【二次創作な】「ディザイアズ・トゥ・リーチ・ガンダーラ」#2

ニンジャスレイヤー(@njslyr)の二次創作小説です。
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欺瞞動画の会社 @naclaqns

「ディザイアズ・トゥ・リーチ・ガンダーラ」♯2

2013-07-20 12:59:19
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(あらすじ:が突如としてネオサイタマに出現したアクマニンジャ「パーピヤース」!ボンノを食らうアクマはこの欲望の街で無敵のカラテを発揮、ニンジャスレイヤーを退けた…のみならずそのソウル、ナラク・ニンジャを奪う!)

2013-07-20 13:02:52
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(一方キョート。探偵タカギ・ガンドーはショーソーインより盗み出された聖典「テンジク」の捜索にあたっていた…が有効な手がかりは掴めない。だが、ネオサイタマとキョート、二つの都市で起きた事件は意外な共通点を持っていた。インドだ。)

2013-07-20 13:05:27
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(かくて冒険は始まる。ニンジャスレイヤーと彼のもとに集った仲間たちは、一路インドへと向かう。だが油断するな、フシギあるところにニンジャあり!彼らを待ち受けるのは邪悪なインドニンジャ集団、その名もヨーガ同好会!デリーに血風が吹きすさぶ!)

2013-07-20 13:07:55
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近代的なのは空港までだった。エントランスから一歩踏み出した瞬間、熱気が全身を押し包む。北緯二十八度の日差しはネオサイタマとは比べようもない。そして強烈なのは匂い…埃の匂い、汗の匂い、香辛料の匂い。この国では未だ人が人として生活している、匂いはその証である。1

2013-07-20 13:16:21
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行き交う人々は誰も彼も日に焼け、未舗装の道に土煙を巻き上げながら闊歩している。時おり牛や犬やラクダが交じり我が物顔で糞を落とす。フジキド・ケンジはトレンチコートの前を開けた。彼は滅多なことでは動ぜぬ男ではあるが、ここまでのカルチャーショックを受けて平然としているほど鈍くもない。2

2013-07-20 13:23:39
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「オイオイオイ、ここは本当に日本と同じ惑星なのか?信じられねえな」「全くだぜ…どっか休める所は無いのかよ」タカギ・ガンドーとエーリアス・ディクタスがフジキドの心中を代弁した。八時間に及ぶ空の旅の疲れは当然あろう…がスキを見せたのが彼らのウカツ!「「「「バクシーシ!」」」」3

2013-07-20 13:31:25
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インドの洗礼が始まったのだ!獲物を発見したコアラの如く群れを成して押し寄せる物売り・物乞い・ストリートチルドレン!「バクシーシ!」「バクシーシ!」「ヤスイヨ!」「ホンモノ!」「ミルダケ!」「バクシーシ!」「アーッ!もう!分かったよ!」ナムサン!エーリアスがサイフを取り出す!4

2013-07-20 13:39:44
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「「「「バクシーシヤッター!!!」」」」「「「グワーッ!?」人海が一行を飲み尽くした!「グワーッ!?」「グワーッ!?」互いの姿も確認できぬほどの人の波の中、ガンドーとエーリアスの悲鳴が交互に上がる!だがフジキドとてそれを助ける余裕は無い…自らの衣服と荷物を守るのに手一杯だ!5

2013-07-20 13:48:45
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申し上げるまでもないが彼ら三人はニンジャである、それをも圧倒する数の暴力と遠慮の無さ!何故ならここはインド、ブッダの故郷にして日本にも勝るとも劣らぬ神秘の国なのだ!「「グワーッ!?」」見よ!ウンカの如き群衆が去る!後に残されたのはインチキインド衣装を纏ったガンドーとエーリアス!6

2013-07-20 13:57:12
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衣類、金銭、パスポートに至るまで、彼らが日本から持ち込んだ品々は全てインドの大地に溶けて消えた。「「…ナンデ?」」呆然と発せられた二人の発言を、フジキドはなぜ自身のみが無事だったのかという意味に取った。「カラテだ」「そうじゃねえよ!」「バカ!」エーリアスのサリーが熱風になびく!7

2013-07-20 14:06:52
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カラテだ。フジキドは自らが放った言葉をもう一度口の中で呟いた。足りない。動きがワンテンポ遅れる。知らぬうちにナラク・ニンジャに任せきりになっていた部分、それは彼自身が思うより遥かに大きかった。半身を奪われた今、そのカラテは得体の知れぬインドニンジャにどの程度まで通用しようか。8

