#twnovel珈琲祭

2009年10月7日、寒い晩のとある呟きから自然発生した「コーヒー」がテーマの一大Twitter小説競作。
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はまりー @hamari

#twnovel 貴方がこぼした珈琲が、読みかけの雑誌に染みをつくる。開いた頁が囁きかける。今週の双子座は幸運に恵まれると。いったい誰を責めればいいの。黄道を巡る星の動きを。西の空に輝くカストルとポルックスを。地球の周りを音もなく巡る衛星を。何を責めても手遅れだ。貴方は出て行く。

2009-10-07 21:34:26
Takao Rival @takao_rival

#twnovel 珈琲の味を覚えたのはまだ少年の気配が残る頃。その頃知り合った、年上の彼女の部屋に行き、台風のお陰で帰れなくなった夜の後。彼女が淹れてくれた夜明けの珈琲は、苦く切ない味がした。

2009-10-07 21:34:54
ゆえ @sakuyue

#twnovel あの場所で飲んだ珈琲は、どこで飲むよりも泥臭かった。最早それが粉末を溶いた珈琲なのか、沸かした泥水なのかわからないほど、あの時の俺達は泥まみれだった。だが、あの時の安息は何物にも代え難かったはずだ。今この街で飲む珈琲は味がしない。それは、戦場ではないからか。

2009-10-07 21:39:27
Takao Rival @takao_rival

#twnovel エールフランスの客室乗務員が珈琲のポットを持って廻ってる。「濃い」「濃い」と珈琲の濃さを強調しながら。さすがは仏蘭西人、珈琲の濃さにもこだわるか。食事の時の珈琲もまさにヨーロピアンだった。しかし何で日本語なんだろ。注意して聞いたら「カフィ」が訛っただけだった。

2009-10-07 21:42:07
はまりー @hamari

#twnovel 悪魔のように黒く、地獄のように熱く、接吻のように甘い。それが良い珈琲の条件さ。保健教師はそう云って笑う。白衣には茶色い染み。地獄も悪魔も、思ったほど悪くないですね。そうだね。じゃあ接吻は、先生。眼鏡を外すのをやめなさい、ああ……これはまるで、珈琲のように甘いな。

2009-10-07 21:46:40
夕凪奏恵 @k_you_nagi

#twnovel 珈琲って所詮、豆の煮汁でしょ。どこが美味しいの?大人って変。なんて言ってたキミも僕と一緒に喫茶店に入って珈琲を注文する歳になった。まだ砂糖もミルクもたっぷりだけど。そのうち背伸びして苦い珈琲を飲むようになるんだろうな。それまではデートのお相手は僕だけってことで。

2009-10-07 21:48:24
TAG @bttftag

#twnovel 環境の悪化で地球を脱出した人間は、友好的な星に移住し、そこでコーヒー農園を開いた。これがたちまち人気を博し、今や元地球産のコーヒーといえば銀河の名物の一つである。この原種を是非とも復活させたいと星々が協議し、地球の再生に乗り出した。コーヒーが地球を救ったのだ。

2009-10-07 21:49:46
芹沢文書 @DocSeri

@Swishwood 「白い渦が褐色に濁る流体の上に掛かる。熱の循環が渦を加速し、渦は愈々激しさを増す。雨風が激しくなって来た。窓の外には颱風、私は珈琲に舌を灼く」 #twnovel

2009-10-07 21:50:45
酔宵堂 @Swishwood

雨の夜はカップを片手に。容赦なく叩き付ける雨音に、はぜる薪の音。娘の寝顔をちらと見て、書きかけの日記をめくる。続きを書くのは、晴れてからでも良いな。ポットからもう一杯珈琲を。残りは、朝のカフェオレの為に。もう少し夜を味わおう、眠るのはそれからでも遅くない。 #twnovel

2009-10-07 21:51:34
TAG @bttftag

#twnovel 「…ちがうちがう! 手順が違うっ! …よし、もう一回最初からやってみろ」「なんでこんな事…。まず、コーヒー豆を引きます」「うん」「お湯を湧かします」「うん」「フィルタを用意して一回豆を蒸らします」「うん」「服を脱ぎます」「そこがおかしい!」

2009-10-07 21:56:20
Takao Rival @takao_rival

#twnovel 研究室にある日珈琲ポットが置かれた。誰も置いた覚えが無いと言う。どかそうとしてもビクとも動かず、蓋も絶対に開かなかった。おまけにこいつは周りの会話に反応し始めた。特に珈琲関係に敏感だ。なるほど、こいつは珈琲botだったか!

