稲川淳二　つぶやき怪談　2013年6月26日

稲川淳二 @Junji_Inagawa

稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「つぶやき怪談」が始まります。節電のために、部屋の明かりを消して、怖ーい噺で楽しんで下さい。

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稲川淳二の「つぶやき怪談」、怖・楽しい時間を、共有しましょう。

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何が起こっても、責任はとれませんけど。

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富士の樹海近くで、民宿を経営している、仮にＡさんとしておきましょうか。

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この人は、地元の消防団に所属しているんですが、

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それは、秋も深まった頃、

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消防団の仲間から、樹海で死体が見付かったから、直に来てほしいと、連絡が入った。

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既に警察にも消防にも通報がいってるんで、Ａさんが急いで現場に駆け付けると、

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其所は以前にも、男女の自殺死体が３体見付かってる場所だった。

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どうやら、自殺者というのは、同じ場所を選ぶらしい・・・。

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で、その死体というのは、３０代後半から４０代前といった感じの男性で、

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ジーパンに灰色のジャケットという目立たない服装で、

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身元を証すようなものは何ひとつ身に付けていない、となると遺体の引取り手を探すのに、苦労する事になる。

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死体の近くには、使い捨てのカメラが落ちていて、

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恐らく、このカメラを持って、ハイキングの人達に混じって、 03地元の乗合バスに乗って遣って来ると、皆と別れて一人樹海を散策するような恰好で、

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其の実、死に場所を求めて、奥へ奥へと入っていって、

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軈て、落葉を敷き詰めたようなその場所に、仰向けに横たわると、薬を飲んで、自らの命を絶ったらしい。

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カメラを確かめると、写真を一枚撮っている。

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死体は、死後然程経過していないし、ここ当分、雨も降っていないので、

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恐らく写真は写ってるだろうから、何かの手掛りになるかも知れないので、現像にまわされた。

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暫くすると、Ａさんのところに、

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“写真が出来たので、立ち合ってほしい”

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と連絡入った。

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で、Ａさんと消防団の仲間２人と警察官が２人立ち合う事になって、