日本文化の影響を語るギレルモ・デル・トロ監督

映画「パシフィック・リム」についての寄稿文の翻訳です。
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Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(24)ギレルモ「怪獣と同様に、子供の頃の僕は巨大ロボについてもよく夢想してた。ロケットや巨大ロボの絵を、分解立体図を付けてしょっちゅう描いてたよ。ロボットの中は部屋で区切られてて、ここは脚の機関室、ここは腕の機関室、ここは燃料タンク、そしてここは僕が住むところ…という感じだ」

2013-07-08 00:07:04
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(25)ギレルモ「ロボットの中心には決まって映画館を描いた。大キッチンと専用のバスルームもね。全然科学的な設計じゃないが、僕は本当に巨大ロボの中で暮らしたかったんだ。『パシフィック・リム』のイェーガーからも、僕が“これを操縦するのはどんな気分だろう!”と思ってるのが分かるかもね」

2013-07-08 00:15:43
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(26)ギレルモ「兄弟でお金を出し合ってウルトラマンのヘルメットを作ってもらったことがある。古いオリーブオイルの缶を鍛冶屋に持って行って作ってもらったんだ。でも出来上がったのは非常に危険な代物だった。鍛冶屋が缶の切り口をそのまま残してしまったんで、僕らは顔や首に傷を作りまくった」

2013-07-09 00:47:38
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(27)ギレルモ「でも僕らは気にしなかった。赤いレオタードを買って、小さなバッテリーランプと銀色に塗装した2本のガーデンボトルを用意すれば――輝ける瞬間――僕らはウルトラマンに変身した!頭に穴のあいたバケツを被ってるようにしか見えないことを除けば、ね」

2013-07-09 00:48:09
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(28)ギレルモ「子供の頃、僕は3着の全身コスチュームを作った。ウルトラマン、スパイダーマン、そして忘れられたDCコミックの超人ERGだ。どの衣裳も呼吸することをまるで考えていなかった。だからその設計ミスのウルトラマンヘルメットを被るととても暑くて、吹き出物の最初の襲来を受けた」

2013-07-09 00:49:25
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(29)ギレルモ「生涯、僕のモンスターへの愛情は消えたことがない。僕は怪物の玩具を集めては、2軒の家にそれを飾っている(家族の住む家とは別で、Bleak House 1号/2号と呼んでいる)。今でも僕はプラモを集めて塗装してるし、壊れた玩具や収集品を、愛情込めて修繕してるんだ」

2013-07-09 01:06:26
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(30)ギレルモ「僕の玩具修理台はピノキオのゼペット爺さんみたいな感じで、これを書いている今も、ガメラの牙を継ぎ直しているところなんだ。玩具の家には僕が初めて遊んだ玩具と、初めて自分で買った本をまだとってある(続く)」

2013-07-09 01:08:30
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(31)ギレルモ「最初の玩具は、ねじ巻きぜんまい式のボロボロの英国親衛隊兵士の人形だ。最初の本は、ホラー・アンソロジーだった…必然の運命だね」

2013-07-09 01:11:15
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(32)ギレルモ「僕のモンスターへの愛は、僕自身を定義する根本原理だ。ハリウッド進出作『ミミック』の撮影時、僕が巨大昆虫のパペットへの照明や操演を念入りに確認してたら、(主演の科学者役の)ミラ・ソルヴィノにこう言われたよ、“あなた、科学者じゃなくて虫の側に味方してるわよね”って」

2013-07-09 01:19:31
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(33)ギレルモ「僕は一瞬後に“うん、そうだよ!”って答えた。僕は全ての男の子は生まれついてモンスターとロボットを愛するものだと思ってる。大人になっても、その愛情の本質はどこかに残るものだ。車やテクノロジーへの愛情や、生物学術的興味などに形を変えてね(続く)」

2013-07-09 01:21:00
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(34)ギレルモ「でも僕にとって、それは未だにモンスターやロボットへの愛であり続けている。今もモンスターの自然史を作ろうとしたり、どうやったらロボットが実在できるか考えている。それが楽しいんだ。『パシフィック・リム』に携わった3年の間、毎週のように僕は、思いがけず笑顔になる」

2013-07-09 01:21:43
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(35)ギレルモ「一日の仕事の間、3~4度は自然に笑みが浮かぶ瞬間がある。たとえばVFXショットを観るときや、セットを訪れるとき、あるいはスコア音楽の断片を聴くとき、僕の顔は輝いてるよ」

