2013年7月25日

山本七平botまとめ/めまぐるしい「リアル」の追求/~先進国というお手本がある期間だけ通用する(日本人が追い求める)リアル~

山本七平著『存亡の条件――日本文化の伝統と変容――』/第六章 虚構と偶像/めまぐるしい「リアル」の追求/173頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

①【めまぐるしい「リアル」の追求】戦後、この行き方が最もよく表れているのは教育である。 受験という前提を固定し、その中での自由競争を行うことを、みなが当然と考えている。 従って徳川時代の町道場同様に、受験道場が至るところで繁昌している。<『存亡の条件』

2013-07-12 23:57:55
山本七平bot @yamamoto7hei

②おそらく受験術では、日本の学生は、昔の日本軍同様に無敵を誇りうるであろう。 というのは、東大受験ならば、世界中の高校生が受けに来ても、おそらく日本の学生がほぼ全勝すると思われるからである。

2013-07-13 00:27:40
山本七平bot @yamamoto7hei

③だがこの受験術は、その前提が一変したら無価値に等しく、またこの受験術において優秀であれば、その学力が世界無敵だということではない。 だがこの行き方は、何も教育だけではない。 政治も同じである。

2013-07-13 00:57:51
山本七平bot @yamamoto7hei

④選挙区・選挙法の固定化を前提に、あらゆる選挙術を駆使する者が当選するが、たとえそれが自由競争でも、当選した人が有能な政治家とはいえない。 また産業界では″通産省″がつくった一つの前提の中での自由競争であって、その自由競争は、海外から常に疑いの目を向けられているわけである。

2013-07-13 01:27:39
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤しかし、この前提を変える気はあるまい。 そして前提が一変すれば、すぐさま新しい前提を臨在感的に把握し、それを絶対化することによってそれに支配され、その中で徹底的に術を競うことによって、すぐさまそれに適応できるであろう。

2013-07-13 01:57:53
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥たがしかし、この行き方は、日本が、先進国に密着し得た後進国の間だけ、ある程度の効力を発揮し得たにすぎず、これが効力を発揮しうる間は、前述のように真の指導者は不要なのである。 しかしその前提もすでに崩れつつあると思われる。

2013-07-13 02:27:39
山本七平bot @yamamoto7hei

⑦そしてそれが崩れつつあることが、何となく人々にも予感され、それが「奇妙な終末論」を流行させたものと思われる。 結局、われわれが今何を問われているのか。 いうまでもなくそれは、 過去においてわれわれが「リアル」と考えていたことの本質は何であったか、 ということなのである。

2013-07-13 02:57:50
山本七平bot @yamamoto7hei

⑧確かにある考え方は、ある情況では「リアル」(事実)であり、その考え方に従えば現実の問題が処理できた。 そして別の考え方を「リアル」と信じて行動すれば、それは「赤軍派」のような最後を迎えるだけであった。

2013-07-13 03:27:39
山本七平bot @yamamoto7hei

⑨従ってこの事は、現在までの「リアルな考え方」の基準を多くの人が知っていたという事である。 そしてその基準とは一口でいえば「先進国」であった。 しかし、それがなくなった時、われわれの考え方が常に「リアル」であったとはいえない事は、大平洋戦争そのものが一つの証明なのである。

2013-07-13 03:57:48
山本七平bot @yamamoto7hei

⑩確かに、臨在感的把握で前提を固定し、その中で術を競うのは確かに今までは「リアル」であり得たであろう―― かつての軍部も、日露戦争のときには「リアル」な存在であったのだから。

2013-07-13 04:27:38
山本七平bot @yamamoto7hei

⑪ではこれを一体どうやって克服すべきなのか。 与えられた前提を絶対化して、その不自由が不動のものである限り、われわれはその中で自由であり、その中で自由競争ができる。 そしてそれをリアルとする。

2013-07-13 04:57:58
山本七平bot @yamamoto7hei

⑫しかし与えられた前提が消失するか、はじめから前提はないと言われた場合、仮定の前提を立て、仮定と仮定の方法論のもとに、試行と模索で新しい道を探し、絶えず誤るのを当然と考え、未来を対立概念で把握しても、(続

2013-07-13 05:27:38
山本七平bot @yamamoto7hei

⑬続>ある一方向を臨在感的に把握してそれを絶対化し、そうでなかったとき「だまされた」などと言わないため、まず、どのような自己改革が必要とされるのか。

2013-07-13 05:57:47

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