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ある在日コリアンのフォロワーに対する、日の丸問題での意見の相違による「アンクル・トム」呼ばわりに対し思うところ〜セゼール,ファノン,帝国の問題〜

反日の丸という自らの立場を補強するために在日コリアンを利用しようとしたがそれが果たせず,在日コリアンがそれに同意しないと知ると,その人物をアンクル・トムと呼びあからさまな悪意をむき出しにした人物がいました. 左翼が最も嫌われる,その典型とも言っていいケースでした. この一連のTweetは,その一連の経緯ををみた高林敏之先生のTweetです.
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高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 13:30:48
1)カリブ海のフランス海外県マルティニク島。この島が生んだ偉人エメ・セゼールをご存知の方も多いだろう。フランス・欧州による奴隷制と植民地主義を燃えるような詩と評論によって鋭く告発した人。植民地支配下で押し潰された誇りを取り戻すための「ネグリチュード」(黒人性)の提唱者。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 13:34:53
2)「ネグリチュード運動」は、セネガルの初代大統領レオポール・サンゴールやアンゴラの初代大統領アゴスティーニョ・ネトなど、独立期のアフリカ植民地にも「パン・アフリカニズム」と共に大きな影響を与えた。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 13:43:37
3)だが驚くべきことに、彼はマルティニクの独立ではなく「海外県化」を唱導した。1945年に島都フォール・ド・フランス市長(~2001年)に選出されたセゼールは、翌年より「海外県化」法案を起草しその実現に奔走する。紆余曲折はあったが、その先に海外県、EU域内という今の地位がある。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 13:46:56
4)彼は法案の提案演説で同島が「母なる祖国の文明にさらに一層参入しようとし続けてきました」と述べ「マルティニクがフランス国民の不可分の一部であること、そしてマルティニクをフランス県として完全に同化することを要求します」と語った(セゼール『帰郷ノート』訳者・砂野幸稔氏の解題より)。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 13:51:56
5)セゼールは1小島の「独立」に現実性を見出していなかった。代わりに彼は「本国の完全な一部」たる「県」になり、マルティニク人が「完全に平等なフランス市民」となることにこそ「真の自由」があると考えたのである。フランスは抑圧者であり、その三色旗は抑圧の象徴であった。しかし⇒
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 13:55:35
6)同時に、海外県化に「真の自由」を見た彼にとって、フランスは「祖国」でもあり、三色旗は「自由の象徴でもあった。むろん、これを批判するマルティニクの知識人もいた。同時代のマルティニクの著名な黒人思想家フランツ・ファノンはセゼールの「裏切り」とネグリチュードの限界を厳しく批判した。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 14:02:00
7)「黒人性」と「同化主義」を並列させるセゼールを批判したファノンが「アフリカ革命」に意義を見出し、自ら海を隔てたフランス海外県アルジェリア(アラブ系の国だが)の独立戦争に身を投じたことは、よく知られるところだ。だが、セゼールは死ぬまで、死後もマルティニク人に敬愛され続けている。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 14:05:53
8)セゼールのような葛藤は、植民地化された世界全般で見られた。沖縄もそれに当てはまろう。19世紀後期に強制併合され「県」として同化させられ、常に二級市民扱いされ、太平洋戦争では地上戦の舞台とされ、戦後は米軍占領に差し出された沖縄にとって、日本は客観的にみて抑圧者であり⇒
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 14:16:14
9)「日の丸」は「抑圧の象徴」であった。ゆえに日の丸を焼く事件が起こったことも当然のことだった。だが一方で「日本復帰」という形で米軍支配からの「自由」を求めた沖縄にとって、日本は「祖国」でもあり、日の丸は「自由の象徴」でもあった。その期待を無残に裏切った結果、⇒
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 14:17:33
10)沖縄ではついに「琉球ナショナリズム」が出現するべくして出現するに至るのだが。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 14:25:32
11)このように、植民地化された民の「宗主国」に対する思いや姿勢とか、ナショナリズムやナショナル・シンボルのあり方は、一筋縄に語れるものではない。例えばセゼールの同化主義を後代の部外者がネガティヴに批評するのは簡単だが、それは植民地主義に対するひとつの生き様、対し方である。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 14:29:06
12)ファノンならいざ知らず、我々部外者がマルティニク人の敬愛を受けるセゼールを「裏切り者」とか「アンクル・トム」とか軽々に評価することはできない。セゼールの生き方は彼なりのきわめて真摯な植民地主義への対峙だったからだ。ましてや無名の植民地の民には、さらに様々な生き様がある。
沼崎一郎 @Ichy_Numa 2013-06-26 14:31:50
@TTsaharawi 我々は、自分たちの「ポスト・インペリアル」なポジショナリティとその制約を鋭く反省しないといけませんよね。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 14:34:36