2009-10-07 22:08:11
ゆえ @sakuyue

#twnovel 「このあたしがせっかく淹れてあげた珈琲を飲めないっていうの?」「え、いや……」「じゃあ飲みなさいよ。べ、別にあんたの為に淹れた訳じゃ……」「いや、その……それ、珈琲じゃなくてホットコーラだよ?」「え、ウソ!?」かぁーっと赤くなる彼女が、なんだか可愛く見えた。

2009-10-07 22:11:45
芹沢文書 @DocSeri

「滴る雫が液面で跳ね、平面の上を滑る。何故、同じ液と液が混じることなく表面を保っているのか。不思議な光景を眺めながら抽出を待つ。漂う芳香。静かに、等量の湯を注ぎ続ける貴方。二人きりの倖せな時間。夜よりも黒々とした液体が滴り落ち、珈琲よりも芳しく夜は更ける」 #twnovel

2009-10-07 22:16:50
Cal Que El Lulu-rain @senzaluna

男が街道を走る。風のように走る。異様なるはその右手。肘を曲げ顔の高さまで上げた掌に乗るは銀色の盆。上に一客のコーヒーカップ。湯気立つ珈琲は一滴も零れていない。どれだけのバランス感覚の持ち主なのだろう。……そう、彼はこの街道名物「出前喫茶」のマスターその人なのだ。 #twnovel

2009-10-07 22:25:18
あQ (CTT) @aquall

#twnovel 珈琲の香りがする。何処からだろう、珈琲の香りがする。ココは?。白い壁に囲まれた何も無い部屋。香りはその空間を褐色に染め上げていく。「…さん起きて、起きてくださーい」「ん、あぁ、寝てたみたいだね」「はい、眠気覚ましの一杯、どーぞ」その香りは夢の中のそれと同じだった

2009-10-07 22:45:54
@hikarux_x

#twnovel 「らめぇ…怖い…壊れちゃうぅ」「壊れるもんか」「いやぁ…怖い。怖いの」「身を任せてごらん」「あっあっ…」*小休止*「どうだい?良かっただろ?」「う~ん…。怖い。」「えっ?;」「こんどは熱~い珈琲が怖いv*」おあとがよろしいようで…

2009-10-07 22:45:56
クステ @cste

#twnovel コーヒーミルで宇宙珈琲の豆を挽く。それを入れたフィルターをドリッパーに。最初に少しお湯をたらして蒸らして……。お湯を廻しながら少しずつ入れると、粉が膨らむ。ビックバン。インフレーション。ボイド構造。そしてビッククランチ。宇宙は芳醇な香りがする。

2009-10-07 22:47:59
芹沢文書 @DocSeri

「擂鉢状の壁面はあまりに滑らかで手掛かりもない。底に空いた穴の奥にはゆっくりと回転する鈍い刃が、犠牲者を引き込み砕こうと待ち構える。落ちたが最後、体の端から潰されながら永い絶望を味わうのだ。幾多の罪もない珈琲豆を轢き殺した報いか。隣で焙煎職人の灼ける臭いが漂う」 #twnovel

2009-10-07 22:51:53
はまりー @hamari

#twnovel 何云ってるの、私なんかもうおばちゃんよ……すいません、珈琲を、珈琲をください……子供の頃はバレリーナになりたかった。お小遣いをためてシューズを買って。でも習いにいくお金なんかなくてね。ふふ。遠い昔の話。私のプリマは一度も跳ばずに死んじゃった……珈琲まだかしらね。

2009-10-07 22:54:37
ゆう @yukiririkiriri

#twnovel 雨の休日は、家で読書をして過ごすのが私たちの楽しみ。今日も私は二人分の珈琲を入れて、彼の隣に座る。こんな何気ない日常が幸せだったりする。でも彼が珈琲をひとすすりして、ハッとしたように1冊の本を差し出した。タイトルは「おいしいコーヒーのいれ方」もう淹れてあげない!

2009-10-07 22:55:02
あQ (CTT) @aquall

#twnovel 「ごめんね、相談に乗ってもらっちゃて」「別にいいわよ。あなたはね、ちょっと恋の病にかかっていただけ。ほら、これ飲んで元気出して」「ありがとう……あつ、にがっ」親友の淹れてくれた珈琲は濃い目のブラックだった。「良薬は口に苦し、ってね」

2009-10-07 23:02:12
ひきこうもり @Hikikomori_

生い茂る密林。警戒しながら狩人達は進む。前獲物を仕留めたのはいつだったか。突如、鋼の触手がしなり先導の上半身が消えた。液体が噴出され犬が倒れる。男は渾身の力で銛を打ち込む。鋼皮を切裂く。絶叫。狩りは成功だ。狩人達は目を血走らせ、獲物から滴り落ちる珈琲を舐め始めた #twnovel

2009-10-07 23:02:46
@1221az

雨の音、珈琲豆を挽く音、そしてBill Evansのピアノの音色 僕の中に染み込んでいくそれらは、あの日の彼女の横顔を映し出す #twnovel

2009-10-07 23:03:17
tokoya @tokoya

#twnovel 彼女が煎れてくれた珈琲で、僕の朝は始まる。一杯の珈琲を体の中に流し込むと、それが体の隅々にまで行き渡り、活動するエネルギーになるのだ。珈琲を飲むまでの僕は、死んでいるようなものだ。それにしても、どこのどいつが珈琲燃料の義体なんてものを思い付いたのだろう。

2009-10-07 23:04:17
芹沢文書 @DocSeri

「嘗て狂気山脈という名の純喫茶で飲んだ珈琲はそれこそ悪魔の如き黒さ、地獄の如き熱さ。ぼこりぼこりと泡を吐き、カップを持つ手にうねりうねりと触手を伸ばし、時折奇妙な声でテケリ・リと啼く。爾来忘れ得ぬ味を求め消えた店を追って世界中を彷徨い、気付けばタクラマカン砂漠」 #twnovel

2009-10-07 23:06:42