中国の流通事情

井上純一（希有馬屋）『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

これから悲しい話をします。実話です。

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月のお姉さんの赤ちゃんはとても虚弱。肌も黄色く髪の毛もまばらでした。ミルクもほとんど飲みません。月のお姉さんは「コレは中国産のミルクがおかしい！」と気がつきました。「日本のミルクを送ってくるよう頼んでくれないか」と月に連絡してきました。当時はまだ月は中国にいたのです（続く）

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自分は月に言われて、日本製の粉ミルク缶をダンボールにつめて送りました。また、瀋陽に行く時はダンボールを引っ張っていきました。日本製の粉ミルクの威力はすごく、あれほどミルクを飲まなかった赤ちゃんがドンドンミルクを飲み、どんどん元気になっていきました（続く）

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肌も正常になり、髪の毛もふさふさになった赤ちゃん。体重も増え、近所でも大柄な赤ちゃんとして注目を集めました。赤ちゃんがとても元気なので皆が理由を知りたがり、そのアパートの周辺では「日本のミルクで育った赤ちゃん」として有名になったのです（続く）

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近くに住んでる夫婦が「一度そのミルクをうちの子に飲ませて欲しい」と言ってやってきました。その子も肌が黄色くて、ミルクをすぐ吐いてしまうのです。月のお姉さんが日本製のミルクを渡すと、もの凄い勢いで飲みます。可哀想なくらいです。（続く）

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私は「中国にだって日本製のミルクがあるだろう」というと、「あれは中国工場で作っているものに日本のメーカーの名前を付けてるだけのものがあるのだ。見分はつかないし、信用できない」とのことなので、私はずっとミルクを送り続けたのです（続く）

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中国はそういう危険な粉ミルクをまだ売ってますし、それを買うしかない人もいっぱいいるのです。日本の安全な粉ミルクを欲する人はたくさんいます。これが事実なのです。

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ちなみに粉ミルクのお金は郵送費込みで全額お姉さん夫婦が支払いました。自分は要らないと言ったのですが「面子があるので」と押し切られました。彼らは日本製のミルクを買うお金がないのではありません。中国の流通の問題なのです。

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日本を憎んでる人たちばかりなどでは絶対にないのは当然として、国交断絶とかされると凄く困る人たちが中国にいることを知って欲しいのです。