式波さんリョナ文章

現場猫教授 @Dr_crowfake

俺にリョナ絵がかける才能があったら使徒侵食とヱヴァの呪縛と身体損傷でボロボロになった式波・アスカ・ラングレーさんを描くのになあ。「私は何度でも立ち上がる」闘志を目に秘めた上で。

Хаями🍥Расэндзин @RASENJIN

@ninomae_fumi リョナ文章でひとつ。

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「式波・アスカ・ラングレーが目覚めたとき最初に見たのは知らない天井だった。視線を移す。点滴が右腕に刺されている。左腕は？　目を動かすが視界に入らない。ただ不自然なシーツのくぼみがあった。腹部に鈍痛を感じる。麻酔が切れかけているのだろうか。アスカはナースコールを押そうとした」

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「ナースコールとともに入ってきたのは赤木リツコ博士だった。「アスカ、意識が戻ったわね」「ここはどこ？　今はいつ？　私はどうなってるの？」「全てをいっぺんに説明するのは難しいから、貴方の現在の状態についてまずは応えるわ」リツコは物憂げな瞳をアスカに向けた」

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「「まずあなたは、3号機起動実験の際、寄生型使徒にエントリープラグを乗っ取られ、自我境界線が危険域に突入した。その後、3号機は初号機に撃破され、その際エントリープラグは破壊された。貴方の置かれている状態は、それが原因」リツコは淡々と云う。「で、どうなってるのあたしの身体」」

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「「自我境界線を超える精神汚染と、エントリープラグの大破の結果、貴方の身体は取り返しようもなく侵されてしまった。貴方の体の一部は殲滅できなかった使徒の身体で補われている。その侵食は細胞レベルで、到底取り除くことはできないわ」リツコはそう冷酷に告げる」

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「「また、エントリープラグの物理的破壊の際、貴方の身体は重大な欠損を受けたわ。具体的には、左腕と、内臓の過半の喪失。にも関わらず貴方がかろうじて命をつなげたのは、貴方に侵食した使徒が貴方と共存を選んだため」リツコはそういい、溜息を付いた」

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「「現在、貴方の身体は非常に不安定な状態に陥っている。欠損した臓器を共生型使徒と人工臓器で補ったとはいえ、このつぎはぎの状態を維持することには困難がつきまとう。まず第一に、共生を選択した使徒との主導権の奪い合い。これは貴方が強い自我を持ち続けることで可能だけど、リスクは高い」」

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「「次に人工臓器の拒絶反応。貴方の身体は貴方から生まれたものでない人工臓器を排除したがっている。そのため貴方は拒絶反応にさらされることになる。これについては抑制剤を処方するけど、メタボリックスの急激な悪化は十分あり得ると考えて」」

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「「すでに貴方の身体の1／3は、貴方揺らいでない物質でできていて、それがせめぎ合っている状態にあるの。だから、常に状況をモニタリングしなければ、致命的な自体になってもおかしくない」「それでも、あたしは生きてる」「そうね」アスカの答えに、リツコは初めて微笑んだ」

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「「ともあれ、当面は私が主治医として貴方につきます。貴方は数少ない、ヱヴァパイロットなんだから」そこでアスカはリツコが髪型を変えているのに初めて気づいた。「あの事故から、どれだけ経ってるの……」「1年。その間いろいろなことがあって、世界はぐしゃぐしゃになった」とリツコは応える」

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「「どういうこと!?」アスカの質問に、リツコは「それはまた、貴方の病状が安定してから話しましょう」と告げ、去っていった。去り際に打たれた睡眠薬のせいで、急速にアスカは昏睡状態へと陥っていった」

現場猫教授 @Dr_crowfake

「数日後。式波・アスカ・ラングレーは自身の状況を客観的に見られるようになっていた。使徒の侵食。精神汚染領域に達したことによる「ヱヴァの呪縛」そして内臓の大半を人工臓器に置き換え、片腕を失って何とか生き延びている自分自身を。自分はこのまま、障害者、廃兵として余生を過ごすのか」

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「ありえない。アスカはそう判断した。体内の共生型使徒との主導権争いや人工臓器の拒絶反応は、抑えこもうとすれば押さえ込める。なら、ねじ伏せて自分の意志のままに自分の身体を動かさなければならない。身体のコントロールの回復、それこそがヱヴァ搭乗者の第1の資格だからだ」

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「アスカは拒絶反応抑制剤を毎日馬に食わせるほど飲みながら、共生型使徒の精神汚染と戦った。毎夜の苦痛と悪夢。苦痛と狂気に侵され何度も拘束された。だがそれでも、彼女は自身の自我を中心として心理的肉体を再構築することに成功した」

現場猫教授 @Dr_crowfake

「「おめでとうアスカ。これは私からのプレゼント」退院祝いとしてリツコが渡したのは左腕の付け根から先端に至る義手だった。「これを装着すれば、幻肢痛からは解放されるはず。つけてご覧なさい」すでに左腕の根本はジョイント化されていた。アスカは迷わず装着した。激痛。激痛。激痛」

現場猫教授 @Dr_crowfake

「「あらごめんなさい、接続時のエラーが出ているのね、すぐにこちらで修正するわ」リツコがコンソールパネルを操作するのをアスカは止めた。この苦痛、自分で抑えこむ。自分自身が自分の身体の支配者であるということを認識する。その決意により、アスカは義肢のもたらした幻肢痛から解放された」

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「しかしそれでもなお、式波・アスカ・ラングレーの身体が予断を許さない状況であることは代わりはなかった。しかし、彼女は戦士であった。リツコから聞かされたニアサードインパクトの真相を受け、半ば廃兵に等しい自身の生命を投げ打ちネルフと闘う覚悟を決めた」

現場猫教授 @Dr_crowfake

式波さんリョナ文章終わり。