13)そんな様々な生き様、考え方に対して、同胞ならいざ知らず部外者、ましてや旧宗主国の人間が、自分と考えが異なるからといって「アンクル・トム」などと簡単にレッテルを貼るのは、実に支配的かつ傲慢であり、差別的である。植民地主義や差別を真摯に考えるのなら、こういう逸脱は禁物である。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-26 14:41:21
14)以上は、ある在日コリアンのフォロワーに対する、日の丸問題での意見の相違による「アンクル・トム」呼ばわりに対し思うところである。批判の応酬はあっていい。しかしこれは批判の域を越えている。有体に言って差別である。
沼崎一郎 @Ichy_Numa 2013-06-26 16:24:57
@TTsaharawi 「ポスト・インペリアル」なポジショナリティについての理論化が必要だと痛感しています。自身のポスト・インペリアル性に無批判・無反省のままにポスト・コロニアルを語る研究者が日本には多すぎる。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-27 07:48:32
@Ichy_Numa 自分が帝国的な意識とか立場といったものを根深く心身に刻印していることの正視を避け、帝国的な言説なりシンボルなりを否定してみせることで帝国的な刻印とは無縁であるかのように思い込み「ポスト・コロニアル」を背負った人々への批評家にさえなろうとする。危ういことです。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-28 10:00:39
せっかくまとめていただいたので、もう少し補足してみようかな。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-28 10:08:16
1)韓国の故・朴正煕大統領が「満州軍・日本軍の士官出身の親日独裁者」だという批判は有名なところだ。だが、植民地化された世界は実に多くの「朴正煕」を生んでいる。アフリカにおいても全く例外ではなかった。黒人・アフリカ人たる自己を認めさせ立身するために、宗主国の軍人として⇒
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-28 10:10:59
2)欧州の戦争で、あるいはインドシナやアルジェリアなどでの植民地解放戦争に対して戦ったアフリカ人軍人たちがいた。少々性格は違うが、南米の仏領ギアナ出身の仏領赤道アフリカ総督、黒人の植民地総督としてドゴールの「自由フランス」に貢献したフェリックス・エブエも、その先駆けかもしれない。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-28 10:14:40
3)第1次世界大戦の時にはそういうアフリカ人兵士たちの徴募に積極的に動いたアフリカ人政治家もいた。「開化民」としてフランス国民議会議員にもなったブレーズ・ディアニュ。エブエにせよディアニュにせよ「祖国フランス」の自由への貢献がアフリカ人の地位向上と自由につながると信じた人々。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-28 10:18:12
4)むろん、彼らの希望をフランスは無残に裏切った。エブエやディアニュの果たした歴史的役割そのものについては、後世の評価はむろん厳しいものがある。だが、それが植民地化された民が自分なりに考え、選択し、努力した生き様であったことは否定できない。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-28 10:21:51
5)話を戻すと、宗主国の軍人として宗主国の戦争、時には植民地での弾圧戦争を戦い、その戦功により叙勲されたり、中には士官になった者もいる。そういう者たちが独立後のアフリカ諸国で軍の司令官になり、クーデタで統治者に成り上がった例は多々ある。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-28 10:29:10
6)フランスへの抗議行動を指導した父親を処刑され貧困に喘ぎながら、仏軍人として各地で戦功を重ね、独立後の中央アフリカの軍司令官となり、やがて独裁者としてナポレオンを真似て「皇帝」を称し、莫大な金を浪費して戴冠式を挙行したジャン=ベデル・ボカサは、植民地主義が生んだ「怪物」だった。
高林 敏之 @TTsaharawi 2013-06-28 10:36:37
7)ウガンダのイディ・アミン、オート・ヴォルタ(現ブルキナ・ファソ)のサングーレ・ラミザナら、政治スタイルは違えど同様の経歴を歩んだ者は多い。植民地戦争からの復員後に正規軍編入を拒否されたことに反発してクーデタを起こし、やがて38年間トーゴの独裁者として君臨することになる⇒
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コメント

山下 歩 @neko_yamashita 2013-06-28 01:19:22
まとめてくれてありがとうございます。
てのりん @trochilidae 2013-06-28 11:47:06
2013年6月28日追記. まとめを更新しました。
てのりん @trochilidae 2015-07-30 03:19:05
このまとめ,作ったのはぼくだけど,他の論争に二次利用されてはいけないなと思う. この時のぼく自身の認識不足もあったと思うけど,この一連のTweetには欠落している視点がある. なので,とくに注意すべきなのは,この一連のTweetのまとめを,他の議論の文脈に当てはめてしまうことについては若干の懸念があります. というのは,フランスと日本とのケースを完全に同一視するわけにはいかないと思うので,そこには注意しなきゃと思ってます.
てのりん @trochilidae 2015-07-30 03:19:10
両国には,『フランス(共和国・国籍生地主義)』と『日本(天皇制・国籍血統主義)』っていう,厳然たる違いがあって,なおかつ,すでに在日コリアンは「本国」の「国民」なわけですから,そこを見逃してしまうと,少なくとも日本と韓国,DPRK,その三ヶ国のいずれにも帰属を感じることのできないような,どうしてもそうした帰属問題から零れ落ちてしまう「あるひとびと」にとっては,とても不誠実な言論と感じられてしまう可能性もあると思うんですね.……
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