第一回大罪大戦失陣営【交流フェーズ03】並べ替え

元黒(ノワール)は強欲、アヴァリーティア[ @ebleco_sin ] 元紅(ルージュ)は暴食、グラトニー[ @Hajime__sin ] 元虚(ゼロ)の憤怒、李暗愚[ @Alfreat_sin ] 元黒(ノワール)は暴食、グラ[ @meiji_sin ] 元黒(ノワール)は憤怒、イラ[ @Fiteenl_sin ] 続きを読む
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暴食(Gluttony) @Hajime__sin

扉が閉じる。水晶球が光を失う。 真紅の瞳は、しばらくそれに視線を向けて。 「――バカどもが」 ぽつりと、それだけ零した。

2013-07-05 15:34:03
アヴァリーティア @ebleco_sin

@Hajime__sin 「……ああ、御託なんてどうでもいいさ」 軽口に、男はくつりと喉を鳴らした。 「まずは、『賭け』に勝った分、お前が食えるものを、『向こう』から持ってくる方法を探さねぇとな」 ふと、向けた視線。虚空の向こう。 「……なぁ、お前、『もろみ酢』とか、好きか?」

2013-07-05 00:30:40
暴食(Gluttony) @Hajime__sin

@ebleco_sin 「――なんだ、そりゃ」 聞いたことがない。 『暴食』の表情には、そう刻まれているようで。 「腹、膨れんだろうな?」 味は気にしない、とでも言いたげに。

2013-07-05 15:35:29
アヴァリーティア @ebleco_sin

@Hajime__sin 「ワインと間違えて飲んだら思わず吐き出す程度には腹が膨れるさ」 虚空に腰掛けたまま、男は足を投げ出す。そう言えば、『向こう』に何本残してきたっけ、そんな事を考えながら。 「……一人、二人……一人『消えて』、また一人か……来たぞ、『ゼブル』、『大罪』だ」

2013-07-06 10:30:47
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

襤褸を纏った少女の、すすり泣く声がする。斑に紅く染まった白い髪に飾られた、金色の百合の花を両手で守るように、包むように、抱えるようにして、泣いている。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 「まもれなくてごめんなさい。たたかえなくてごめんなさい。よわくてごめんなさい」

2013-07-06 00:07:12
LiljaのIra @Fiteenl_sin

うっすらと、眼を開いた。 何も無い、黒い、視界。いや、黒でもない……何も無いが故の、色も無いが故の光景。 ——少なくとも、一度でも大罪にあった者はそう簡単には『消』えられない、という事だろうか。 不意に自分の腕が、眼に入った。白い衣。疑念が浮かぶ。少し、記憶を遡るため思考して。

2013-07-06 02:39:19
LiljaのIra @Fiteenl_sin

ああ、と、思い当たるものを見つけて眼を伏せた。なんだ、これは。大罪だからここに送られたのだろうに、罪科を全て否定する。それとも、罪そのものが『無』だからこそ、全てが無になったのか。 ……『世界』が手元に一つも残っていない事は、そのまま受け止めた。受け止めたまま、力を抜いていく。

2013-07-06 02:39:20
LiljaのIra @Fiteenl_sin

——ここには、何も無い。何が用意されているでも何が待っているでもない。 ——眠ろう、癒しすら無い眠りだろうけれど。眠れるかどうかも、わからないけれど。ただ意識を、閉じよう。このまま溶けてしまうのも、それもいい。 女の白いローブに包まれた姿が、奈落へと落ちていく。

2013-07-06 02:39:21
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

『何か』が遠ざかるのを感じる。後悔と悲哀ばかりで満ちた思考に、それはとても大切なものなのだと叫ぶ声が混じる。金の百合を抱きしめ、何もないこの場所を探す。 手離したくない、失いたくない。 「……ぁ……さま……」 「いらさま……イラ様! あなたの『世界』は、ここにいます……!」

2013-07-06 02:52:13
LiljaのIra @Fiteenl_sin

『何か』が聞こえたような、気がした。 閉じた瞼を押し上げる。やはり見えたのは、何も無い色、何も無い景色。長い髪がその中に入り込む。ここまで、『人間』に戻ったか。『憤怒』を識った時に、人にとっては唯一の賛美の対象だったそれを、自分の手で斬り捨てたのに。 ——誰か、いるの。誰が……

