2001・9・11　同時多発テロの日、私は...

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(1)その日私はアトランタに居た。その頃参加していたバンドでサンフランシスコから車で全米およそ30箇所でのライブを予定していた。アトランタでのライブを終え、友人のアメリカ人宅で短い打ち上げをし、次の日のニューヨークへの移動に備えて早々に眠りについた。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(2)朝、あまりの騒々しさで目を覚ます。メンバーの一人が ''NYが大変な事になってるみたいよ。飛行機が落ちたって。NYに入ることも出来ないみたい''　まだねぼけ眼の私は、飛行機が落ちたのは大変だ、でもNYに入れないって...？車なのに？？

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(3)泊めてもらった家は引っ越したばかりでTVが無く、今ひとつ状況がのみ込めない。今思えば、誰があんな状況を説明できたであろう。らちがあかないので日本に国際電話をし、CNNを見てもらった。家族も初めて事を知り絶句。説明してもらうのにも非常に時間がかかった

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(4)アメリカ人の友人が近所の人に頼んでTVを見せてもらう事になり、皆で見に行く。日本に電話をして状況を聞いていたものの、あまりにも受け入れ難い映像を目の当たりにした私達はただその場で固まるしかなかった。そしてこれからこの街でライブをする事になっている。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(5)今迄で、あんなに無理やり頭を使った事はなかった。この後どうするか。NYに着いても街に入れないどころか全く状況が読めない。車での移動のため、動きがとれなくなったら、残り15箇所ほどのライブはキャンセルになるだろう。そして戦争になったという情報が入る。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(6)状況が状況なのでアメリカ人のツアーマネージャーもエンジニアも含め話し合いをする。結局ここからNYを含め10箇所のライブをキャンセルし、シカゴから残りのライブを続行することに。メンバーの1人(ギタリスト)は国際線が復活し次第日本に帰ると言う。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(7)もう1つの問題、この状況で外国人の自分達がライブを続ける、というのはどうなのか、という問題意識も当然あった。そんな中、ツアー中のマイク・パットンが同じ街にいると聞いて会いに行く。彼は欧米ツアーでよく私達をOpening Actに起用してくれていた。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(8)マイク・パットンは私たち3人に、''今アメリカ人はみんなCNNに釘付けで心身ともに相当参っている。だからこ君達もツアーを続けてそ束の間でも辛い気持ちを忘れさせてあげて欲しい''と一生懸命語ってくれた。結局、1人は途中で帰るこになってしまうのだが

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(9)アトランタからシカゴまでの長い長い縦断の旅。笑顔にも相当な無理が。たまたま見つけたライブハウスで交渉して演奏する。対バンだった若者がなんと私達のファンで、NYに見に行くつもりだったという。宿も決まっていない私達を家に泊めてくれた。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(10)飛び入り演奏を何度か経てシカゴからツアーを再開する。ミネアポリスのライブが終わり、国際線が復活したという事でギタリストがアウト。何とエンジニアがギタリストなのもあり、何曲か代役をやってもらうことに。知らない土地のスタジオで緊急リハーサルをした。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(11)そこから3箇所ほど、ポートランドでツアーを終了した。あんなに色んな事を考えさせられた2週間は他に無い。そして各々のメンバーの判断も間違ってはいない、と今でも思う。それぞれの人生重さを他人がどうこう言えるものではない。全員無事帰国した事に感謝する。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(12)私達は夕食をとるためレストランバーにいた。TVモニターには演説をするブッシュ大統領。彼を取り巻く人々がときの声をあげる。その映像を無言で見つめる客達。そのギャップとブッシュ大統領の誇ったような表情に強い違和感を感じないではいられなかった。

FUZUKI @BangBooX

9・11同時多発テロの日(13)9年前の今日、大切な人を失った人の悲しみは続く。そして今自分が生かされている事の意味をこの日になると強く考えさせられる。自分には何が出来るのか...その疑問と、意志が弱く怠惰な自分との葛藤も続く...