう。 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説

樋川真 @maomk68

大体、梅雨というから梅の味がする雨の降る時期であると子どもの頃は思っていた。梅は普通酸っぱい。セシウム雨が酸っぱいなら梅雨のセシウム雨はとても酸っぱいということにならないか。冷やし梅ジュースとか作ってみよう。#完 http://t.co/yaqeBwmBwW #角川小説