鳳翔の艦娘講座・最上さん編

鳳翔 @Housyou_kankore

はい、それでは少し遅くなってしまいましたが、本日の「鳳翔の艦娘講座」、始めたいと思います。 いつもの様に拙い説明ではありますが、酒の肴とお聞き頂けると幸いです。

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本日の艦娘ちゃんは、最近ちょっと姿を見かけていませんが、「航空甲板がきになるのかい？」で人気の航空巡洋艦、最上ちゃんです。

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今の最上さんは２代目にあたります。 ですので、いつもの様に初代さんから説明を始めたいと思います。

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初代さんは「通報艦」と云う艦種でした。 通報艦と云うのは、文字通り情報伝達を主任務とした小型艦の事です。主に次の様なカテゴライズがあります。 艦隊通報艦：艦隊に付随して敵艦隊の動向を偵察して艦隊に通報する 植民地通報艦：植民地への海路を警護し、現地の権益と治安を保護する

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初期の頃において、情報伝達の手段が発達してなかった時代においては、通報艦の主任務は艦隊通報艦でした。 日本海軍で代表的な通報艦さんは、日露戦争の日本海海戦で最初にバルチック艦隊を発見した仮装巡洋艦信濃丸さんの任務がそれに当たりますね。

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初代最上さんは、そんな任務を期待されて、１９０４年に計画され、１９０７年３月に建造を開始、１９０８年３月に進水、同年９月に就役をしています。 日本海軍では初の専任通報艦に当たります。 また、日本で初の蒸気タービンを装備した艦娘さんでもあります。

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１９１２年、艦種を１等砲艦に変更。 第１次世界大戦では南シナ海警備、南洋諸島警備に従事しました。 １９２１年、シベリア出兵時には沿海州警備にも従事しています。 １９２８年４月に除籍となり、７月には廃艦第３号と仮称され、１９２９年１月３１日に廃艦となりました。

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６月１日に売却され、マストと後艦橋が大阪市北区中之島公園に保存されているそうです。 その後老築化で２００９年に解体、呉市の海事歴史科学館に移設される予定だそうです。 これが、初代最上さんの艦歴です。

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初代最上さんの諸元ですが、 全長９１．４ｍ、全幅９．６ｍ、 常備排水量１３５０トン、速力２３ノット。 燃料は石炭と重油の混合燃料でした。 兵装は、 １２ｃｍ砲２基、 ８ｃｍ砲４基、 ４５ｃｍ魚雷発射管２門です。

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では続いて、２代目最上さんです。 最上級重巡洋艦は、書類上は軽巡洋艦「二等巡洋艦」として計画・建造されて、喪失まで書類上の変更はありませんでした。 当初１５．５ｃｍ砲を装備して居たのですが、後に２０．３ｃｍ砲に変更、最上さん自身は更に航空巡洋艦に改装された事で有名です。

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最上さんは、そんな最上級のネームシップとして建造されました。同型艦は三隅さん、鈴谷さん、熊野さんですが、艦これでは最上さんと三隅さんしか就役していませんね。 元々は旧型化した龍田級軽巡の代艦として予算認可が下りています。

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ロンドン軍縮会議の条約型軽巡として予定されていた為、命名が河の名前になっているのも特徴の一つです。 ちなみに、条約失効を見越して２０．３ｃｍ砲を積載する予定で艦体を作られています。 条約失効後に予定通り砲は換装されます。

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余談ですが、この時下ろされた砲は、その後大淀さんの主砲、または大和さん・武蔵さんの副砲に使用されています。

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さて、最上さんですが。 初代さん解体より２年後の１９３１年１０月に起工、１９３４年３月に進水、１９３５年７月に就役します。 竣工後、第４艦体に所属して三陸沖の演習に参加し、第４艦隊事件に巻き込まれてしまいます。

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最上さんの被害は、カタパルトに固定していた水上機が大破、前部構造物がひずんで第２砲塔が旋回不能、外板の溶接に亀裂が生じて浸水、と、かなりの重傷でした。 その為大改修が行われます。ついで？に、1９３９年に主砲換装が行われて、事実上の重巡洋艦にクラスチェンジします。

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太平洋戦争時は、第２艦隊第７戦隊に所属。 南方作戦に参加しました。それぞれ、マレー・クチン・パレンバンなどの蘭印上陸作戦を支援して居ます。 １９４２年、バタビア沖海戦では、三隅さんと共に米重巡ヒューストン、豪軽巡パースを撃沈します。

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なお、この時目標を外れた酸素魚雷が、上陸作戦を行っていた陸軍特殊船「神州丸」、輸送船二隻に命中して大破擱座、別な輸送船と第２号掃海艇に命中し沈没しています。 ある意味戦果より味方被害が大きい様な気もしますが・・・。

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その後、セイロン沖海戦に参加、通商破壊作戦で戦果を上げています。 同年７月、ミッドウェー海戦では第２艦隊・第７戦隊４番艦として参加します。 夜戦攻撃で飛行機を破壊する任務を与えられた最上さん達第７戦隊でしたが、ミッドウェー基地に９０浬まで接近したところで中止命令を受けます。

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中止命令を受けた最上さん達は直ちに反転離脱をしますが、その１時間２０分後、米潜水艦タンバーに発見されます。 旗艦の鈴野さんが緊急回頭を命じますが、後続艦にそれが上手く伝わらず、最上さんは三隅さんと衝突してしまいます。

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夜が明けて改めて見てみると、最上さんの艦首が潰れているのが発見されます。 応急修理で１４ノット航行が可能になった時点で、三隅さんの指揮下で最上さんは退避行動を続けます。 しかし、ミッドウェーから飛来した航空機の爆撃により、至近弾１発の被害が出ます。

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さらに翌日６月７日、最上さんと三隅さんは駆逐艦荒潮ちゃん、朝潮ちゃんと合流します。 しかし、それを米軍に発見され、米空母ホーネットから艦載機攻撃を受ける事になります。 その攻撃で最上さんは５番砲塔と４番砲塔、そして飛行甲板に被弾し、大破します。

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この一連の攻撃で、三隅さんは沈没、随伴していた荒潮ちゃん、朝潮ちゃんも小破しましたが、何とか離脱に成功。 修理の為日本に帰国します。 帰国後、後部砲塔を撤去して水上偵察機繋止用航空甲板を設置する工事に入ります。

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この工事は１９４３年５月に完了、最上さんは航空巡洋艦にジョブチェンジをします。 建造時からカウントすると２度目のジョブチェンジですね。 これにより、水上機１１機を運用出来る能力が出来ましたが、諸事情により定数配備はされなかった模様です。

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１９４３年１１月のラバウル空襲で敵航空機２機を撃墜しますが、被弾により大破します。 修理後の１９４４年１０月、スリガオ海峡海戦に参加。 西村艦隊の１艦として参加していたので、敵艦隊の激しいレーダー照準射撃を受け、機関部に被弾、速度が８ノットまで低下します。

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この海戦で、先日お話しした山城さんが沈没した後、操舵不能に陥りつつも、最上さんは戦場を離脱します。 その退避中、やってきた第５艦隊の那智さんと衝突してしまいます。 また、同時期に空襲を受け、艦橋に敵弾が命中。艦長以下が全員戦死してしまい、ついに航行不能となります。