ハルヒから入った人が痛い思いをする『絶望系 閉じられた世界』
- muno_chihiro
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谷川流著 『閉じられた世界』を読んで なぜなどだといえば、この作品は明らかに中学生を購読者層にしていない作品であるから。死が乱雑する世界を当然の摂理とする絶望的な世界が作品中には繰り返し描かれている。積み重なる死体の山、そしてその殺され方をとっても危険だ。
2010-09-23 19:06:16僕は書物が他者に影響を与えるからと言って、検閲することを大いに問題視することはない。その僕であっても、子供がいたとしてこの本を読ませたくない。この本を読んだ子供にとっては恐怖の対象となるだろう。人が。それぐらい人を殺すことにためらいのない少女が書かれている。
2010-09-23 19:09:53谷川流は劇中の登場人物を、本当に高校生にする必要があると思っているのだろうか。登場人物を無難な大人に変えて他の媒体で出せば、読んだことはないが虐殺器官並みの評価を与えられるだろう。
2010-09-23 19:11:38だが、この作品の危険性は、この手の危険性に対して中毒患者を創りだす。厨二病患者はほっておけば治るが、これは治らないかもしれない。それぐらい中毒性が強い魅力を持っているのだ。
2010-09-23 19:16:30では、この作品の魅力について語ろう。前述のした人の死というものを肯定的に捉えているということがまず言える。人は死ぬべき存在であり、例え殺人を行ったとしてもその行為は特に罪に問われることではないということだ。
2010-09-23 19:19:16作品中に出てくる、天使、悪魔、死神、彼らもまたクセモノである。彼らは、人間など単なるゴミとしかみなしてはいない。あくまでも上から目線である。人間などたいしたこともない、単なる罪深い生物などだと思っているのだ。
2010-09-23 19:36:57この論理は性悪説に由来している。人は本質的に悪である。これは、今のような正常な世界がおかしいという考えにつながる。そのおかしい世界をただしているわけであるから人を殺すことは何も咎められることではないということである。危険思想だなこれは。
2010-09-23 19:34:28『閉じられた世界』の気持ち悪さは、西尾維新の世界シリーズに似ているような気がする。事実、世界シリーズから入った読者、例えば僕は、あまりこの作品に拒否感はない。それは、僕もすっかり毒されているからだとも言えるが。
2010-09-23 19:41:09補足としてつけ加えるが、登場人物の一人鳥衣美和も特殊なヒロインだ。最後のことを伏せるとしても、劇中の中でセックスをしまくるし、ライトノベルでは非常に珍しい。それもまた異端さか。
2010-09-23 19:46:26論旨 ライトノベルとしては過激である。涼宮ハルヒとは明らかに異なる。だが、その過激さもまた魅力を持っている。すべての人がおもしろいと思わないだろうが、僕を含めてこの作品が好きだという人はきっといるだろう。
2010-09-24 01:45:32