ガルパンラジオ#23 「パットン戦車後編の後編」

ガルパンラジオ第二十五回、今回もアメリカのパットン戦車シリーズです。いよいよ完結!
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西住みほ @Miho_Nishizumi

主砲は様々な戦車砲を試験した結果、英国の王立造兵廠が開発した51口径105mmライフル砲L7A1が最良という結論が1958年11月に出され、この砲身に米国製T254E2砲尾を組み合わせた戦車砲を開発。M68戦車砲として制式化され、XM60への搭載が決まりました。 #gpradio

2013-06-29 21:23:35
西住みほ @Miho_Nishizumi

L7 105mm戦車砲は低伸弾道性に優れ、装甲貫徹力にも優れていました。低伸弾道性というのは、砲弾が山なりにならずまっすぐに飛ぶ特性のことです。L7はこのあとレオパルト1や74式戦車などの戦後第2世代戦車にも採用され、西側の標準戦車砲となります。 #gpradio

2013-06-29 21:25:53
西住みほ @Miho_Nishizumi

L7の有効射程は2000m、発射速度は6~8発/分。APDS(装弾筒付徹甲弾)を使用した場合、砲口初速1470m/秒。距離1000mで約300mmの均質圧延鋼板を貫徹出来ました。 #gpradio

2013-06-29 21:28:07
西住みほ @Miho_Nishizumi

ちなみに、同時期に登場したソ連のT-55が積んでいた56口径100mmライフル砲D-10T2Sの装甲貫徹力は、同じ条件で約170mmだったそうです。 #gpradio

2013-06-29 21:30:12
西住みほ @Miho_Nishizumi

照準装置は当時最先端のもので、車長と砲手用サイトは光学式照準潜望鏡。夜間作戦時には主砲防盾に取りつけられた大型の白光/赤外線キセノンサーチライトで目標を照射して砲撃を行いました。このライトの有効照射距離は白光で2000m、赤外線で750mです。 #gpradio

2013-06-29 21:33:04
西住みほ @Miho_Nishizumi

速遠器は対物鏡の二重の像を合致させるM17A1基線長式速遠器が装備されていました。測定距離は500~4000mで、誤差は±25m。やや制度に難がありましたが、操作は初心者にも容易だったようです。 #gpradio http://t.co/CLnbW1QtDU

2013-06-29 21:35:33
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西住みほ @Miho_Nishizumi

XM60はNBC防護システムをいち早く搭載した戦車でもありました。これは核兵器使用後の戦場での作戦遂行能力を戦車に持たせるためのシステムで、車内の浄化装置と空気加圧装置によって汚染された戦場でも長時間の行動を可能にしています。 #gpradio

2013-06-29 21:38:12
西住みほ @Miho_Nishizumi

XM60は1959年3月に『105mm砲戦車M60』として制式化されました。第1生産ロットとして180両が発注され、同年4月から生産が始まりました。公式にはパットンシリーズとされていませんが、現場での通称はパットン、またはスーパーパットンと呼ばれていたようです。 #gpradio

2013-06-29 21:40:48
秋山優花里(停止) @Yukarin_7TP

オブイェークト279じゃないんですから耐えませんって… #gpradio

2013-06-29 21:41:58
西住みほ @Miho_Nishizumi

M60の生産はクライスラー社が担当。第1生産ロットの360両は同社デラウェア工場で、第2生産ロットの720両はデトロイト工場でそれぞれ生産されました。 #gpradio

2013-06-29 21:44:06
西住みほ @Miho_Nishizumi

M60シリーズにはM60、M60A1、M60A2、M60A3の4タイプがあります。A1以降のタイプについては後ほど触れます。 #gpradio

2013-06-29 21:47:10
西住みほ @Miho_Nishizumi

M60は1080両が新規に製造された他、M48A2から230両(1958年に50両、1959年に180両)がM60に改修されています。 #gpradio

2013-06-29 21:49:54
西住みほ @Miho_Nishizumi

さて、M60自体は、本来ソ連のT-54、そしてT-55に対抗しうる本格的な主力戦車の登場までの穴埋めで、短期間で引退する予定だったのですが……MBT-70計画の頓挫により長く主力の座に座り続ける事になりました。またしてもMBT-70の影が……。 #gpradio

2013-06-29 21:52:18
西住みほ @Miho_Nishizumi

M60A1はM60の量産改良型です。M60の試作車が完成した4年後の1962年に速くも大量生産に入りました。これはソ連のT55戦車の100mmライフル砲より大口径の115mm砲を備えたT-62の登場によるものです。 #gpradio http://t.co/lpm1qvnd4h

2013-06-29 21:55:41
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西住みほ @Miho_Nishizumi

M60とM60A1の最も大きな違いは、その砲塔の形状です。亀甲型砲塔から避弾経始を重視し、前面装甲の厚いタイプに変更されました。砲塔の装甲厚は一番厚い前面で254mmあり、T55の100mm砲では貫徹が困難でした。 #gpradio http://t.co/Y0KNPmPqzW

2013-06-29 21:58:14
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西住みほ @Miho_Nishizumi

車体は防弾鋳鋼と圧延防弾鋼板を組み合わせて溶接した構造。車体の装甲厚は部位の重要度に合わせて大きな幅がつけられていて、一番厚い前面下部で143mm、一番薄い下面で12.7mmでした。 #gpradio

2013-06-29 22:01:47
西住みほ @Miho_Nishizumi

操縦席は車体前部中央にあり、右に旋回して開くスライド式ハッチが備えられています。ハッチには3基のM27ペリスコープが取りつけられていました。夜間操縦する際には、中央の1基を赤外線暗視タイプと交換出来ました。 #gpradio

2013-06-29 22:06:03
西住みほ @Miho_Nishizumi

エンジンはコンティネンタル社製AVDS-1790-2A V型12気筒ターボチャージドディーゼル。出力は750hpに向上。変速機はアリソン社製CD-850-6A自動変速機に変更。これにより時速48.28Kmという当時としては実用的な路上最大速度を得ていました。 #gpradio

2013-06-29 22:08:18
西住みほ @Miho_Nishizumi

さて、M60A1の量産が開始された直後の1963年から、アメリカは70年代に運用する新型MBTの開発を『MBT-70』の名称で開始したわけですが……これは何度かこのラジオでも触れた通り見事頓挫。そこで米陸軍はM60A1に近代化改修を行います。 #gpradio

2013-06-29 22:11:12
西住みほ @Miho_Nishizumi

これがM60A1戦車の『RISE(Reliability Improvements for Selected Equipment:実用性向上/装備近代化)』改修で、1971~79年にかけて約5,000両のM60A1戦車がRISE化されています。 #gpradio

2013-06-29 22:13:23
西住みほ @Miho_Nishizumi

RISE化改修の内容はエアクリーナーの能力向上、ジェネラル・エレクトリック社製の電気式主砲安定装置の導入、新型のT142履帯への換装、(続く #gpradio

2013-06-29 22:15:51
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