2013-07-06 03:39:20
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

探しても見えない。ただ、私の発した声は、触れた気がした。細く頼りない蜘蛛の糸のように繋がった。切れてしまわないように、呼びかけの言葉を紡ぎ続ける。 「おねがい、お願いです、イラ様。あなたの世界はここにいます。ここに、います! ……だからっ」 手放すものか。これは、私の、→

2013-07-06 08:14:05
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

→ たいせつなもの なのだから。 「お願いです、イラ様、あなたの世界(リリヤ)を、無(から)にしないで……無く、ならないで……」 不明瞭な、この《記憶領域》に、少女のすすり泣く声が聞こえる。泣きながら願う、声が聞こえる。

2013-07-06 08:14:28
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

モデストが拡散した頃。 紛れ込んだ一匹の白猫は、「にゃーん」と一度だけ泣いた。 そして丸くなった。

2013-07-06 09:35:44
【暴食の雛】 @meiji_sin

おなかがすいた。 霧散した意識の中でも感じるのは空腹。 食べ損ねた物が多かった、約束もしていたあれはどうなっただろう。 ふわりと思念体は美味そうな匂いを追いかけて移動する。

2013-07-06 08:17:37
アヴァリーティア @ebleco_sin

男は、両手を広げる。その腕の先は、どちらも『右手』だった。どちらも紋章の刻まれた、片方は継ぎ接ぎの腕。 刹那、男の頭上から、本が降り注ぐ。黙示録、聖書、預言書、男が生前目を向ける事もしなかった、ありとあらゆる『書物』が頭上から降り注ぎ、そして男の身体を通過して、虚空に消えていく。

2013-07-06 10:33:50
アヴァリーティア @ebleco_sin

『此処』は、広い。 隣同士に居ても、意識しなければ互いの『存在』すら希薄になってしまう。 故に、男は声を上げた。 「我が名は『原初の強欲(アヴァリーティア)』、『この世界』の所有者」 高らかに、大儀そうに。 「イラ、アーチェディア、グラ、スペルビア。……俺は、此処に居るぞ」

2013-07-06 10:40:14
【暴食の雛】 @meiji_sin

空腹を満たそうと白い猫を襲おうと黒い靄が移動していた。 しかし吹き抜ける風と名を呼ぶ声に反応してその動きを止めて、子供の姿へと具現化する。 思い出した、自分はぐらだ。名前のあるもの。名前を呼ぶ人がいる、もの。

2013-07-06 12:11:04
LiljaのIra @Fiteenl_sin

——声が聞こえた。全身を何かが触れて消えていく。視線を巡らす。 声は、ふたつ。少女と男の呼び掛ける声。 認識した途端に、朦朧としていた意識が凪ぐように晴れた。顔を上げる。『虚空』。概念でさえ緩やかに不安定な空間。空間という名すらここには無いのだろうが。 手を伸ばした。居る、なら。

2013-07-06 12:21:25
LiljaのIra @Fiteenl_sin

此処に居るなら、声が聞こえるなら。 「——『世界(リリヤ)』……『私達の強欲(アヴァリーティア)』……?」 白い髪と、黒の刺青を、探す。

2013-07-06 12:21:26
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

聞こえた。声が。泣き声を詰まらせながら、必死に応える。 「っ……そうです、イラ様、リリヤです! あなたの世界(リリヤ)です、だから……だから……」 届いた声を手繰って少しでも近くへと、地の感覚もないけれど、足を動かして進もうとする。 「在ってくださいませ、イラ様」 手を、伸ばす。

2013-07-06 12:41:15
LiljaのIra @Fiteenl_sin

指先に、何かが現れた。いや、ずっとそこに居たのだと理解った。 伸ばされた手を握る為に、手を伸ばす。指が見えた。腕が見えて肩が浮かび上がった。順繰りに見えた中の瞳を見遣って、女はただ、困ったような笑みを浮かべた。 「——何、泣いてるのよ」 手を握る。引き寄せる。そのまま、腕の中に。

2013-07-06 13:07:42
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