百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

“元々は江戸末から明治初期までの戯作者、橿原多実、号して橿原無花果が、女同士の恋愛に際しての交合ならぬ妙合の機微を記した『百合仕種』に書かれていた恋愛指南の処方のこと” #百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

“『百合仕種』は手合わせ、胸合わせ、唇合わせ…などと女同士の恋愛における所作を「合わせる」という言葉で統一、解説している。しかし百合とあるのに内容は全部合わせて七十二ほどである” #百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

“これは序文によると、「無花果（自分）は事あるごとに女同士など益体もないなどと揶揄され、その都度重々承知、と返せば、いつしか重々さんなどと呼ばれるに至り（略）ゆえに元々は重々仕種とでも題しておけばと思えば、しかしそれはいかにも重々しかろうと十々に変え（続く” #百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

続き） “「『十々仕種』と書いてみた処、十々は百かしらねと枕元で囁かれ、なるほど、九九の如くに読めば十々は百かと、改めて『百合仕種』と題すこととした」…とある。” #百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

「手合わせ」　“お互いに向ひ合い、胸元に両手を上げて合わせ合うこと” #百合しぐさ　　身長差がある場合、片方がやや膝を落とす具合にせよとある。あえて上下の差異を作るにも妙がある、とも述べられている。

我乱堂 @SagamiNoriaki

「額合わせ」　“手合わせの状態から額を合わせること。お互ひの上目遣いにあれば興趣いやます也” #百合しぐさ　　手合わせの状態から額を合わせている状態。ここでお互いが上目遣いになっていればもっといい感じになるよ、との意

我乱堂 @SagamiNoriaki

「問い合わせ」　“女同士とはいかにも本気かと何度と問い合わせるべし” #百合しぐさ　　これは相手が本当に女同士でもいいのかとしつこいくらいに問うてみよとの教えである。こうねんに書かれたものには“相方が親しげに男と話してるのを見かけた時も”確認せよと、大概相手は親戚だからと。

我乱堂 @SagamiNoriaki

他にも胸合わせや指合わせ、貝合わせ…などとあるが、そのうちの幾つかについては“いずれ羽化登仙の快絶の妙合である”と橿原無花果は述べるだけにとどめ、内容については触れていないものもある。 #百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

橿原無花果の説によれば、本邦で最初の女同士の恋人は卑弥呼と台与であるとする。この二人を倭姫と小碓命と同定しているのが彼女の独自の解釈であり、面白いところ。彼女がいうには小碓命、つまり倭建命は男装女子であると。#百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

橿原無花果は『霊能柱』を読んでいたのか、「アダムとエヴァは本邦の国産み神話の転訛である」などと書き、「リリスはエヴァの最後の恋人である」という話も書いている。女怪に妻を寝取られたなど書けないから、誤魔化すような伝が生まれたと…彼女がリリスの名を何処で知ったのかは謎 #百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

橿原無花果が書いた『百合仕種』は「じゅうじゅうあわせしぐさ」と読んでいたようですが、いつしか花の名前と読み替えられたそうです。 #百合しぐさ

我乱堂 @SagamiNoriaki

もっとも、重々さんから十々と書き換えて云々は序文に書いてあることではありますが、近年の研究では当時の無花果の恋人の名前が「お百合」であったということが判明し、百合仕種の所作は彼女に由来するものではないかという説が近年提唱されています。ちなみに百合は人妻でした。 #百合しぐさ

ClaraKeene @clarakeene

#百合しぐさ タグが熱い。こんな豊潤な文化が明治維新期の百合っ子狩りで消えたのは返す返すも残念である。

我乱堂 @SagamiNoriaki

百合しぐさ…についていえば、どんだけでも幾らでも話は作れないでもないが、一人だけで書くのも面倒だなあ

有坂純＠ターナー展 @thorn_the_socrs

@SagamiNoriaki 『百合仕種』素晴らしいですね。ぜひまとめてお書きに…ｹﾎｹﾎ復刻してくださいませ。

我乱堂 @SagamiNoriaki

昨日、百合しぐさで検索して眺めていたが、もしかしてこれ、ガチに受け止めている人がいるのかという疑惑がわいて出て、なんかちょっとこわい…。