土蜘蛛様による土蜘蛛語り

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土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

常陸国風土記に茨城の名前の由来が乗っているんだけど、この土地の穴に住む凶暴な土蜘蛛たちを退治するため、彼らの留守中に穴に茨を敷いて騎馬兵で穴の中に追って殺した~とか、土蜘蛛を殺すために茨の砦を作ったとかそういう話なのでつらい。

2013-07-04 21:48:51
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

大和の高尾張邑に土蜘蛛がいたので葛で編んだ網を使って殺したので「葛城」とか。

2013-07-04 21:50:29
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

土蜘蛛伝説が残る「吉野」といえば吉野「葛」だし、そういえば「葛城」の由来も土蜘蛛が関係してるし、常陸国風土記で挙げられた土蜘蛛の別名に「国巣」というのがあって結局は全部「クズ」になるってわけ

2013-07-04 21:52:55
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

唐突に古事記を読み上げる京極堂にはすてきな奥様がいらっしゃるのに、各国の風土記を引いて土蜘蛛を語る私にはなぜ彼氏がいないのか。

2013-07-04 21:56:28
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

土蜘蛛草紙で土蜘蛛が美女に化けているのは、姥皮伝説が紛れたからじゃないかと思っていたが、姥皮は室町のお伽草子でメジャーになったものだからやっぱりちょっと無理がある……と考えていた。

2013-07-04 22:28:52
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

逆に土蜘蛛伝説その他の伝説から姥皮に転じたことはあるかもしれない、というところまで考えてはっと思い出した。風土記に出てくる土蜘蛛の首長には、当時の記録にしては女性が多い。大山田女、狭山田女、八十女。

2013-07-04 22:30:58
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

とくに「八十女」というのは「八十」という数字が付いている。「九十九里浜」と同じで、数字をくっつけて物事を表すのは「ものすごく大きな数」という意味だ。八十女というのは一人の女性首長ではなく、女性首長「たち」ということだとすると、

2013-07-04 22:32:11
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

土蜘蛛が女性に化ける伝説を得たのは、この記紀風土記のイメージからではないか……。

2013-07-04 22:32:31
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

よしじゃあ今日はちょっと土蜘蛛について喋っちゃおう

2013-07-04 22:35:25
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

たとえば土蜘蛛は『摂津国風土記』逸文で「宇袮備能可志婆良能宮御宇天皇世、偽者土蛛」とあり、「此人穴居中、故賜賤号曰土蛛」と語られている。

2013-07-04 22:38:46
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

まあ大体こんなかんじで古事記日本書紀風土記では登場する。主だった注釈書を見るとたいてい「土着の先住民」「先住民の神」と記されているのが見て取れる。

2013-07-04 22:39:53
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

つまり、土蜘蛛は「大和朝廷に帰服しない未開の集団」という文脈で用いられるのがほとんどだ。中世では英雄・源頼光に退治される悪しき異形として扱われる。

2013-07-04 22:40:04
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

記紀風土記に見える土蜘蛛において、まず問題になるのは、「土蜘蛛」が何を表すのかということである。従来の研究の大部分はこの問題を取り扱ってきた。だが、この土蜘蛛を偉人主として扱い、人種論としてこれを研究しようとしたものが大半である

2013-07-04 22:41:27
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

この種の研究は古典の記述を元に、その生活形態を説明したり、あるいは古典用語から、大和民族に対する異民族として説明するのがほとんどで、土蜘蛛を日本古代人種のいかなるものに比定するかを問題としていた。

2013-07-04 22:41:37
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

まずは、研究史紹介ね。江戸時代から行きます。

2013-07-04 22:42:05
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

菅原道真は『類聚国史』(巻第百九十)において、大和民族と異質のものとして風俗部を置き、国樔・隼人・多袮・南嶋・掖玖人・阿麻袮人・蝦夷・俘囚の八つの異民族を紹介している。この際、外国のことは別に扱い、殊俗部として別項にしている点に注意しなければならない。

2013-07-04 22:42:52
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

@smith996 ごく簡単に説明すると、古事記においては異民族、中世になり頼光の相手として設定された土蜘蛛は絵に書かれたこともあり完全に人ならざる者扱いです。あとでお話することになると思いますが、死のイメージが非常に強い。

2013-07-04 22:46:04
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

@smith996 水樹先生の土蜘蛛は可愛いですよ。猫みたいで。

2013-07-04 22:46:18
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

@McsToro おおっ、それけっこう重要ポイントで話そうと思ってた! 先にざっとまとめちゃうと、敵対関係にあるものもあれば、味方になったものもいる、ってことで包括するなら田舎者ですかね。

2013-07-04 22:49:12
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

ええと、『類聚国史』でしたね。この分類の中には土蜘蛛はいないんですよ。ここで覚えていて欲しいのは、平安時代には古くから日本に住む異人種を意識していた、ということ。

2013-07-04 22:50:17
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

同じ時代の土蜘蛛の解釈として最も古いのは、『釈日本記』。『摂津国風土記』の『恒に穴の中に居る。故に、賤しき号を賜ひて土蛛と曰ふ』という一文を引用している。つまり、「朝廷に帰服しないものとして常に穴に住むため賤号を取得した」、と。

2013-07-04 22:51:35
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

。『釈日本紀』が土蜘蛛を説明するのに、多くある資料の中からこれを引用したことは、最もよくその性格を表すものと考えて採用したと思われる。土蜘蛛は調停に起伏しない、「偽者土蛛」として存在し、常に穴居生活をしていたので「土蛛」の賤号を与えられたと解釈たのであろう。

2013-07-04 22:51:54
土蜘蛛ꙮ那由辰🌗_毎日散歩する @reminiscence_t

ちなみに私はこの穴居というのも怪しくて、辺境の不便な土地に住まざるを得なかった異民族の彼らを「穴居」というかたちで貶めたんじゃないかと勝手に思ってるんですけどそれはまあいいや。

2013-07-04 22:53:45
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