2013-07-09 01:22:21
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(36)ギレルモ「君も考えてみてほしい。“大怪獣と巨大ロボ”のことを。自然と顔がほころばないかい? ワクワクするような喜びを胸に感じないかい?」

2013-07-09 01:23:03
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(37)ギレルモ「しかしプライドや楽しむ心だけでは映画は作れない。『パシフィック・リム』を作るのには難題が伴った。これは完全新規の作品だが、この難事業遂行には、結局は流れてしまったラヴクラフト原作の『狂気の山脈から』と『ホビット』二部作の企画準備が役に立った」

2013-07-09 01:38:34
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(38)ギレルモ「レジェンダリー社のプロデューサー、トーマス・タルと『パシフィック・リム』を一緒に作ることに合意したとき、彼との話し合いで『パシ・リム』にはラヴクラフト風の怪獣は出さないって決めたんだ。それは『パシ・リム』と『狂気山脈』の両方の映画にとって不幸なことだからってね」

2013-07-09 01:39:19
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(39)ギレルモ「『パシフィック・リム』はいろんな意味で、僕が今まで映画を作った中で最高の経験だと思ってる。それは僕が本作を『パシフィック・リム』という独自の作品として作ることができたからだ。」

2013-07-09 01:39:40
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(40)ギレルモ「だって僕はまだ、いつの日か、この手で『狂気山脈』を映画化したいと望んでるんだよ。それなのに、なぜその企画のアイデアをほかに流用する必要があるだろう?」

2013-07-09 01:40:42
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(41)ギレルモ「もともと、僕は(『パシフィック・リム』の製作にあたり)日本からメカデザインのスタッフを招いて一緒に仕事をしたいと考えていた。でもちょうどそのとき、津波の悲劇が起こってしまった(続く)」

2013-07-09 02:00:02
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(42)ギレルモ「それで僕は計画を断念した。多くの日本のアーティストの家族が悲劇に見舞われてしまっているかもしれないのに、彼らを僕たちのフィクションの世界に連れ込んで、映画のプリプロダクションのスケジュールに合わせてもらうなんて、失礼で不誠実だと思ったからね」

2013-07-09 02:00:51
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(43)ギレルモ「僕にとって重要だったのは、『パシフィック・リム』は“戦争映画”ではなく、“冒険映画”として仕上げなければならないということだった。本作が良い冒険映画になっていることを願うよ」(EMPIRE誌寄稿文より)

2013-07-10 01:04:59
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(44)ギレルモ「アレクサンダー・コルダの映画を観ると、兵士たちの間に素晴らしい友情があるのを感じ取れる。僕は『パシフィック・リム』で、ただ軍事的側面だけを強調するのではなく、思いやりと自己犠牲、そして創意工夫の大切さを伝えたいと思ったんだ」(EMPIRE誌寄稿文より)

2013-07-10 01:05:18
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(45)ギレルモ「最近の大作映画では、車のCMと軍の入隊勧誘ビデオをくっつけた、純粋な男性ホルモンと好戦心の塊のような作品になっているものがしばしばある。僕は『パシフィック・リム』に、そういった作品とは違う力学を持ち込みたかった(続く)」(EMPIRE誌寄稿文より)

2013-07-10 01:05:55
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(46)ギレルモ「僕はこの映画を観た子供たちが、一国のイデオロギーや単一的な世界の見方に囚われず、カウボーイや宇宙飛行士になりたいと夢見るのと同じようなレベルで、イェーガーのパイロットになってみたいって思えるような冒険映画を目指したんだ」(EMPIRE誌寄稿文より)

2013-07-10 01:07:39
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

(47)ギレルモ「子供たちは単純に、ロシア機のパイロットや、中国機のパイロットになってみたいと思うかもしれない。でも想像力は無限に広がるものだ。僕の願いは、本作を観たブラジルの子供が、”この世界にはブラジルのイェーガーもあるに決まってる”っていう風に想像を広げてくれることなんだ」

2013-07-10 01:12:03
Aki@LetTheRogueOneIn @akihiko89

EMPIRE7月号は既にバックナンバーになってますが、大きなタワレコにはまだ残ってるんじゃないかなと思います。。

2013-07-09 02:35:14