2013-07-20 14:15:09
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ガンドーが苛立たしげにタバコを取り出そうとするが…当然盗られていた。それだけではない。慣れ親しんだ懐の重みが消え失せている。税関の目を盗み持ち込んだ愛銃49マグナムまでもが、いつの間にやらホルスターから抜き去られていたのだ。「アー…アーチクショウ。勘弁してくれよ…」9

2013-07-20 14:24:27
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途方に暮れ佇む一行のすぐ横を、インドの雑踏は我関せずと言う風情で通りすぎてゆく。旅の第一歩からしてこの有様だ、果たして彼らに「テンジク」を見つけられるのか?難しいだろう。そもそもこの三人はインド語すら話せないのだ。10

2013-07-20 14:33:05
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従って協力者が必要である。だが…遠く離れた異国にそのような人物が居ようか?旅立ちの前に「心当たりはある」と語ったフジキドを、他の二人は今や疑惑の目で見ていた。だがその時。不意にインド人たちが足を止めた。それだけではない。彼らは一斉に膝を折り、礼拝めいた姿勢を取る!「…来たか」11

2013-07-20 14:41:15
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インド人の群れがインダス川を打ったように静まり返り、その合間から湧き出るように現れたボンズあり。元はバトルカフタンであったと思われるオレンジ色のボロを身に纏っている。口もとには裂けたような傷、そして隻腕での合掌…矛盾しているがそうとしか言い様がない…が特徴的である。12

2013-07-20 14:52:29
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ボンズが二度三度オジギするとインド人達は皆うやうやしく立ち上がり、再び流れ始めた。「ドーモ、お久しぶりです」「ドーモ…実際見違えた。随分逞しくなった」ボンズははにかむように笑った。彼の名はアコライト。キョート・ボンジャンテンプルのボンズニンジャだが、今は修行の途の只中だ。13

2013-07-20 15:01:40
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彼がこの地へと至った経緯はまた語る機会もあろう。いずれにせよ日本でのイクサで自らの未熟を悟った彼は、数カ月前よりここインドでカラテを鍛え直していた。擦り切れた袖から覗く隻腕には菩提樹の幹めいて筋が走り、それを覆う肌は赤銅色に焼けている。だが物静かな印象は以前と変わらぬ。14

2013-07-20 15:10:32
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「ドーモ、タカギ・ガンドーです」「俺はエーリアス・ディクタスです」初対面の二人が合掌した。彼らキョート人は本能的にボンズを敬う。特にエーリアスのオジギは深い。「ナマ…ドーモ、アコライトと言います。そう恐縮なさらずとも大丈夫ですよ。このようなナリですが、インド人ではありません」15

2013-07-20 15:19:02
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ガンドー達がアコライトの言葉を冗談だと理解するまでには数秒の時間を要した。「イヤ、すまねえ。どうも身構えちまって…。まさかこんな本格的なボンズ様だとは思ってなかったもんで」「同感だぜ。ニンジャスレイヤー=サンの付き合いってのはどうなってンだ」「オヌシらも人の事は言えなかろう」16

2013-07-20 15:26:02
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「まずは宿に身を落ち着けられては。長旅でお疲れでしょう」「ホントだよ!飛行機なんて滅多に乗らねえからな!」「先にメシだな。もう腹が減っちまって…。いきなり注文付けるようで悪ぃがな、俺の腹は実際デリケートだぜ」「……」「……」四人は雑踏の中に消える。悪くない一歩目だろう、だが。17

2013-07-20 15:33:16
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だが油断するなニンジャスレイヤー、ここは故郷ネオサイタマから遠く離れた不可思議の国。己の半身たるナラク・ニンジャすら失った今、その旅路に安全の保証は無い。見よ、雑踏の中で目を光らす複数の男たち!既に監視網の手中!彼らは一体何者か?それを知るには一度場面転換を挟まねばなるまい!18

2013-07-20 15:41:06
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まず読者諸氏にお知り置きいただきたいのは、インドにニンジャは居ないということである。インド人にディセンションは起こり得ない。ここでその仕組みを取り沙汰するつもりは毛頭無いが、いわゆるハトリ者は存在しない。だが読者諸氏は既にインドニンジャの一端を垣間見ている…どういう事か?19

2013-07-20 15:50:07
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「リアルニンジャ」なる存在を、 読者諸氏はご存知だろうか。 超常の修行シークエンスを踏み、人を超えニンジャ となった者をそう呼ぶ。今となってはその存在すら定かではないが…はるか古代にあっては、ニンジャは皆リアルニンジャだった。19

2013-07-20 15:57:32
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