自衛隊はその存亡をかけて自己革新のダイナミズムある組織となるべきことについて

陸自を含め、自衛隊全般について言えることだが、この組織には「創造的自己革新」という要素が乏しすぎる。「有事の組織」ではなく「平時の組織」として、惰性で「永遠の日常」を送っている面がある。だが米軍、特に海兵隊は自己革新の連続であった。そうしなければ組織として生き残れない世界の現実があった。自衛隊を取り巻く戦略環境も今や大きく変化している。自衛隊は組織存亡をかけて「創造的自己革新」が可能なダイナミックな組織に変貌すべきである。
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fj197099 @fj197099

陸自批判というより自衛隊全般への注文になるかもしれないが、この組織には基本的に「創造的自己革新」という要素が乏しすぎるように思う。無理はない面はある。何しろ戦争を一度も経験したことのない組織である。戦争に負けた教訓を生かす機会もないし、勝利した結果組織再編を求められた機会もない。

2013-07-02 23:15:21
fj197099 @fj197099

だから自衛隊は「有事の組織」ではなく「平時の組織」として惰性で「永遠の日常」を送っている面がある。戦闘組織としては客観的に見て未熟、と言われてもやむを得ない。本当の抑止の破綻、本当の戦争の形態について日々議論を戦わせて組織が自己変革していく緊張感=ダイナミズムというものがない。

2013-07-02 23:17:08
fj197099 @fj197099

若干の例外は国際貢献と災害対処で、特に東日本大震災は貴重な教訓を得る機会となったことは事実だが、問題はやはり戦争経験である。その点、自衛隊が敬愛してやまない米軍、特に米海兵隊は何度も戦争を繰り返しその度に組織的な危機に見舞われて自己変革を図ってきたので、遥かに動態的な組織である。

2013-07-02 23:19:30
fj197099 @fj197099

一言、簡潔に言えば、米軍において海兵隊とは「余分な」軍種である。陸海空の正規軍がきちんとあるのに、それとは別に独立軍種を作って、陸海空全ての戦闘が可能な自律的な装備運用体系を確立させている。そういえば聞こえは良いが、これはしばしば三軍と役割が重複する「ムダ」という事になる。

2013-07-02 23:22:22
fj197099 @fj197099

だから海兵隊はその英雄的な活躍のイメージにも係らず、しばしば「廃止論」「縮小論」が取り沙汰されるのである。故に海兵隊の側もその存在意義の正当化を巡って必至に自己変革を繰り返すのである。海兵隊は第一次大戦までは基本的に独立軍種として影が薄かった。第二陸軍のようなものであった。

2013-07-02 23:23:20
fj197099 @fj197099

しかし戦間期に水陸両用作戦のドクトリンを確立させ(海兵隊が最初からそれを持っていた訳ではないことは極めて重要)、対日戦で大活躍した。だが核兵器の時代になると再び不要論が登場した。朝鮮戦争の仁川上陸作戦以降、海兵隊が大規模な強襲揚陸作戦を実施したことはその後の半世紀、全くない。

2013-07-02 23:25:28
fj197099 @fj197099

ベトナム戦争でも海兵隊は結局のところ第二陸軍でしかなかった。海兵隊は自己のアイデンティティを見失いつつあったわけである。そこで70年代末、強襲揚陸艦とS/VTOL機の登場に目をつけて、海兵隊は全世界への緊急展開部隊という新たな役割を確立させた訳である。自己変革があったのだ。

2013-07-02 23:27:02
fj197099 @fj197099

80年代とポスト冷戦期においてこの変革は大当たりした。米国単極の国際システムの下で、米軍の活動は主にグローバルな遠征作戦となったからだ。その先兵は常に海兵隊だった。しかしアフガン・イラクの泥沼で状況が変わった。長期化する対反乱戦で海兵隊は再び第二陸軍化してしまったのだ。

2013-07-02 23:28:33
fj197099 @fj197099

現在、米国の覇権国としての相対的な地位の低下に伴い、海兵隊はまたまた変革期に入っている。水陸両用作戦は(小規模なものを除き)殆ど活用の機会がない。緊急展開部隊としての役割も極度に低下した。第二陸軍化したままでは「ムダな軍種」と言われてしまう。海兵隊は必至で頭を絞っているだろう。

2013-07-02 23:30:19
fj197099 @fj197099

米国海兵隊ほど歴史と伝統と偉大なる戦績のある組織でさえ、明日は見えないのが世界の現実というものなのである。生き残るためには必至で新環境に適応しないといけないのだ。適者生存である。その観点から見た時、我が国自衛隊が如何に間延びしているか…。言うまでもないことだろう。

2013-07-02 23:31:37
fj197099 @fj197099

憲法九条と日米安保の心地よい庇護の下、長年自衛隊は戦わぬ軍事組織として惰眠を貪っておればよかった。責任はむしろ政治にあったのだ。だが状況は変わった。日本は戦後初めて本格的な脅威に直面しつつある。日米安保はかつてほど役に立たないかもしれない。自衛隊は本当に挑戦をうけるかもしれない。

2013-07-02 23:35:09
fj197099 @fj197099

陸海空、各軍種が新環境への適応のため、生き残りをかけて「自衛隊の最適化」のアイデアを出すべき時期が来ているのである。現状維持は許されない時代なのだ。予算配分を大胆に変え、不要な軍種は規模を半分にする、という位の緊張感があってもいい。そこからしか意義ある変革は生まれてこないだろう。

2013-07-02 23:36:52