イギリスのカトリックグラマースクール

ロンドンのある1つのカトリックグラマースクールの財政事情と教育改革やグラマースクールの歴史などとの関係について。1見聞に基づくまとめ。Catholic Faith School が学力選抜入試を行なう Selective Grammar School であることの両立のむずかしさ。
2
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】先日カトリックの学校に行った。校長のスピーチに「あっ」と驚きの反応をしてしまった。子どもの入学を希望する保護者に向かって「皆さん、お金があるなら下さい」とあまりにも直截的な訴え。カトリックの学校の良さを力説した直後だけに会場から一部苦笑が漏れた。しかし、

2013-06-28 08:42:29
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】苦笑をもらしたり、「あっ」と驚いたのはごく僅かな人々だけ。イギリスの教育システムの変遷の歴史をグラマースクール廃止が本格化する60年代からカトリック信者として身をもって理解している人々は「金をくれ」スピーチに対して否定的な反応は一切見られない。まずは、

2013-06-28 08:48:14
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】ここ http://t.co/lxaMbSIwfK を私の無知を少しでも解消するスタート地点にした。このローマンカトリックの大司教区の1つウエストミンスターは、http://t.co/FK4Hw0yiqa のようにロンドン北西部をカバー。この大司教区が

2013-06-28 09:01:44
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】区内のカトリックの学校に対して作成している機会均等(と人種差別否定)を謳う模範文書がこれ:http://t.co/s9OrETCUdX (ページ下方のPDF)これをカトリックの学校は参照してそれぞれ独自の公式声明を創っていることが多い。ここでは、

2013-06-28 09:10:27
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】ジェネリックな表現がならんでいる。例えば『私たちは多様な年齢、性差、人種や社会的オリジン、能力、文化、宗教から成り立つコミュニティ全体の繁栄を祝福する』など。あるいは、

2013-06-28 09:20:32
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】『私たちは貧困層に対する(恣意的)配慮をもってすべての人を気遣う義務があり、社会的に、学習において、身体的に、情緒的に不利な立場にある人に与えることを保証する義務がある』ともある。こうなるとジェネリックとは言えなくなる内容が含まるが全体的にこんな感じ。

2013-06-28 09:34:36
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】私が訪れた学校は、しかしながら、それらのジェネリックな模範文書を踏襲したのでは矛盾が生じてしまう State Selective Catholic Grammar School =公立の学力選抜カトリックグラマースクール。すでに明白に予想できるように、

2013-06-28 09:40:37
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】多様な宗教の共存を祝福する、しかも政府からの予算を(この学校の場合は後述のように部分的だが)配分されている公立校がカトリック信者だけに門戸を開いていることの曖昧さ。さらに、

2013-06-28 09:45:04
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】学習困難を抱える子どもたちに『与える』ことを保証するとしている学校が学力選抜校であること。

2013-06-28 09:46:39
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】カトリック信者のための公立選抜進学校としてこの学校はウエストミンスター大司教区の模範文書を改変して整合性をとる必要がある。校長のスピーチにあわせて配布された資料文書が分厚い。

2013-06-28 09:51:18
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】洗礼を受け現実的に信者として活動している子ども(その親も最低1人は同条件)で、学力の高い子どもだけを受け入れるということは以上のことだけでも様々な規制などをクリアーしていかなければならないことが分厚い文書によって示されている。さて、

2013-06-28 09:54:31
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 配布された文書でこの話題に関係するものをリストアップすると、 1. Equal Opportunity Statement 2. Disability Equality Scheme

2013-06-28 10:08:43
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 3. Disability Discrimination Act (DDA) 1995 (extract) 4. Race Equality Policy

2013-06-28 10:09:22
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 5. Sex Education Policy 6. Special Educational Needs Policy (summary) 7. Policy on Education Reform Act 1998

2013-06-28 10:10:01
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 8. Complaint Policy 9. Message from the Diocese of Westminster Education Board 10. School Admission Criteria となる。

2013-06-28 10:10:46
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】これらを読み解きつつ、この学校がおかれた状況を「金をくれ」発言に収束させるかたちで手短かに紹介してみる。

2013-06-28 10:22:38
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 この小さな試みによって、カトリック、グラマー、セレクティブという3条件のセカンダリースクールが抱える特殊性あるいは困難が浮き彫りにされることで、現在進行中のイングランドの教育改革の本質が多少は明らかになるかもしれない。

2013-06-28 10:29:01
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 3条件が持つ特性をこの文脈で先に指摘しておくと、 1. カトリック:イングランドでは非宗教的差別者との意識に加えて、アフリカ系やアイルランド系、東欧系が多く人種差別とも関係が深い。学校はしたがって組織的に保身になりがちなことが予想される。

2013-06-28 10:33:58
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 2. グラマースクール:中途半端な消滅とその複雑な経緯、そして復活ムーブメントの最中。中等教育改革の歴史のなかで常に翻弄されつづけている存在。

2013-06-28 10:37:31
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 3. セレクティブ:教育改革の過程で有利とも不利ともつかない「微妙」な立場。すなわち、イングランドの学力低下の責任を直接問われないとは言うものの、社会の流動性を阻害する存在でもあり、地域社会への還元が不足していると非難される存在でもある。

2013-06-28 10:42:18
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 1. Equal Opportunity Statement:ここに書かれていることは「私たちの学校の生徒やそのコミュニティは学校内外で各種の偏見、差別、ハラスメントを経験している。私たちはこれらに立ち向かっていかなければならない。生徒たちは、

2013-06-28 12:03:19
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 学力によって選抜された子どもたちで、家庭や生徒はカトリックのエトスを守ることが要求されている。カトリックであるならば、エスニシティや社会的背景にかかわらず学校は受け入れる。教師はカトリックの目的を理解し完全に支持する者でなければならない。

2013-06-28 12:11:00
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

【イギリスの教育システム】 しかしながら、学校としては教師についても熱心なカトリック(信者である教師)の採用を優先させるために最大限の努力をする。それらの環境を整えることで学校は厳しい世界 (a world can be hostile) のなかで子どもたちに自信をもたせる。

2013-06-28 21:34:33
1 ・・ 5 次へ